非婚ひとり親家庭の寡婦控除のみなし適用を求める決議―東大和市議会では不採択に! | 尾崎りいちオフィシャルブログ「東へ 西へ」Powered by Ameba

尾崎りいちオフィシャルブログ「東へ 西へ」Powered by Ameba

尾崎りいちオフィシャルブログ「東へ 西へ」Powered by Ameba

 非婚ひとり親家庭の寡婦控除みなし適用の問題。
 12月市議会の一般質問でとりあげましたが、市は「研究する」との答弁。私の理解では「研究する」とは「何もやらない」と同義語です。
 国立市では、市議会で決議をあげたことが市を動かし、実現しました。そこで、共産党市議団で決議案をつくり、他会派に賛同を呼びかけました。残念ながら9:12で「不採択」となりました。反対したのは、公明党、自由民主党・みんなの党、民主党です。当然の要求なのに、渋っている市側に配慮したとしか考えられません。議会の役割をどう考えているのでしょうか。それとも、このようなことを認めると、婚姻制度の破壊につながると考えているのでしょうか。
 いずれにしても、質疑も反対討論もなく葬り去られました。理由も明らかにせず反対するー言論の府としての議会の役割、機能が問われます。
 
 11月20日付の「東京」新聞によると、すでに実施している八王子市は「親がたまたま非婚だった子どもが不利益な状況におかれている実情に可能な範囲で救済の手を差し伸べるのは自治体の責務」と説明しているそうです。
 ひとり親家庭はおしなべて収入が少なくて生活が苦しいにもかかわらず、非婚の場合は寡婦控除が適用されないために、税負担が高くなり、これに連動して様々な行政サービスの受給権や負担で差別されているのです。

 決議案文と本会議で私が行った提案理由の説明の原稿を載せますので、お読みください。

非婚のひとり親世帯にも寡婦(寡夫)控除の適用を求める決議

 厚生労働省が発表した2011年度全国母子世帯等調査によると、全国の母子世帯は推計値で123万7,700世帯、父子世帯は22万3,300世帯に上ります。うち「未婚の母」が母子世帯の7.8%、「未婚の父」が父子世帯の1.2%を占め、調査のたびごとに増加しています。
 ひとり親世帯の就業状況は「正規の職員・従業員」の割合が減少し、平均年間就労収入は母子世帯181万円、父子世帯360万円となっており、子どものいる全世帯の平均所得と比較すると、母子世帯は44%、父子世帯は69%にしかなりません。特に母子世帯の就労収入は死別世帯が256万円、離婚世帯が176万円、未婚世帯が160万円と、特に婚姻歴のないひとり親世帯は極めて低収入状態におかれています。
 ところが、税法上の「寡婦」「寡夫」とは、過去に法律婚をしたことのあるものに限定されているため、子どもを扶養している婚姻歴のないひとり親家庭の父母には、所得税法の定める「寡婦控除」及び「寡夫控除」が適用されません。
 加えて、これによって算定された所得が、所得税、住民税、公営住宅入居資格および賃料、保育料などの算定基準とされる結果、同じひとり親でありながら婚姻歴のないひとり親は課税所得が高く設定され、負担が重くなってしまいます。
 よって、東大和市議会は、子どもの最善の利益を尊重する視点に立ち、親の婚姻歴にかかわりなくすべての子どもが心身ともに健やかに成長する権利を保障するため、下記の事項を早急に実施するよう強く求めます。

1、 国会及び政府は、所得税法・地方税法の寡婦(寡夫)控除に関する規定を改正し、すべてのひとり親に適用すること
2、 東京都は、公営住宅入居などの手続きを行うにあたり、すべてのひとり親に現行税法上の寡婦(寡夫)と同等の控除を適用して取り扱うこと
3、 東大和市は、保育料などの算定や資格認定などの手続きを行うに当たり、すべてのひとり親に現行税法上の寡婦(寡夫)と同等の控除を適用して取り扱うこと。

以上、決議する。

(提案理由の説明)
議第●号議案「非婚のひとり親世帯にも寡婦(寡夫)控除の適用を求める決議」の提案理由を説明します。
 まず議案を読み上げます。・・・(略)・・・
 11月20日の「東京新聞」によると、非婚ひとり親家庭の寡婦控除のみなし適用を何らかの形で実施または実施予定の自治体は、都内で8区市町におよび、検討中の自治体は22区市に及びます。しない、もしくは検討していないという自治体は東大和市を含めて23区市町村で、少数派です。
この記事によると、都内で最初に踏み切った八王子市は「親がたまたま非婚だった子どもが不利益な状況におかれている実情に可能な範囲で救済の手を差し伸べるのは自治体の責務」と説明しています。
 また、国立市の9月26日付の報道機関向けの公表資料では、「一人親家庭が平均して苦しい家計にある中で」「市単独事業について」「寡婦(夫)控除のみなし適用を行い」「寡婦控除が受けられる方との平等な取り扱い」をおこなうことで「経済的な救済をすることに」「した」と説明しています。
 件の「東京新聞」の記事によると、このことによる八王子市の負担は150万円です。国立市の担当である政策経営部長に聞いたところ、単発の事業もあるので正確には言えないが数十万円、とても100万にはならないでしょうとのことでした。東大和市は、私の資料要求に応じず、調査をしていないので負担額はわかりませんが、市の規模からいってもやはり数十万円の市の負担でできるはずです。
 子どもの権利条約を批准している日本で、このような不平等、権利侵害をただすための数十万円の支出を出し渋るなどということがあってはなりません。
子どもの最善の利益を保障する観点から、国、東京都、東大和市に対して適切な対応を求める決議です。国立市でも、議会での決議が市を動かしました。議員のみなさんのご賛同をお願いして説明を終わります。

にほんブログ村 地域生活(街) 東京ブログ 東大和情報へ
にほんブログ村にほんブログ村 政治ブログ 政治家(市区町村)へ
にほんブログ村