骨董市よりヤフオクの方が面白い!
少し前に久しぶりに京都の骨董市に行きました。関西では、トップクラスの品質の古物が出るだろうと思う市なんですが、何故かときめきがないんです。骨董市も昔と随分変わりましたね。発掘品で賑わった頃の骨董市があり、結構高値でしたが、魅力的でした。ヨーロッパからの里帰り品が無茶苦茶並んだ骨董市もありました。デミタスの様な赤絵古伊万里ずらりと並ぶんですから、ソリャ壮観です。日本から出かけて行って根こそぎヨーロッパから持ち帰るんですね。ヨーロッパが落ち着いたら、東南アジア辺りにも買い出し人がツアーを組んで出かけ、勝利品はコンテナで送り日本で4倍の値段をつけ、ブルーシートの上に投げ出されて売られていたんです。日本全盛期の頃・・・飛ぶ鳥を落とす勢いのあった頃の話です。中国物が有る時を境に一気に出回りました。それまで中国物は無茶高かった!それがリーマンショックのように一気に値崩れ急降下です。偽物より安い、本物天目茶碗などが出回って吃驚仰天~社会の教科書に出てくる様な、30Cm超えの唐時代の別嬪さんの人形が1千万円→30万円に!!嘘みたいなホントの話です。ですが、最近の骨董市は、話題性も少なく~海外買い付けの初荷もなく面白みが少ない様に思います。家に帰りネットオークションなどを見てたらおおこれはと思うような物もありました。19世紀頃の李朝の白磁の瓶です。これは、人気あるので7~8万円は行くだろうと思っていたんですが、落札はされましたが、この値段!アレレと思ってよく見ますと・・・コリャ変だ!あくる日、再度見たら、同じ頃、同種の別の李朝が落札されて、横に並んでいるんです。此方は大傷を持ってますが、果たしていかほどでしょうか?クリックして確認です。何と6万円越~傷があるのになぜ高い!!この様に比較をできるのがネット骨董市の良さですね。再度並べ直してみます。この様な瓶は普通で行けば分院のはずです。分院とは、李王朝で専属で食事を作る部所に属する食器等の製造所の事を言い、一言で言えば官窯です。この分院は、土づくり・細工人・窯焚き・・・各工程を細分化して、それぞれに専門職を置き、最高の品質レベルの焼物を焼いているんです。左右を比べてみます。左はより白い・・・最良の磁石を使っているのがわかります。絵付けは?染付の色合いは?見ての通り格段の差があります。高台にもこの様に雲泥の差がでています。個人的な結論を言いますと、このタイプは後期19世期の李朝分院なんです。左は明確に分院と言えますが、右は違いますね。*この差が値段の差になったのです。では右の焼き物は何であるのか?1.民窯が分院を真似した?それでした無茶上手ですが、素材が悪いのは納得です。2.大正李朝かもしれません? *日本で言うほぼ明治の終わりに日韓併合となって、李朝は消滅しました。 その後、日本の要望により朝鮮半島で生まれた焼き物は大正李朝といいます。3.後代の写し?さてどれかな?この辺りが素人の限界です(笑)