一級建築士である私が設計した物件をはじめ、インテリアや家づくりについて情報発信しています。
また、築52年の中古住宅を購入しリノベした記録、日々の暮らしについても書いています。
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先日から行っていた実験が終わりました。
結果が出ましたのでお知らせします。
24時間後、湿度はどうなった?
こちらは実験開始30分後から、1時間ごとにクローゼット内の温度と湿度を記録した表です。
ご覧のように湿度はほぼ62%と変わらず。
相対湿度と絶対湿度
で、その絶対湿度で比べた結果もクローゼット内と子供部屋はほぼ同じくらいの湿度(水蒸気量)でした。
除湿剤を2つにしてみた
しかし実験はこれで終わりません。
除湿剤を2つに増やしたらどうなるのか??
こちらも24時間再計測しました。
まずはクローゼット内
2つに増やしても、目に見える効果はありませんでした。
除湿剤なしでも計測
では最後、
クローゼット内の除湿剤を2つとも取り出して再々計測。
続いて子供部屋
クローゼット内の湿度は相変わらずの安定感。
子供部屋の湿度が大きく変動しているのは外気(日中は湿度40%以下だった)の影響でしょう。
ちなみにクローゼットから取り出した除湿剤は固まり始めていました。
吸湿してることは間違いないですね。
結論
私は普段一眼レフカメラを密閉ボックスに入れて保存しているのですが、そこにこの除湿剤一緒に入れています。
そうすると庫内の相対湿度は常に40~50%程度で安定しています。
なので密閉空間では一定の除湿効果があるのは間違いないのですが、クローゼットや押し入れのように僅かでも隙間がある空間では思ったような効果は期待できないようです。
また、湿気(絶対湿度)というものは多い方から少ない方へ移動する性質があります。
クローゼット内でいくら除湿剤が吸湿しても、絶えず扉の僅かな隙間から水蒸気が流入してくるのでしょう。
今回の実験も真冬や真夏などもっと極端な環境下で行うと異なる結果になったかもしれませんね。
ではどうする湿気・結露対策
除湿剤は期待出来ないと分かったからには他に出来る対策を考えなければいけません。
対策①
常に換気を心掛けておく。
外出時などクローゼット扉を開けっぱなしにして、部屋側と同じ環境にしましょう。
対策②
生乾きの衣類などをクローゼットに入れるのは絶対的にNG。
布団もよく乾燥させてから入れましょう。
対策③
クローゼット扉をルーバータイプにする。
通常の扉と比べ多少は空気が移動します。
対策④
ウォークインクローゼット内には換気扇(24時間換気)を設ける。
給気口は外気の影響を受けやすい(三種換気の場合)ので設けない。
そもそも扉を設けない、というのもありですね。
寝室は基本的に家族しか入らないので、目隠しとしてだけの扉はいらないという方も多いです。
寝室側のホコリがクローゼット内に入りやすくなるのが難点でしょうか。
対策⑤
除湿よりも防カビ対策。
湿度コントロールが難しいので、防カビや消臭に重点を置いてみましょう。
微生物(バチルス菌)を使った防カビ剤に一定の効果があるようです。
気になる方は試してみてはいかがでしょうか?
(使ったことないので感想教えてください。笑)
調湿効果のある内装材をクローゼット内に使う、という対策も考えられますが私はあまりオススメしません。
こちらにも書いたのですが、内装材の場合吸湿した水蒸気を意図的に放出することが出来ないので、調湿・除湿には限界があるのです。
以上で実験は終了です。
家の性能や暮らし方によって室内環境は大きく異なるので、あくまでも参考程度にして頂ければと思います。