自宅は築50年越えの空き家をフルリノベーション
インテリアと家づくりが学べる一級建築士によるブログ
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日本の家は明る過ぎる…
真っ白いクロスに強力なシーリングライトライト、星の数ほどのダウンライト。
とにかく明るいのです。
更にLEDが主流になってから、目を突き刺すような光は不快にすら感じます。
欧米人が日本の家で過ごすと、照明が眩しくてとても寛げたもんじゃない、という話を聞いたことがあります。
これはそもそも目のメラニン色素による影響が大きく、我々日本人は色素量が多くカンカン照りの太陽の下でもサングラス無しで平気ですが、色素量の少ない欧米人はそうはいかないとのこと。
逆に暗がりでは色素量が多いことでより暗く感じてしまいます。
よって日本人は照明計画うんぬん以前に、無意識に明るい空間を好むのかもしれません。
だとしても私は明る過ぎる空間が苦手です…
夜なのに部屋を昼間並に明るくする必要があるのかと…
先日引き渡したこちらの2軒も控えめな明るさです。
1枚目は撮影用にいくつか照明落としてますが。
「それなら調光式の照明を使えばいいのでは?」
いえ、それはまたちょっと違って、
ただ単純に薄暗くすればいい、というものではないから照明計画は難しくとも面白いんですけどね。
照明計画については過去にたくさん書いてきました。
その中でも多灯照明がやはり計画の基本になります。
大きくて明るい照明をひとつドンっと設置して終わり、ではなく小さな灯りを分散させることでより印象的で雰囲気のよい空間が作り出せるのです。
そうなるとライティングレール(ダクトレール)を使うのが手っ取り早かったりするのですが、これもちょっと注意したい点があります。
ライティングレール自体はインテリア的に美しいものではないので、必要ではない場所では極力使いたくないのです。
ただしプランを考えるほうとしては「明るさが足りなかったらどうしよう…」という不安から、予防的にライティングレールを使いがちです。
明るさが足りなかったら、明るい電球に替えればいいのです。
それでほぼ解決します。
私も家の電球は何度も替えてますし、最近は完成引渡しの時に明るさの異なる電球をいくつかお渡しすることも増えてきました。
実際に生活してみないと本当に必要な明るさ・心地良い明るさって分からないですしね。
そういった意味で調光できることはメリットですが、最近は調光機能付き電球も増えてきました。
電球自体に調光機能が付いているので、今お使いの照明器具で調光することが可能です。
オンオフも出来るので寝室などにも良いかもしれませんね。