7月4日、立川で行われた、三多摩平和交流会の学習会に参加してきました。
講師は、戦場ジャーナリストの志葉玲さん。
以前から、志葉さんの記事は何度か読ませてもらっていたこともあり、ぜひ直接お話を聞いてみたいと思っていました。
テーマは、「戦争取材から語る日本国憲法」ということでしたが、非常にわかりやすかったです。
今、強行採決が危ぶまれている戦争法案ですが、自衛隊がアメリカの戦争に参加させられる・・ と私も演説で話しておきながら、では、実際に自衛隊が戦地でどんなことをすることになるのか?
実は恥ずかしながら、具体的に知っていたわけではなかったことに気づかされました。
たとえば、安倍政権がよく使う、『後方支援』という言葉。
これは、国会でも日本共産党の志位委員長が、国際的には『兵站』、つまりロジスティクスであると追及しましたが、兵站というのは、戦地に武器や食料などを運ぶ仕事で、戦場では1番重要な任務であることは、国際的にも常識であり、一番の攻撃対象であるということでした。
安倍首相は、危なくなったら徹底する、などと答弁していましたが、実際には、物資を運んでいる最中、いつ攻撃されるかわからない状態なわけで、事前に危険を察知することなどほとんど不可能ということ。
また、よく耳にする『治安維持活動』という言葉。
私のイメージでは、銃などを持って街の至る所で警備をするというような感じだったのですが、実際にイラク戦争で行われた治安維持活動とは、近くでテロ行為などがあった場合、周辺の住宅の住民の家を家宅捜索し、拘束するということなんだそうです。
家宅捜索もひどいやりかたで、まず玄関を小型の玄関で破壊し、家中のものを壊してしまう。
武器を隠していないかなども調べるため、ソファなどもボロボロに切り刻まれ、家中徹底的に破壊される。
拘束に抵抗すれば、暴行を加えられる。
これが、今度の戦争法案により、自衛隊がやらされるかもしれない、『治安維持活動』です。
他にも、イラク戦争で、米軍はありとあらゆる戦争犯罪を犯してきました。
戦争だからと言って何をしていいというわけではなく、現在は、捕虜を虐待してはいけない、病院や学校を攻撃してはいけないなど、さまざまな国際ルールがあるにも関わらず、米軍は、イラク戦争で、これらのルールをことごとく破り、許しがたい残虐な行為を繰り返して来ました。
結果、ISIL(イスラム国)というモンスターも産み出しました。
ISILは、イギリスの新聞社へのインタビューで、「自分たちは米軍の刑務所からやってきた」と答えているそうです。
そして忘れてはならないのは、米軍と自衛隊、日本の関係です。
日本は、アメリカの戦争に、ただの1度も異議を唱えることなく、加担してきました。
イラク戦争での自衛隊派兵の際も、安倍首相は、『人道支援のため』、国連の人員や物資を輸送するために自衛隊を派兵すると答弁しましたが、実際には、国連の人員を運んだのはわずか6%で、6割は米軍の人員だったことも明らかになっています。
戦争法案が成立すれば、自衛隊が米軍の下請けとして、ますます危険な任務につくことになるのは明らかです。
これまで散々、国際ルールを破って、戦争で残虐な行為を繰り返した来たアメリカの起こす戦争に、自衛隊が加担することになります。
安倍首相は、国際ルールを守らない戦争には参加しないと答弁していますが、なにしろ日本は、過去にただの1度もアメリカの戦争に反対したことがありません。
おそらく、私たち国民の税金が、一般市民、赤ちゃんや子ども、妊婦さんやお年寄りを殺すことに使われてしまうでしょう。
志葉さんのお話で特に印象的だったのは、憲法前文にある、『平和的生存権』についてです。
これは、国民がもつ、『平和のうちに生きる権利』のことですが、これは戦争の被害者になって殺されない、という権利だけでなく、加害者にもさせられない、という権利であり。
つまり戦争法案は、憲法9条に対する憲法違反であると同時に、憲法の前文に明記されている、『平和的生存権』にも違反しているというわけです。
本当にその通りだと思います。
私たちの税金が、人殺しのために使われるなんて、私は絶対にイヤです。
志葉さんのお話、もっともっと多くの方に聞いてもらいたいと思いました。
↓↓こちらもぜひ読んでみてください
「安保法制」というより「売国法制」「戦争法案」―戦争のリアルから見抜く安倍政権の詭弁とウソ(志葉玲)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/shivarei/20150418-00044933/