東京の高級アンティーク家具店パンカーダのブログ -13ページ目

鵜の木でフレッシュなコーヒーはいかが

パンカーダ田園調布の最寄り駅のひとつ、鵜の木駅。



東急多摩川線というほのぼのした路線のせいか、ほぼ地元民しか行かないようなコアなお店が多くある場所です。

そこに最近できたのが「コンパスコーヒー」。




鵜の木らしからぬお洒落なエントランスに、入るのを躊躇する人たちも多いとか。



コンパスコーヒーは、旗の台に本店があり15年ほど前からあるコーヒー豆のお店。
焙煎したての豆にこだわっています。

 



実際に店頭でディスプレイしている豆はうっすら緑色。
もとのコーヒー豆ってこんな色なのね、と驚きです。



ホットやアイスコーヒーのテイクアウトも出来ますが、今回求めたのは店内で焙煎、抽出し、すぐに冷却しているというアイスコ―ヒ―ボトル。



パンカーダに持ち帰り、早速いただいてみました。




・・・美味しい。

日ごろは某メーカーの濃縮ポーションアイスコ―ヒーを愛飲しておりますが、さすがに濃厚さと薫りが違います。まるで喫茶店で飲むアイスコーヒーのよう。一杯目はストレートで、二杯目は牛乳をいれてカフェオレにして愉しみました♪


コンパスコーヒーよりパンカーダ田園調布までは、情緒あふれる道を通って徒歩約9分。

 



暑さと世の中が一段落した頃に訪れてみてはいかがでしょうか。





コンパスコーヒー鵜の木店
東京都大田区鵜の木2-16-3
TEL 03-4362-5216
営業時間 10:30~19:30
定休日:毎週水曜日、年末年始

コンパスコーヒー オフィシャルサイト
https://www.compass-coffee.com/

 

by N

謎に満ちたエッグ&ダーツ

エッグ&ダーツ/Egg&Dart(卵鏃)とは、古代ギリシアの柱頭や建築様式から伝えられる文様のこと。

 


丸い部分と鋭角な部分が交互に配される連続文様で、「ovolo」と呼ばれる丸身刳形は「卵」、鋭い部分は矢、錨、ダート(投げ矢)を意味していると言われます。



ドイツのオーナメント専門家であり教授であったFranz Sales Meyer(1849-1927)によるオーナメント集より
Egg-and-dart motifs (on right) from Meyer's Ornament(Public Domain)




古代ギリシアの建造物からみられ、後のローマ時代にも使われていました。
例えばこれは古代ローマの遺跡、オスティア・アンティカの建造物。
上部に確かにエッグ&ダーツがみられます。

 


in Ostia Antica(by Camelia.boban)



ヨーロッパを中心に広く使われており、クラシカルな内装や建造物などにしばしばみることができます。


アメリカのワシントンD.C.にあるアメリカ合衆国第3代大統領トーマス・ジェファーソンを記念して建立されたジェファーソン記念館の柱頭にも使用されています。


ジェファーソン記念館(Public Domain)



Egg-and-dart molding at the top of an Ionic capital at the Jefferson Memorial(Public Domain)



由来や意味は諸説ありますが、一説には卵は女性、矢じりは男性を表すとされ、女性と男性、陰と陽、などの対を表す調和の印の意味ともいわれています。
両性具有の意味があるという説もあり、比較的一般的でありながらも謎に満ちた意匠であるといえるでしょう。


パンカーダでは、そんなエッグ&ダーツのオルモルを使用したフランスのセクレタリーをご紹介しております。

 

 



エッグ&ダーツのすぐ下に、天使があしらわれているのもどこか象徴的な気がします。




1870年代、ナポレオン三世様式の類まれな逸品。





ナポレオン三世様式 セクレタリービューローブックケースはこちらからご覧ください。



by N


















 

オリンピックとクリケット

真夏の青空のもと、連日競技が行われているオリンピック。

 



開催については賛否両論ございますが、ひたすら高みを目指すアスリートの皆様の姿に、心打たれる日々を送っております・・・。




さて、アンティークとオリンピック、全く関係がないように思えますが、パンカーダ店内を見回すと、唯一ともいえるスポーツアイテムがありました。


クリケットバット。



英国のアンティークフェアで買い付けたもので、アンティークというよりはヴィンテージでしょう。


1本は英国の老舗GUNN&MOOREのもので、1970-1980年代頃のもの。
もう1本はGRAY-NICOLLSのもので、同年代位と思われます。






クリケットとは野球の源ともいえるスポーツで、起源は16世紀イングランド(もしくは13世紀)という説が濃厚です。



A medieval "club ball" game involving an underhand bowl towards a batsman. 
Ball catchers are shown positioning themselves to catch a ball. 
Detail from the Canticles of Holy Mary, 13th century.(Pubric Domain)


ここで詳細なルールを説明することは避けますが、英国、オーストラリア、インド、南アフリカ、西インド諸島などの英連邦諸国を中心に行われており、とにかく試合時間が長く、伝統的な試合形式ではなんと5日間に渡ります。(近年では短い形式もあります)そして試合途中にティータイムが設けられているのも特徴。



The first English team to tour overseas, on board ship to North America.1859(Pubric Domain)


過去のオリンピックにおいてクリケット競技は、1900年パリオリンピックの1大会のみで行われました。


そして2028年ロサンゼルス大会において、またクリケットをオリンピック競技にしようとする動きがあるといわれています。


インドという人口の多い国で人気があるせいか、2018年に行われた調査では、競技人口は世界第一位のサッカーに続いて3億人おり、世界第二位であったとか。



First Grand Match of Cricket Played by Members of the Royal Amateur Society on Hampton Court Green, 3 August, 1836 exhibited 1839
by J. H. Aveling


果たして将来、クリケットはオリンピック競技になるのでしょうか。
そしてその時、ティータイムはどうなるのでしょう?


ロサンゼルス大会の楽しみがひとつ、増えたような気がします。




*クリケットバットはウェブショップ未掲載です。詳細はお問い合わせください。


by N

多摩堤通りのお菓子屋さんでバスクチーズケーキを

パンカーダ田園調布からほど近い多摩堤通り沿い。


昨年末に小さなお菓子屋さんがオープンし、気になっていたのですが、やっと先日お伺いすることができました。


「菓子屋Fée de four(フェドゥフール)」




シンプルナチュラルな小さな可愛らしいお店です。




メインは焼き菓子、そして厳選されたケーキ。
「人気No1」だというバスクチーズケーキを頂いてみました。



コンビニのバスクチーズケーキは各社試しましたが、どれもかなり濃厚で小さいながらも食べきるのがやっと、と思っていました。


でもこのケーキは、外側の濃厚なキャラメル感、内側のしっとり感、そして真ん中にはなにやらレアなクリームまで入っていて、食べ進むごとに味が変わり、飽きることなくあっという間に食べてしまいました。正直、今まで食べた中で一番好きなバスクチーズケーキとなりました。



他にもちょっと珍しい、ワインに良く合うという「胡椒のクッキー」「クミンのクッキー」も。

 



ワインだけでなく、紅茶やコーヒーでも十分お愉しみいただけます。
甘い焼き菓子と一緒にいただけば、甘いのとしょっぱいのとの組み合わせで、いくらでも食べてしまいそう・・・(危険です)。



お伺いしたのが日曜日のせいか、開店したばかりにもかかわらず、なにかを大量に買い込んでいる先客様が。私の後には家族連れが、そしてさらに壮年の男性がお一人で・・・と、人気のほどがうかがえる繁盛ぶりでした。



ちょっとだけ贅沢におうちのおやつとして。可愛らしいパッケージの箱に焼き菓子を詰めてもらってお使い物に・・。

 



地元の人々に愛され続けるであろう、小さな可愛いお菓子屋さん。
お近くにいらした際に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。



菓子屋Fée de four(フェドゥフール)
オフィシャルインスタグラム
https://www.instagram.com/fee_de_four/
*現時点では火水木がお休みです。

 

byN

 

水に泳ぐ白鳥をテーブルトップにいかが

酷暑が続いておりますが、皆さま体調はいかがでしょうか。

今日は涼し気なアンティーク小物のご紹介です。


ガラスと金属でできた白鳥の小物入れ。

 




元々はソルト(塩)入れですが、実は小さなフラワーアレンジメントにぴったり。



 

羽の部分を活かせば、ちょうど上手くグリーンを刺すことができ、様々なアレンジメントが楽しめます。


酷暑の折り、水をはったガラスプレートにおいて、清楚な印象の白い紫陽花をメインにアレンジしてみました。




少しでも涼を感じる演出としていかがでしょうか。

 


こちらはパンカーダブリッサにて販売中です。
パンカーダブリッサにはこちらからどうぞ。


by N

パリ、7月14日

昨日、7月14日はフランスにとって特別な日。


1789年7月14日におこったバスチーユ監獄の襲撃はフランス革命の発端となり、その後この事件の一周年を記念して翌1790年におこなわれた全国連盟祭が起源となっています。


日本では「パリ祭」とよばれますが、これは日本だけの呼び方で、フランスでは「Fête nationale française/フランス国民祭」もしくは「Le Quatorze Juillet/7月14日」と呼ばれており、その日付がすなわち意味するものである、という他に類を見ない特別なものであることを伺わせます。



La Prise de la Bastille by Jean-Pierre Houël/ジャン=ピエール・ウエル 1789(Pubric Domain)

当日は各地で花火やパレードが行われてその日を祝います。今年は新型コロナウイルスの影響を受けながらも、大切な日を祝うため、さまざまなイベントが行われていました。



さて、パンカーダは英国のアンティーク家具がメインではありますが、フランスのアンティーク家具や小物も扱っております。ここで少しまとめてご紹介しておきましょう。




ナポレオン三世様式 マーケットリー ヴァイオリンテーブル
1870年代 
http://pancada.net/particular/cat77/post_1726.html




ナポレオン三世様式 パーケトリーピアキャビネット
1870年代
http://pancada.net/particular/cat71/19/cat126/post_1569.html




ルイ16世様式 パーケトリー ヴィトリーン
1900年代
http://pancada.net/particular/cat71/19001910/cat136/16_3.html




アールヌーヴォー メタルインレイ オケージョナルテーブル
1900年代
http://pancada.net/item/table/cat45/post_1610.html




ブラス象嵌 エボナイズド レクリトワール
1890年代
http://pancada.net/particular/cat71/19/cat130/post_1691.html




オークテーブルビューロー
1770年代
http://pancada.net/item/cat54/post_1155.html



ドラゴンフック(ペア)
1890年代
http://pancada.net/item/subcategory_a/cat163/post_1464.html




アールヌーヴォーエナメル絵付けグラスボックス
1890年代
http://pancada.net/item/subcategory_a/cat163/whitegold.html



フランスならではの華やかで繊細なお品物、アールヌーヴォ―の薫り高いお品物まで種類は様々。英国とのテイストの違いを比べてみるのも愉しいかと思います。


絶対王政からフランス革命、その後共和制と帝政の入れ替えを繰り返してきたフランスと、未だ王室を戴く英国。その歴史と伝統が、それぞれの逸品にも滲み出ているような気がするのですが、いかがでしょうか。


by N
 

パンカーダ・ブリッサのサイトが新しくなりました

等身大のアンティーク家具を扱うサブラインのパンカーダ・ブリッサ。

 


しばらく前に「本物のアンティーク家具をベストプライスで」をテーマとし、価格の見直しを行い、よりお求めやすく努力させていただいております。



そのパンカーダ・ブリッサに、アンティーク雑貨やヴィンテージアクセサリーを加え、この度サイトをリニューアルいたしました。

 

 



スマホやタブレットからでも見やすいデザインに加え、決済方法が充実。

家具はヤマトらくらく家財宅急便、小物はゆうぱっくの送料を加えて、カートにまとめて、そのままクレジットカード決済をしていただけるようになったのが大きなポイントです。もちろん、銀行振込にも対応しております。


まだまだ改良の余地はあるかと思いますが、少しでも見やすく愉しく、アンティークの魅力をお伝えするべく努力させていただきますので、どうかよろしくお願い申し上げます。


パンカーダブリッサへはこちらからどうぞ。

 

 




*引き続きパンカーダへのメールやお電話でもご注文をお受け致します。
*パンカーダ・ブリッサのカート決済以外でのクレジットカード決済は、今までどおりスタッフが専用URLを発行し、そこにアクセスしていただく形となります。URL発効まで少々お時間をいただく事がございますのでご了承ください。

 


 
お問い合わせ先:
TEL:03-5701-7380   12-18時 水曜定休
MAIL:meguro-pancada@vivid.ocn.ne.jp

 

 

by N
 

埼玉県 H様  ステンドブックケース納品

オーク材でつくられたがっしりとした躯体とガラス扉の豊かな表情が美しいステンドブックケース。

 

お届け後、H様からご丁寧なメールをいただきましたので、H様撮影のお写真とともにご紹介させていただきます。

 

 

 

***************

 

 

昨日、無事にブックケースを配達、設置していただきました。

 

おかげさまで、入れていただいた練り消しゴムで調整し棚板もしっかりとはめられました。

色味もイメージ通りで、サイズもぴったりでした。

ローラーキャッチもちょうど良く調整していただき、開け閉めも安心です。

フェルトの予備もありがとうございました。手前だけ一枚ずつ追加で差し込みました。

 

想像していなかったのは、オイルのとてもよい香りと、鍵につけてくださった素敵なふさ飾り!そして、ご丁寧にカードもありがとうございました。

 

早速、計画していたものを並べてみました。

棚板が3枚というのも珍しく、容量があって助かります。

 

ダイニングテーブルなど、他の家具は明るい色味のものが多い部屋なのですが、木目の軽やかさのせいか違和感なく合っているように思います。

彫刻部分は、部屋のベランダ側にかけているモリスのカーテン(ブラックソーン)にも雰囲気が似ています。

 

今日は在宅勤務だったのですが、時々眺めてはたのしんでおりました。

昼間写真を撮りましたので添付いたします。

好きなものを愛でる一角ができて、大満足しております。

 

色々とお世話になりまして、本当にありがとうございました。

 

 

*********************

 

今回のお品物は棚板が無垢材で若干反りがみられたため、棚板安定の為に練り消しゴムを同封させて頂きました。

また、ご希望によりキャッチをおつけ致しました。

 

 

本、シルバーポット、可愛らしいおもちゃから食器までとても美しく並べて頂いております。重い本が下、食器類が上、と重心もご配慮頂いているようで感服いたしました。

 

手前に写り込んだ紫陽花も美しく、H様の素敵な暮らしが伝わってくるようでした。

 

H様、この度は誠に有難うございました。

またのご縁を心よりお待ちしております。

 

 

by N

貴婦人の苦労を知る:レディスチェア

****************************
椅子の名前:The Chair for something special
特別な響きをもつ椅子の名前をその由来と共にご紹介する特別企画
第五回:レディスチェア
****************************


ヨーロッパのアンティークチェアを色々とみていると、気付く事があります。


例えばこのようなサロンセット。1890年代頃の英国のお品物です。
アームチェアが2脚あるのですが、微妙に形が異なります。

 


Victorian Pieaced Caved Salon Suite set of 9

c.1890's England

 

 


大きな方がジェンツアームチェア。


 

小さな方がレディスアームチェア。



レディスの方が全体的にこぶり。


一般的に女性の方が体格が小さいのでそれは納得ですが、レディスのひじ掛け部分がとても低いのです。




また、こちらの1870年代頃のペアのチェアにいたっては、レディスチェアには肘掛すらありません。


Gents& Ladys Chair 1870's England / Pancada(SOLD OUT)



これには当時の女性の服装が深く関係しています。

 

 

まずはかの有名な「クリノリン/crinoline」。


Cartoon in Punch Magazine, 1857


巨大に膨らんだ貴婦人のスカートを支える鉄やクジラの髭で出来たクリノリンは、1850年代から1860年代にかけてとても流行しました。

 

Cage crinoline with steel hoops, 1865 (Pubric Domain)

 

バネ性がありましたので、取り扱いにはかなりコツが必要だったようです。
椅子に座るのも技が必要で、手でさりげなくクリノリンを持ちあげつつ輪を折りたたむようにして手繰りあげ、調整しつつ静かに腰を下ろさねばなりません。

 

 

A satirical cartoon from the July 11th 1857 issue of Harper's Weekly (New York)

(Pubric Domain)


深く座ることは不可能で、肘掛が無い椅子、もしくはかなり低い椅子に座らなければいけませんでした。家で暖炉の火が燃え移ったり、外では馬車の車輪に巻き込まれる等事故も多かったそうです。


1860年代の終わりになると大きなクリノリンは段々と時代遅れとなっていき、やや小さめのクリノレット/crinoletteへと移行します。


Two English crinolettes, 1872–75(Pubric Domain)

 


さらにその後はおしりの部分だけが膨らんだようになるバッスル/Bustleとなり、
1890年くらいまで流行します。(ちょうど日本の鹿鳴館時代と重なります)

 

 

 

Lady wearing a bustled dress. From mid-1880's fashion plate, depicting non-eveningwear.

unknown 1880s artist, manipulation by H. Churchyard (Pubric Domain)


その後時代はアール・ヌーヴォー、そしてアール・デコへと移行し、1912年には最先端のモードは現代とだいぶ近くなっています。


1° figure de Mode mars-mai 1912 by Malo-Renault (Pubric Domain)


つまり、1910年代以降のチェアについては、男女の区別は必要なくなっていった・・・ということとなります。


膨らんだスカートで、優雅に、そして苦労しながら過ごしていたヴィクトリア時代の貴婦人たち。


特徴的なチェアをみかけたら、時代を示すひとつの重要な要素としてチェックしてみてはいかがでしょうか。




by N

 

ボンドストリートで逢いましょう

東京の銀座通り。
ニューヨークの五番街。
パリのサントノーレ通り。

世界の大都市にはそれぞれ有名な高級ブランドストリートがありますが、英国においては「ボンドストリート」がそれにあたります。


正直に申し上げて、銀座通りや五番街にくらべれば、かなり地味な印象は否めません。道幅はそれほどなく一方通行で、しかも中間に一部車が通れない場所があり、車を拒否しているくらいアクセスしづらくなっています。それを考えれば、同規模のパリのサントノーレ通りよりも、より「気難しい」ブランドストリートなのではないでしょうか。


Old Bond Street looking south
CC BY-SA 3.0,

https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=91759


それでも、バーバリーやマッキントッシュ、アスプレイ等の英国ブランドをはじめ、エルメスやブルガリ、シャネルなど世界のブランド、そしてオークションハウスのサザビーズ等々が軒を連ねる一流の通りであることは、世界が認めるところです。


歴史は古く、1720年代に「Sir Thomas Bond, 1st Baronet/トーマスボンド准男爵」によって南のピカデリー、北のオックスフォード通りを結ぶウエストエンド地区につくられました。

南部は「オールドボンドストリート」北部の「ニューボンドストリート」に分かれており、
「ニュー」とはいっても、最近できたわけではなく、オールドボンドストリートが作られ始めて約14年後につくられた、とのことですので、ほぼ同時期といっても良いくらいです。このふたつの名前は常に使われており、1920年代にひとつの「ボンドストリート」とする案もあったようですが、地域の人々により却下された、といういわくつき。

18世紀後半には既にロンドンのなかでも特別お洒落な通りとして有名になり、「The Bond Street Loungers/ボンド・ストリート・ラウンジャー」とよばれる人々が集まる場所となっていました。彼らは、服装に非常にこだわりを持った主として若者達で、おしゃれな、時に突飛な服装でボンド・ストリートに集っていたとか。



In High-Change in Bond Street (1796), James Gillray caricatured the lack of courtesy on Bond Street (young men taking up the whole footpath), which was a grand fashionable milieu at the time.(Pubric Domain)



ボンドストリートが出来てからすでに3世紀。


馬車は車に代わり、店やブランドは入れ替わりながら、いまだ「ロンドンで一番お洒落な通り」の名をほしいままとしております。世界の一流ブランドと肩を並べ、ボンドストリートに店を構えることは、リテイラーにとっては究極の到達点のひとつであることは間違いないでしょう。ちなみに、日本からは「ミキモト」がニューボンドストリート179番地に出店しています。




さて、パンカーダには、そんなニューボンドストリート144番地に1810年から20世紀初頭まで店を構えていた「W.THORNHILL & CO」による特別なエスクリトワールが入荷しております。


 


1734年に由来をもつ「W.THORNHILL & CO」は刃物商として創業し、19世紀後半には刃物、金銀ジュエリー、ドレッシングケースに旅行鞄等々、幅広く高級品を取り扱う商会となります。取り扱いは小物がほとんどでしたが、時折大型のステーショナリーケースやワーキングテーブルにレザーで仕切りなどを緻密に施したものも取り扱っていたようです。



W. Thornhill & Co. travelling bags 1880 Advertising



恐らくは量産品ではなく、限定品もしくは受注品として一部の顧客だけに生産していたのではないでしょうか。

 


世界の一流店が集う、ヴィクトリアンのニューボンドストリートからやってきた優美なエスクリトワール。


 


佇まいからして特別に美しい英国アンティーク家具の傑作を、是非お手元でご鑑賞ください。


by N