東京の高級アンティーク家具店パンカーダのブログ -44ページ目

ゲートレッグテーブルの季節

いよいよ春。




でも、英語の「spring/スプリング」って、「バネ」のことでは?


「泉」も同じ言葉だし、なんでスペルも一緒なの?


・・・そんな疑問、もたれたことありませんか?


もともと古英語で、「springen」、さらに古くは「springan」という言葉があり、これは「ぱっと急に動く・跳ねる・飛び出る・(水が)涌き出る」という意味でした。



これがそのまま物の名前として呼ばれるようになったのが「バネ」の「Spring」。




場所、現象として呼ばれるようになったのが「泉」の「Spring」。





この泉を源泉としてとらえ、元の場所、はじまり、という意味合いからものごとが始まる「春」の「Spring」となった、といわれています。




よって、「春」の「Spring」は、英語の歴史ではかなり新参者ということでしょうか。



実はspring が「春」の意味になったのは16世紀のこと。それ以前、「春」は 「lencten」と言いました。


これは「lengthen/長くなる」と同じ語源であり、春は「日が長くなる」と言う意味合いがあったことに由来しているといわれています。





この「lencten」は、現在「レント Lent」すなわち四旬節というカトリック教の暦の言葉に残っています。




・・・ということで、今日は古英語の春にちなみ、「長くなる」家具をご紹介!



アンティーク家具で長くなる家具はテーブルがほとんどで、天板を広げて拡張板をはめるウィンドアウトや引き出して拡張できるドローリーフテーブルなどがありますが、今日は17世紀初頭からみられ、400年の歴史があるゲートレッグテーブルを何点かご紹介いたします。



オークのおおきめのゲートレッグテーブル は、そのままダイニングテーブルとしてもお使いいただけます。安心感のあるどっしりとした風合いがたまりません。



マホガニーのゲートレッグテーブル は、クモの足のような細くて多い脚が特徴的。実際にスパイダーレッグテーブル、とも呼ばれます。華奢で優雅なフォルムは耽美的ですらあります。




オクタゴナルのゲートレッグテーブル 。こちらも「蜘蛛の足」ですね。世界の運気を引き寄せる、幸運の八角形。深みのある古艶が美しい逸品です。






たたんだ時に薄くなる高級ゲートレッグテーブル は、アレンジした公爵夫人の名前をとってサザーランドテーブルと呼ばれます。好きな場所で広げてティータイム・・・ヴィクトリアンの当時がしのばれます。





「ゲート」はそのまま「門」のこと。


広げる時の支柱の動きが、門扉のようであることから名づけられました。



シンプルで美しいゲートレッグテーブルは、大きさや素材も様々ですが、どれも機能的で、生活のスタイルに合わせてくれる、優れもの。


新生活への一助に、いかがでしょうか。


春の扉があなたを待っています。




by N



現実を超えた現実:カラヴァッジョ展


現存する真筆はわずか60点強といわれる16世紀の画家、カラヴァッジョ。


イタリアが生んだ偉大な画家は、バロック絵画の創始者であり、その一方で罪深き犯罪者でもありました。


そんなカラヴァッジョをテーマとした展覧会が、上野・国立西洋美術館にて開催されています。


変わりやすい天候の3月、晴れ間をみつけて、行ってみました。



西洋美術館のエントランス。
色気たっぷりのバッカスがお出迎えしてくれます。





館内撮影は禁止なので、入り口だけ・・・。






作品数は多くはありませんが、カラヴァッジョの作品として有名な「バッカス」、近年発見され、今回が世界初公開という「法悦のマグダラのマリア」など、見応えは十分。


アンティーク家具屋としては、「サヴォナローラチェア」が登場する「エマオの晩餐」が見たいところでしたが、チェアが描かれているのはロンドン・ナショナルギャラリーのもの。





今回来日しているのは、後年同じテーマで描かれたミラノのものです。







同じ画家のものとは思えないほど表現が異なっていて、改めてカラヴァッジョが歩んだ波乱万丈の人生を考えさせてしまいました。


そんな人生を追いかける手段として、今回の展示ではローマ美術所蔵の、当時の文献が展示されています。


当時の人々が証言したカラヴァッジョの素行などが翻訳されていて、より深くカラヴァッジョの世界に入っていける助けとなっています。


ミュージアムショップは、通常の販売に加えて、カラヴァッジョ・グッズや、珍しいイタリアの食材などをそろえたスペシャルなしつらえとなっていて、おもわずお財布の紐がゆるみます・・・。





上野公園では、早咲きの桜が道行く人の注目を浴びていました。


9時半から開館していますので、早めの時間帯がおすすめ。




上野公園の桜の見頃とあわせて、脚を運ばれてみてはいかがでしょうか。






そして、カラヴァッジョ鑑賞のあとは、ぜひサヴォナローラスタイル・スツール にてお寛ぎください。




パンカーダでご用意しております・・・。



カラヴァッジョ展 オフィシャルホームページ
http://caravaggio.jp



by N

当たり前の奇跡


今日は3月3日。


電話の発明者として有名なアレクサンダー・グラハム・ベルの誕生日。





アレクサンダー・グラハム・ベル/Alexander Graham Bell は、1847年3月3日、スコットランド、エディンバラに生まれました。


1870年にカナダへと移り、電話の特許をとったのは1876年3月。




当初はおおがかりだった電話機も、家庭におくためにどんどんコンパクトになっていきます。こちらはオークの虎斑が見事な電話機。1900年頃。





ちなみにこれは、1920年頃の電話機。



このような電話機を置き、傍らに座りながらおしゃべりをたのしむために作られたのが「テレフォン・シート 」でした。


携帯電話の時代には、もう本来の用途では使わなくなってしまいましたが、可愛らしいコンパクトなフォルムは玄関などにおいて、ちょっと腰かけたりするのにぴったりです。





聴覚とスピーチに関する研究と教育に生涯にわたってかかわり、電話の発明はあくまでその副産物であったというベル。



改めて遠くの人とのやりとりが瞬時にできる当たり前の奇跡を、もう一度考えたくなる気がしました。




今日は大切なあの人に、 「電話」 してみませんか?



by N


3月はライオンのごとく

いつのまにか、もうすぐ3月。


こんな英語のことわざをご存知でしょうか?


”March comes in like a lion, and goes out like a lamb.”

「3月はライオンのごとく来たりて、子羊のごとく去る」。



Una and Lion by Briton Riviere 1840-1920

これは3月の天気の隠喩。


3月の最初の頃は雨が多く、風が強く激しいけれど、最後の方は天気が良く、暖かくなって優しくなる。まるで、ライオンから子羊になったよう・・・ということ。






日本の気候はそれほどの変化はないようですが、やはり3月は冬から春への変わり目。


月初めは肌に刺すようだった空気が、ぐんぐんと優しくまろやかに感じるようになっていくのは、日本も同じだと思います。



そんなライオンのような3月にちなみ、少しだけパンカーダのライオン達をご紹介いたしましょう。



勇猛さを表しつつ、どこかエレガントなライオンパウフィートをもつテーブル







こちらはコンソールテーブル 。ヘアリーなライオンの脚ですね。







正面からライオンが見つめるマガジンラック。
*サイト未掲載です。




ライオンの全身を堪能できるデスクスタンド







これらは、当時ヨーロッパの富裕層が好んだグランドツアー(世界旅行)や植民地でのハンティングなどで、初めて見る百獣の王に驚嘆し、その脚を家具のデザインに応用したり、姿を愉しんだことのあらわれ。





異国の猛獣の力と強さを、我が物にしようという意志を感じます。



3月のライオン。


おうちに一頭、いかがでしょうか。


by N

水の流れ、都市の成熟

パンカーダ田園調布の裏、閑静な住宅街のなかに、「六郷用水」があります。





多摩川を水源とし、江戸時代の世田谷領と六郷領、現在の狛江市から世田谷区を通り大田区に至る用水路のこと。






作られ始めたのはなんと1597年。関ヶ原の戦の3年前。農業用水として開削され、荒廃、再開発などを繰り返して利用されてきましたが、1945年には廃止され1970年代までには大半が埋め立てられたり、下水道の一部となってしまいました。




現在では、東急多摩川線、多摩川駅から沼部駅添いにその名残りをみることができます。六郷水道の終点、多摩川へ流れ込む部分には、昭和六年完成の六郷水門が。




このような小さな水の流れを見ると、思い出すのは英国のナローボート。





ナローボートとは、産業革命の時代に工業製品などを運搬するために運河のサイズに合わせて作られた細長い船のこと。現代でもイングランドとウェールズには、多くの運河がはりめぐらされており、美しいナローボートが人々を運んでいます。観光用はもちろん、別荘のようにそこで過ごす人々もいる、ひとつの完成されたカルチャーとして確立しています。


静かに、そしてすべるように水面をすすむ姿は、人と自然が非常にうまく折り合った「Correct Answer」のような気がします。


東京もかつては水の都市といわれるほど、多くの水路がありましたが、現在は多くが埋め立てられたり、暗渠となってしまったりしています。


小さな水の流れがある光景は、とても心魅かれるもの。





管理面など大変なものがあるとは思いますが、効率よりも心の豊かさが大切にされるような街になれたとき、東京にもふたたびかつての水の流れが現れるのかもしれません。






成熟した東京の街。



小さな川が街の中を流れ、ナローボートにゆられて東京縦断・・・。


そんな妄想が現実になる日がくるのかもしれません。


小さな船室にぴったりな書き物机は、ナローボートの本場から来たダヴェンポート





貴方のために、パンカーダでご用意しております。


未来への先行投資として、過去の逸品を手に入れておきませんか?


by N


Cat : 自由気ままな貴婦人達

2月22日は「猫の日」。


これは猫の鳴き声から来た日付ですが、「ニャー」というのはあくまで日本語。


英語では、「mew」「meow」などと表現されるため、当然2月22日は日本だけの猫の日です。



ちなみに、世界の猫の日(World Cat Day)は8月8日。
アメリカでは10月29日。
イタリアを中心としたヨーロッパでは2月17日となっています。


今日はその猫の日にちなみ、ヴィクトリア時代の頃のヨーロッパ猫アートをご紹介いたします。




“Cat in a cottage window”By Ralph Hedley(1848-1913)


イングランドの画家、ラルフ・へドリー。
木彫刻家でもあった彼の描く猫たちは、可愛さの中にもリアルな存在感が感じられます。




"THE ANGLER'S CLUB"1898 by Louis Wain(1860-1939)


英国で猫画家といえば、ルイス・ウェイン。
晩年には統合失調症を患い、その影響からか、独特な猫作品を描きだしました。初期のころからの猫表現の返還は、絵画史におけるルネサンスのオールドマスターからキースへリングまで、といった印象の変わりよう。でも、どの絵からも猫愛が溢れだしています。





"Painting Lesson" by Henriette Ronner-Knip (1821-1909)


アンリエット・ロナー・ニップはオランダ・アムステルダムに住み、ロマンティックな画風で多くの猫の絵を遺しました。カーヴィングが見事なこのサイドテーブルには、猫達もとりこのようですね。






"Her First Place"by George Dunlop Leslie(1935-1921)


可憐な女性を描かせたら最高なダンロップ・レスリー。こちらの1枚は、タイトルが意味深。「彼女」はどちらを指すのでしょうか?




"Mischief in the Air" by Leon Charles Huber(1858-1928)


フットスツールは、なんて猫にぴったりなのでしょうか・・・。




最後に、パンカーダ・ミュージアムからの猫をご紹介いたします。





ミッドヴィクトリアン逸品、見事なカーヴィングのファイヤースクリーン のなか、窓辺で微笑むレディの隣には、白と黒の体毛におおわれた小さな貴婦人の姿が。緻密な刺繍で表現された姿は、家具の装飾というよりは、絵画といってよいレベルとなっています。





ずっと昔から、人間にとって猫は身近で特別な生き物でした。




近年は猫ブームともいわれますが、そんなことはお構いなし、の猫たち。


家具屋としては、「ちょっと待って~!」ということも、しでかしてくれますが・・・





自由気ままな、そんな姿がますます人の心をとらえるのかもしれません。

猫好きの皆さま、ぜひパンカーダの猫にも、会いにいらしてください・・・。


by N

大発明!?タイプライター・ロールトップデスク

今はもう古い映画でしか見ることがないタイプライター。





歴史は意外と古く、1714年にイングランドのヘンリー・ミルがタイプライターのような機械について特許を取得しているといわれています。


その後、ヨーロッパをはじめアメリカでも多くの改良がくわえられ、初めて「typewriter」という用語で発売し、商業的に成功をおさめたのが1873年発売のレミントンのタイプライターでした。





当初タイプライターは、たいそう高価な品物でした。


そして、細かいすきまが沢山あり、ゴミやホコリにとても弱く、デリケートでした。


さらに、高価なタイプライターを使うような人々の部屋は、当然美しく設えられていましたから、いきなり武骨な機械を置くのは抵抗があったようです。


このような理由から、タイプライターを使っていない時に隠すのは、ごく自然な流れでありました。


そのために生まれたのが、タイプライター用のデスク。





それは、タイプライターを天板にしっかり固定し、ロールトップ天板をまわせば、たちまちどこかにいってしまう・・・という、魔法のようなからくりデスクだったのです。


19世紀終わりから20世紀初めにかけて、アメリカをはじめ、英国でも多くのタイプライター用デスクが作られました。





では、パンカーダにあるタイプライター・ロールトップデスク で操作方法をご説明いたしましょう。





まず、レザー天板の下に手をかけ・・・





ぐっと上に持ち上げます。





すると、自然に「くるり」と奥のほうへレザー天板が下がり、下から木の天板がせりあがってきます。





手を添えながら、下まで落とすと・・・





中央部分が、一段低くなった木の天板となりました。





どこか忍者屋敷のからくりのような雰囲気も漂っていて、思わず何度も操作したくなる興味深さです。


現代ではパソコンに取って代わられてしまったタイプライター。




実際にここにタイプライターを置く方は、もういらっしゃらないかもしれませんが、例えば小さめのノートPCなどでしたら液晶画面を開いても、一段低くなっているので、反対側からの見た目がきれい、という納まりの良さがございます。






それ以上、どう使うかは、次のオーナー様次第。



なによりも、人と機械のインターフェイスの歴史的証人・・・ともいうべき家具と、ともに過ごす時間が、創作意欲を掻き立てられるのではないでしょうか。


詳細はこちら からどうぞ。



by N


幸運のおまじない”Touch Wood”

「Touch Wood」、もしくは「Knock on Wood」。


皆様は聞いたこと、ありますか?


これは単純に「木に触る」だけではなく、ちょっと意味があるのです。


それは、幸運のおまじない。



英語のサイトから使用例を転載してみました。


"I have never broken my leg.("Touch wood")


→ I have never broken one of my legs and I hope that, with good luck, I never will.


「一度も脚を折ったことはないよ、これからもずっとそうでありますように!」

・・・という感じでしょうか。


言葉だけですますこともありますし、実際に手近にある木を触ったり、コンコンとノックしたりもします。


昔から、いいことが続いたり、自慢をすると復讐の女神「ネメシス」のたたりがあると言われて、この風習と言葉がヨーロッパの多くの国々に広まりました。





もとはハシバミやオーク、サンザシなどの神聖な木と言われるものに触る習わしでした。


いいことの反動で悪いことが起こらないように、木に宿る精霊にお願いするために、木に触って精霊を起こし、護ってもらうため。





ただ、なかなかその木は近くにないため、木の家具など代用するようになったのです。


すぐに触れるように、こんなグッズも売られております・・・。





100年を経てきたアンティーク家具の木には特別に強い精霊がいて、復讐の女神からしっかりと護ってくれそう。



なにかちょっと気になった時、「Touch Wood !!」してみてください。



木の精霊が目を覚まし、貴方のそばにきてくれることでしょう。


by N


2月のパンカーダ田園調布

2月になり、パンカーダ田園調布はお店の中がまた少し変わりました。




2月/February の語源は「罪滅ぼしの月」という意味のラテン語 Februari だと 言われています。




古代ローマ歴においては、1年の始まりは3月なので、2月はその前月。




日本でも12月には大掃除をし、除夜の鐘で煩悩をはらうように、古代ローマでも年末には身の回りや周囲をきよめ、贖罪をしたのでしょうか。




パンカーダ田園調布では、そんな人間の営みを100年を超えて見つめてきた、ヴィクトリアンやロココの家具達がひっそりと佇んでいます。




寒い日が続きますが、ぜひ足をのばしてご来店下さい。




先日ご紹介したファッジ&トフィーとともに、お待ちしております。




by N



*2月1日より、パンカーダ田園調布の営業時間は12-18時(水曜定休)となっております。

*パンカーダ自由が丘は完全予約制です。

高貴なるラベンダーの香り

イングリッシュ・ガーデンの中でひときわ薫り高いラベンダー。




エリザベス一世はラベンダーを非常に好み、ジャムにしたラベンダーをいつも食卓に欠かさず、戴冠式の時には「ハーブで作ったタッジーマッジー(花束)」を持っていたとか。



ヴィクトリア女王が好んだのはラベンダー入浴。





入浴もままならない庶民から見たら、夢のようだったことでしょう。


ちなみにこちらは1840年にヴィクトリア女王がスケッチしたプリンセス・ロイヤルの入浴シーン。




プリンセス・ロイヤルとは女王の長女、ヴィクトリアのこと。


彼女のニックネームはヴィッキーでしたが、Pussy(子猫ちゃん)の走り書きがあります。


可愛さそのものの、自分の子猫を眺めながらの幸せなひと時。


ひょっとして、このスケッチのときもラベンダーの香りが漂っていたのかもしれません。


古代エジプト、クレオパトラも好んだというラベンダーは、高貴な女性を虜にする魅力的な存在。



ヴィクトリア女王やクレオパトラのように・・・とまではいかないにしろ、気軽にラベンダーの香りを愉しむために、簡単なサシェはいかがでしょうか。



綿にエッセンシャルオイルオイルを含ませて、布でくるんでリボンを結べば、可愛らしいサシェが出来上がります。





冬の長い夜には、シックなラベンダー色のシェーズロングに寄りかかりながら、エッセンシャルオイルを含ませたラベンダーのサシェを作って。


女王たちの香りを指先に感じてみてください。


ラベンダー色のシェーズロング 、パンカーダにてご用意しております。





by N


【パンカーダ田園調布 営業時間変更のご案内】

2016年2月1日より、パンカーダ田園調布は12-18時、水曜定休となります。

(パンカーダ自由が丘は完全予約制です)