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一級建築士である私自ら設計&デザインした物件について書いてます。
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引き渡しから2年半くらい経ったお宅のメンテに行ってきました。
玄関まわりは植栽が侵食して、芝生もよく伸びてます 笑
私「いやあ、味が出てきましたねえ~」
「もうそろそろ手入れしようと思ってたんですぅ・・・;」と、施主さん。
アプローチの間からも雑草が生えてきてたりと、たしかに手入れが必要なんですが。
なんだかこれはこれで、
ありだな。笑
普通これだけ手入れをしてない家を見ると、
「ああ、だらしなくて汚らしい家だなあ」と、見えちゃうものですが
それとはまたちょっと違う感覚です。
そもそも、家を「汚さないように」「傷付けないように」暮らすのって、けっこうストレス溜まりますよね。
子どもが床にゴハンをひっくり返す度にイライラしますし;
それならいっその事、
汚れも傷も受け入れてしまったほうが楽じゃないでしょうか。
もちろん汚れや傷を、我慢して暮らすということではないですよ。
例えば、床材。
「無垢材を使えば汚れも傷も味になる」とはよく聞くのですが。
本当にそうでしょうか??
こちら新築間もないパイン材(クリアオイル仕上げ)の床です。
例えばこの状態から、子どもがゴハンをひっくり返して床にシミが出来たとします。
それは「味」と呼べるでしょうか?
呼べないです、
シミが気になって仕方ありません。笑
「味」として捉えるには、素材自体がある程度経年変化してる必要があります。
いくら無垢材でも、キレイな状態にシミや傷が付けば気になるものです。
「ある程度の経年変化」ですが、パイン材なら建ててから5年以上は必要かと…もちろん環境にもよりますが。
けっこう時間かかりますよね;
そこで、新築時から「ある程度の経年変化」を起こすという方法があります。
この床は先ほどと同じパイン材ですが、あえて年月が経ったような塗装をしています。
ただ塗装をして濃い色にするのではなく、自然に汚れたように塗装することがポイントです。
これをエイジング塗装と呼んだりします。
こうすることで多少の汚れや傷は気にならなくなります。
こちらはさらに年月が経ったように仕上げました。
築30年くらいのイメージです。笑
もうこうなると汚れても気にならないどころか、どれがほんとの汚れかも分かりません;
家は日々の暮らしで汚れや傷が必ず付きます。
ただその度にストレスを感じていては、せっかく建てた家が安らげる場所になりません。
新築の建物は、必ずしもキレイでピカピカしてる必要はないんです。
今更ながらインスタ始めました;
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