一級建築士である私が設計した物件をはじめ、インテリアや家づくりについて情報発信しています。

また、築52年の中古住宅を購入しリノベした記録、日々の暮らしについても書いています。

 

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造作ドアに真鍮のハンドル。

 

 

 

押して開ける側にはプッシュプレート、これも真鍮製です。

 

ゴールドメッキでは出せない独特な素材感が真鍮の魅力ですね。

 

 

 

 

しかし直接手で触れる部分なので、変色も早いでしょう。

 

 

 

真鍮はピカピカに磨いたゴールド色も良いのですが、緑青(ろくしょう=銅が酸化した錆)が現れてちょっとくたびれた雰囲気もまた素敵です。

 

 

 

 

 

 

「経年美化」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

 

 

建築業界などではたまに聞いたりするのですが、広辞苑にも載っていない造語です。

 

 

経年劣化というマイナスなイメージとは対照的に、時間の経過とともにより美しくなっていくこと、おそらくそういった意味だと思います。(なんせ辞書に載ってないので;)

 

 

 

この経年美化という言葉、三浦春馬さんがNHKの「世界は欲しいモノにあふれてる」という番組内で使ったことで世間に広まったとも言われています。

 

 

 

番組の中で三浦さんは愛用の漆器を紹介し、「徐々に漆の色が落ちていくのは経年美化として楽しんでいます」と語っていました。

 

 

経年劣化ではなく経年変化でもない、経年美化というワードを選ぶあたりに三浦さんの感性や価値観が垣間見えました。

 

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経年美化、とてもいい言葉ですよね。

 

 

 

 

私が高校生くらいまで住んでいた家です。

 

すでに築100年近く経っていて所々かなり傷んでいるのですが、かなり味わいのある家です。

 

 

子供の頃は何とも思いませんでしたが、今こうやって改めて見てみると経年美化ってこういうことなんだなと気付かされます。

 

 

 

ちなみに障子戸の下半分がガラスになっているものを雪見障子と呼びます。

 

障子が閉まっている状態でも外の様子を見ることができ、庭に積もる雪を室内からも楽しめるように作られているんです。

 

 

 

 

 

障子の組子にも職人の技術が感じられます。

 

富士山(?)に昇る天女(??)

 

このよなものを「変わり組子」と呼ぶんですって。

 

 

ググるまで知りませんでした;

 

 

 

 

 

 

では何でも古ければいいのか、味と呼べるのか。

 

それは違うと思います。

 

 

私自身、築52年の空き家を購入してリノベしましたが、その空き家に「経年美化」を感じて購入したわけではありません。

 

 

 

これを見て、「いや~味わいのあるいい家だなあ」とはならないですよね…

 

 

サイディングの外壁やカラーフロア、ビニールクロスなどのいわゆる「新建材」だけで作られた住宅は、残念ながら経年美化することは難しいでしょう。

 

 

 

 

では自然素材を使った住宅は必ず経年美化するのかというと、それもまた違います。

 

 

 

作り手の技術や知識、住まい手の暮らし方や思い、それらが重なって初めて経年美化していくのでしょう。

 

 

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