
一級建築士である私が設計した物件をはじめ、インテリアや家づくりについて情報発信しています。
また、築52年の中古住宅を購入しリノベした記録、日々の暮らしについても書いています。
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昨夜の金曜ロードショーは「思い出のマーニー」でしたね。
見ましたか?
ジブリファンの間ではあまり評価は高くないようですが、私はけっこう好きなんです。
宮崎駿作品ではないのでジブリっぽさはあまり感じられないのですが、いい意味で薄味で何度でも味わえる作品です。
そしてジブリの世界観に欠かせないのが建築ですね。
思い出のマーニーにもなかなか味わいがある建物が登場します。
日本のハウスメーカーはこの「味わいがある(増してゆく)家」を作りたがりません。
なるべく新築時の美観が続くような素材や建材を好んで使います。
その理由のひとつとして「施主からのクレームを減らしたい」というのがあります。
大手ハウスメーカーが無垢材の使用NGにしているのは、この理由が大きいです。
無垢材や自然素材に経年変化は付きもので、その度に施主から連絡が来て対応していたら大手ハウスメーカーはやっていけないのでしょう。
要するに「面倒くさい」ということです。
こちらは新築直後とその7年後に撮影した写真。
板張りの外壁に大きな変化はありませんが、木部には変色や黒ずみ(腐れているわけではありません)が見られ、木製玄関ドアの塗装もやや色褪せしています。
これを見て「劣化して汚いなあ」と感じるか「味わいが増してきたなあ」と感じるかは人それぞれです。
もし黒ずみが気になるのであれば塗装すれば良いだけなのですが、自分の家を自分でメンテするという文化が日本には根付いていません。
なんでもかんでも業者に頼るのではなく自分で出来ることは自分でやる、そうすることで家にも愛着が湧くというものです。
そして最後に、
ハウスメーカーにジブリっぽい家をリクエストするのはやめたほうがいいでしょう。(実際そのような依頼を受けたことはありますけどね)
おそらくレンガ調の外壁材(窯業系サイディング)に古材風のビニールクロスやフローリング、ヴィンテージ調のアルミ製玄関ドア、これらを提案されるはず。
しかしそれらで作られた家が年月を重ねるごとに経年美化していくとは到底思えないのです。
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