キハ52定期運用終了…いすみ鉄道に新たな魅力を! | あさかぜ1号 博多行

キハ52定期運用終了…いすみ鉄道に新たな魅力を!

2011年にまさかの現役復帰を果たして以来、後に加わったキハ28 2346とともにいすみ鉄道、そして沿線地域の知名度を全国的なものへと引き上げた功労者でもある国鉄型気動車キハ52 125。
そのキハ52が、3月16日のいすみ鉄道ダイヤ改正により定期運用を終了することになりました。
いすみ鉄道のキハ52とキハ28といえば、最盛期にはほぼ通年運転の土休日の急行や一部普通・快速列車だけでなく、団体臨時列車や「レストラン列車」などのイベント列車などでも大活躍していましたが、近年はキハ28の本線運用終了、さらにはキハ急行自体の本数削減と運転日数の大幅減という寂しい変化が続き、キハ52の調子もあまり良好ではないらしいという噂も聞こえてきたりして気になっていました。
まあ、キハ52 125も1965年の製造以来間もなく還暦という老朽車両である上、補修部品の調達も困難になってきている中にあっては、少しでも長くキハ52を走行できる状態で維持するための苦渋の決断だったのではないかとは思います。
ただ、これまでの華々しい活躍ぶりを知る者としてはやはりちょっと寂しさを感じるのもまた事実です。
私は2012年1月に初めていすみ鉄道に移籍後のキハ52 125に乗車し、その後数回にわたっていすみ鉄道を訪れるたび国鉄型キハコンビに乗車してきました。
その時のことは過去のこのブログでも書いてきましたが、今でもその時の記事を読み返すと当時のことがいろいろ思い出されて懐かしい気分になります。
また、私が住む埼玉からだと微妙な距離があって行く機会があまりなかったいすみ鉄道や小湊鐵道に乗るきっかけを作ってくれたのもキハ52ですし、いすみ鉄道国吉駅前の商店街で行われた町おこしイベント「みんなでしあわせになるまつり」や多数の貴重な鉄道車両が保存されている「ポッポの丘」を知り実際に出かけてみることも、国鉄型キハが走っていなければもしかしたらなかったかもしれないわけで、その意味では私自身としてもキハ52には感謝したい気持ちになります。

いすみ鉄道といえば、先代の鳥塚亮社長の時代に「ムーミン列車」や国鉄型キハの運転で全国的にその名を知られ、その後も様々な形で話題を提供しマスコミに取り上げられる機会も増えたことで訪れる人も多くなりました。私がいすみ鉄道に何度か乗車した際も列車や駅に賑わいや活気が感じられたのが嬉しかった思い出があります。
大多喜駅にあったいすみ鉄道グッズの売店にはバラエティー豊かないすみ鉄道や国鉄型キハのグッズが並び、これも楽しい思い出でした。
ただ、「ムーミン列車」や「レストラン列車」の運転が終了し、キハ28 2346の本線運転が終了したあたりからそれまでのいすみ鉄道の魅力がかなり薄まってしまった感があり、マスコミでいすみ鉄道が話題になることもかなり減ってしまったような気がします。
そしてこのたびキハ52が定期運転を終了することでその傾向にますます拍車がかかってしまうことも懸念されます。
ただ、いすみ鉄道も私たち鉄道ファンも、いすみ鉄道や沿線地域の活性化に関して国鉄型キハの存在に頼り過ぎていた部分ももしかするとあるのかもしれません。
そう考えると、このキハ52定期運転終了を一つの契機として、国鉄型キハだけに頼らない新たないすみ鉄道の魅力を創り出していく必要があると思います。
幸い、いすみ鉄道のすぐ近くには小湊鐵道やJR久留里線という同じ非電化のローカル線があり、JRも含めてそれらとの連携を強めることで新たな展開も期待できるかもしれません。

定期運転終了は寂しいニュースではありますが、これでキハ52は完全引退→廃車になるわけではなく、今後も臨時列車やイベント列車での運転の機会はありそうですし、運転の機会が少なくなった分大多喜駅構内などでの撮影会イベントなどの開催も期待できそうです。
そして、これからのいすみ鉄道にどのような魅力ある車両や列車、イベントが登場してくるか、期待して待ちたいと思います。