Top Patent Firms Report 2025 | The U.S. Patent Practice

The U.S. Patent Practice

米国での特許実務に役立つ情報を発信しています。

以前、米国特許の統計データのエントリで少しだけご紹介したのですが、ローファームの特徴を表す統計データについて、こちらから無料で入手できることが確認できましたので、記録しておきます。(名前やビジネスのメールアドレスの登録が必要)

 

このレポートは、Harrityというローファームが作成しており、米国のローファームをいくつかの品質指標とともにランク付けしたものになります。2024年の特許発行数が順位付けのベースとなっており、一特許当たりのOA回数やRCE回数、インタビューの成功率などが算出されています。

 

(ちなみに、この図の一部は、先日の特許実務情報Labのセミナーでもご紹介させていただきました)

 

立場上、他の事務所さんの名前を出すことは控えたいのと、ここにリストされるような大きな事務所さんだと、後述のようにOA回数が多くなりやすい分野の特許も多く扱っており、上記の数字だけで評価するのはアンフェアだと思いますので、事務所名のカラムは除いてあります。具体的な事務所の名前が気になる方は、レポートをダウンロードいただければと思います。

 

また、上記レポートは、特許庁の審査ユニット(技術分野)ごとの、一特許あたりのOA回数やRCE回数のデータも開示しています。自社の米国特許出願のOA回数が多いのか少ないのか、判断の指標に使えると思います。

 

 

日本出願を基礎とした米国出願の権利化コストは、ほぼほぼOA回数で決まります。コスト削減への要求があり、かつ、OA回数/RCE回数が平均より多い場合には、米国出願時のクレームの見直し※をし、OA回数を減らすための対策を検討されるのがよいと思います。

 

※見直すポイントの例

  • 日本語からの直訳が原因となって、不明確性要件違反の通知やオブジェクションを受けていないか?
  • 英文クレームとして発明の特徴が把握できるか?(日本語クレームが読めない審査官や現地代理人の視点から)
  • ファーストOAで全く関係のない分野の文献を引用されていないか?
  • 拒絶を受けると克服が難しい問題(特許適格性)はないか? 
  • クレームは20まで記載しているか? などなど