八王子高尾 ピアノ教師 の日記 -9ページ目

八王子高尾 ピアノ教師 の日記

桐朋学園大学ピアノ科卒業後個人でピアノを指導しつつ演奏活動を続けております。八王子市高尾駅より徒歩5分です。
皆様と音楽やピアノについて、交流ができれば幸いです。ピアノについてのご質問等も是非お寄せ下さい。
oyuki42koba☆yahoo.co.jp ☆を@にかえて下さい。

又ハノンの話ですみません。

 

「ハノン、やるべきでしょうか?」とよくきかれます。

色々な意見あると思いますが、答えは「解りません」←(無責任?)

 

私自身は散々やったので、やらなかったら?という答えが解らない訳です。

 

只散々やった事で、音楽と奏法がちぐはぐになり、大変遠回りをした様な気がするので、推奨しません。

でもなるべく公平に考察せねばいけません。

 

まずプラス面を考えてみます。

 

①鍵盤に早く慣れます。

隣の音、3度離れた音、オクターブ等々を手が感覚として覚えます。

鍵盤ガン見しないで弾けると楽ですよね(*^^*)

 

でも、少し効率は落ちますが、実際の曲で練習する方が音楽に沿って習得できます。

又効率を優先した非音楽的練習は、結局は最も非効率かと私は考えます。

 

②指示が簡潔で済むので解りやすく、番号が進む達成感が得られる。

 

これも又別の問題がある上、番号が進む=良い演奏が出来る様になる、かは疑問です。

 

③手の構造上弱い指も強い指と同じ使い方をする。

 

鍛えようとすると手を壊します。

弱い指の使い方は、これもやはり実際の曲の中で学ぶ方が良い様に思います

 

次にマイナスを挙げてみます。

 

①音楽でないから、つまらない。

基礎練習だから・・・という事ではありません。

 

何も感じず反復するのは、音楽性の形成において大きなマイナスです。

音楽はその流れの中で、緊張と解放、の様な感覚が常にありますが、ハノンは音楽でないのでありません。

 

例えば、シレソという和音(ドミナント)では普通、曲は終わりません。

ドミソ(トニック)、で終わります。

和音にはドミナント(トニックに進む、緊張する)やトニック(終止、解放する)の様に、役割、表現があります。

 

シレソの響きは「?」と緊張する響きです。

そこでは追われず、どこかに向かう、不安定で緊張する響き。

ドミソは「ほっ」と解放され、安定し、終る事が出来る響き。

 

けれどハノンでは終止の前の最後の小節が「ドミナント」、とは、それまでの並び具合から感じにくい訳です。

 

拍にも表現があります。

1拍目は踏み込み、安定した拍

2拍子なら2拍目は「?」と次の1拍目に向かう不安定な拍です。

(なので、そこで緩んでドスンとなると、聴いてておかしいのです)

 

緊張する所では、身体の内部の筋肉は上がります。

人気ピアニストで顔芸で有名な方

表情がまさに音楽と一体化してる訳です。

 

ところがハノン練習では全部打ち込む様に弾く方が多いです。

実際の音楽ではそういう事はあり得ません。

 

実際の曲の中では、速い16分音符の連続がある時、「抜きどころ」を利用します。

 

会話に例えれば、早口だと、各フレーズの最後の音が軽く(短く)なります。

けれどそれは楽譜には書かれません。

 

これは最も良い例ですね(ショパン幻想即興曲右手)

小節最後の16分音符が一番軽いです。


16分音符が並んでいると、均等にしっかり!と言われる事が多いのですが、実際の音楽では均等ではありません。

 

小節最後の16分音符が一番軽く(短い)、極端な話、音が抜けても問題ありません。(但し抜けても構わない様にこの右手のフレーズを弾くのが難しく、それこそが技術ですが)

 

それは上級レベルの話ですよね?と言われる事もありますが、例え入門レベルでも同じです。

この曲は速いから歌いにくいですが、声に出して歌うとそうなるはずです。
歌う様に弾く事は大事です。

 

それは暗黙の音楽の基礎ですが、楽譜では同じ長さの音符で書かれます。

 

この小節最後の16分音符をがっつり打ち込むと、次の1拍目に進みにくくなるだけでなく、やかましく聴き手が息が詰まる様な演奏になります。

ふわりと抜く様に弾くと大変弾きやすく、音楽的に納得いく演奏になれます。

 

なのに全部打ち込む様に弾く演奏が実際大変多く、ハノンの悪影響かな~と推測してしまう訳です。

 

②ハノンの問題点、両手がユニゾンである事

(オクターブで同じに弾く)

 

まず両手で練習すると、どちらの手に問題があるか聴き取りにくい。

弱い指や手を強い指や手と同じ様に、という目的があるなら問題かと思います。

片手ずつ練習する方が良いですね(*^^*)

 

又そもそもユニゾンは曲の中で強調等に使われる、「やかましい」手法です。

 

男性が、奥さんと娘さんに両側から

「だから~、言ったでしょ!」

と弾いてる間中、ずっと言われ続ける様なもので不快です。

 

そういう感覚に無頓着になるのも良くないです。

曲の中でユニゾンが出てきても、何も感じ取れなくなってしまいます。

何も考えず感じずピアノを弾く習慣がつくのは怖いです。

 

③番号が進む事を上達と錯覚しやすい

 

例えばオクターブ、3度のレガートや半音階等、実際の曲で習得する方が遥かに早いです。

 

ハノンが進む=上達でない例も多いのです。

番号が進む事は達成=努力の結果ですが、良い演奏に反映されなければ無意味です。

現実は最も大事なそこがおざなりになっている例が多いです。

 

以上はあくまで私個人の経験による意見で、ハノンやるべきでしょうか?という質問には自信持って答える事は出来ません。

只、方向を間違えやすいので、独学はお勧め出来ません。

 

ハノンの作品がIMSLPに楽譜上がってました。
仏風発音ではアノン・いつの間にか練習の代名詞になってしまいましたネ(*^^*)
https://imslp.org/wiki/Le_bourriquet_de_la_m%C3%A8re_Gr%C3%A9goire_(Hanon%2C_Charles-Louis)

 

レッスンでは、まず私が下手くそにも関わらず、よく歌います。
時には指揮のマネも致します。
 
よくある様に最初にまず、弾けるだけ弾いて頂く事があります。
片手ずつでもOK、途中まででもOK
 
時には、言いたい事がかなり出てくる訳です(笑)
 
例えば
①フレーズの最後は丁寧に弾いてほしいな~
②あ~、フレーズのクライマックスなのに、スル~~なの?
③16分音符が重いよ~
④何拍子だかよくわからない!

⑤左手の全音符はちゃんと書いてある通り伸ばしてほしいぞ~!

以下続々種々諸々・・・

 

で、弾いている時に、私が隣で大声で指揮しながら歌うと、ほとんど全部なおります(笑)

 

①歌えばフレーズの最後はそれらしく丁寧になります。

②クライマックスではちゃんとたっぷりになります。

③16分音符を重くは歌えません。歌いながら弾くと軽く弾こうとします
(その結果トチるかどうかは抜きにして)

④1拍目はちゃんと踏み込み、上拍でドスンとは歌いませんしそう弾きません。

⑤伸ばすべき音を歌っていると、自然にちゃんと伸ばそうとします。

月光ソナタの第1楽章の左手全音符など良い例です。

 

という訳で

はい~、これで解決~!OKで~す。(笑)

 

という訳にもいかず、自分で歌って頂かないといけません。

 

とはいえ大人の方は特に恥ずかしがったり色々あるので、無理強いは致しません。

又、歌いながらは弾けません!という方もいらっしゃいます。

その場合は、弾くのと歌うのを交互にやってみたりします。

 

で、恥ずかしくない様に、業界一歌がヘタな私が、大声でまず歌います。

 

※どれ位ヘタかといえば、「yukikoさんに歌われない様に伴奏頼もう!」と言われる位。

 

鼻歌程度の小声で十分で、音名も不要です。

音程も不正確で構いませんが、正確に取ろうとしてはみて下さい。

その音程をとろうとすると、どうなるか?が問題なのです。

 

必ず実際に声を出してみる事が大切です。

 

この曲を例にしてみましょう。モーツァルトの有名なK.545ソナタの第1楽章です。

 

https://www.youtube.com/watch?v=-_NVc4bYqnM&vl=ja

 

この右手の2小節、実際に声に出して歌ってみます。

(解りやすい様に音名つけて書きますが、ラララで構いません

 

ド~ミ、ソ、 シ~~ドレ、ド~(休)

 

最初の小節の、ド~ミ、ソ、は音がそれぞれ少し離れて、高くなります。

離れた音は音程が正しく取りにくいので、気をつけます
それと音が高くなると、エネルギーが要ります

 

つまりここは、快速に歌ってる様でも、注意を払ってエネルギーを要して歌う訳です。

 

1小節目最後のソ、から2小節目の最初のシ~~は最も離れてます。

さっさとは歌えません。

注意しないと音程もはずれそうになります。

 

そして2小節目の16分音符のドレ、は大変軽く歌います。

それに隣の音にしか動かない2小節目は、1小節目より楽にさらりと歌えます。

 

ついでに左手のドソミソもゆっくりでよいので、出来れば拍子を取りながら歌ってみて下さい。

ドソミソドソミソ

 

各拍の最後の、ソ

これピアノで弾くと親指で弾くので、ドスドスなりがちですが、歌うとそうはなりません。

ちゃんと裏拍らしく歌うはずです。

それに、軽やかに歌うはずで、ドスドスと重たく歌いません。

 

ピアノでどう歌うのか?なのです。

 

声が高くなる時、自分のお腹のあたりの筋肉はどうなってるか?

フレーズの最後を歌うとき、自分の身体はどう使われているか?

跳躍する音を歌う時、どう歌って自分の身体がどう使われてるか?

(特にお腹の中)

ドソミソを歌う時、どう歌って自分の身体がどう使われてるか?

 

鍵盤楽器はすべて、「押す」という動作で音を出します。

又一度出した音は、どうしようもありません。

なので、ピアノは音楽「歌」から最も遠くなってしまう楽器なのです。

 

歌うにはお腹の奥の筋肉を使いますが、ピアノは使わなくてもとりあえず弾けてしまうのです。

 

歌った時にはありえない事をすると、聴手が息苦しくなったり、不整脈になりそうになったりしてしまいます。

 

又大変音楽的にいいな~、という演奏は、たとえ左手だけを聴いても、隅々まで丁寧に歌われている訳です。

 

家族にうるさがられると困るとか、歌いながらは弾けないとか、色々あると思います。

小声で十分ですし、歌いながら弾けなければ別々でも良いのです。

 

沢山の発見があると思います。

色々なパートをどんどん歌ってみて下さいね(*^^*)

速いテンポで弾ける様になりたい!

速いパッセージが楽に弾ける様になりたい!

 

訓練すれば機械的に指が回る子供と違って、大人の事情から考えてみましょう。

(指導法は先生により違うと思いますが、あくまで私の場合です)

 

まず心の準備です。

というのも中には焦る方も多いので(笑)

 

①期間をある程度かける事

②ゆっくり練習する事(無理して速く弾かないで下さい」

 

①に関しては、部分的な暗譜、人によっては奏法の改善も要します。

少しずつ出来る様になりますが、それなり期間が必要です。

 

②に関しては、脳の情報処理という問題があります。

脳からの神経回路が混乱すると大変厄介です。

最悪、ジストニア等の危険もあります。

くれぐれも、焦って速弾きに挑戦などしない様に。

 

以上の事を念頭においた上で、次は日頃の準備です。

ゆっくり弾く時から気をつけて下さいね。

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

日頃の練習で以下の事を心がけて下さい。

 

①奏法の確認

 

常にお腹を締めて軽く座り、掌や腕の重さを鍵盤に乗せない事。

椅子には浅く腰掛けます。深く腰掛けると重心が後ろにいき、身体がうまく使えません。

 

鍵盤に手を乗せた時、肘が身体の前にくる様、距離を空けて座ります。

 

打鍵の為に指をあげない、鍵盤を下に押すだけで弾く事

(上げてる時間はありません)

 

出来れば予め、次に弾く鍵盤の上に指を乗せておきます。
指先は必ず常に下に向けます。

(向きを直す時間はありません)

 

鍵盤を押す時に、掌や手首を上下させず、指だけで鍵盤を押す事

(最低限の動きで効率よく弾かないと間に合いません)

 

手をやたら大きく上げたり鍵盤から離さない事、常に鍵盤のすぐ上にある事。
(着地要注意!そんな余裕も時間ありません)

 

首を振ったり手首を揺すったり、不要な上下運動は大きな妨げになります。

上下運動が癖になっている方は、気をつけましょう(但しリラックスして)

 

②脳の準備

 

ゆっくり弾く時も、弾きながら常に次の音の事を考えます。

弾きながら次の事を考えなくては間に合いません。

出来れば先の事について、なるべく多くの情報を確認しつつ弾きます。

 

弾きながら歌うと良いです。

(次の音に向う間も声を出し続けるので)

出来ない場合は、片手ずつゆっくりで構いませんので、歌いながら弾くと良いです。

弾きながら歌えない!という場合は、歌う、弾く、を交互にやると良いです。

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

以上念頭において、実際に音階、スケールを1オクターブ弾いてみます。

 

右手でハ長調の音階、ドレミファソラシド

 

指使いは、右手ですからドレミが123、ファソラシドが12345

 

普通に音階だと思わずに、ドレミ、を弾き、手を移動させてファソラシド、と弾きます。

別々だと楽ですね。これを継ぎ合わせるだけです。

 

但し、ファの鍵盤の上に1指が移動した瞬間には、ファソラシド、必ず全部の用意、つまりファソラシドの鍵盤の上に全部の指が乗っている事が大切です。

(これが出来ていない方が多いです)

 

手をひねったりくぐらせたりせず、瞬時にポジションを移動させた瞬間には次の一塊の用意が出来ている!という訳です。

 

それでは、ミからファに移る時に音が切れてしまうではないか!

 

どんなに短い音も、常に先に向かって動いてます。

実際には手首が次のポジションに、鍵盤と水平に誘導していきます。

するとつながって聴こえます。

 

ミを弾いている時には、指より先に手首が最初にファに向かって動いていく訳です。

この水平な動きが大切ですが、手や首を上下に揺すると出来ません。

 

そして、常に先の予想をしておかないと、速く弾けません。

 

速く弾く為には

5本の指の中で一度に出来る事は、一塊に用意して置くこと

ポジションを移動させる時は、瞬時に手首からすっと移動する事

ポジションが移動した瞬間には、次の一塊が用意できている事

全てスムーズな動きの為に、上下運動は極力抑える事

 

これはアルペジオでも同じ

右手で、ドミソドミソド

なら、最初のドミソが123、次のドミソドが1235

 

ソの3の指から次のドの1の指をくぐらせたりしません。

ドミソ(123) と ドミソド(1235)のパッチワークです。

 

但し、ソ3指~次のド1指、に向かって手首でスーッと移動します。

そして次のドを1指が弾いた瞬間には、残りミソドの上に2、3、5の指が乗っている事です。

 

順番に指を使うわけでない時。

例えばツェルニーに多い、ドソミソの連続。

指がこんがらがるぞ!という事が多いと思います。

 

まずドソミソを丁寧に練習する事

ガタガタヨタヨタする場合、

 

まず脳がどの指をどう動かすか、処理できる様にゆっくり練習します。

問題はまず脳の情報処理

 

次に、それが指先に伝わっているか(必要な指だけを必要なだけ動かせるか)神経回路の問題
意外に掌で停まってしまっている方が多いです。


最後に1cm程度鍵盤を押すだけの指の筋力(意外に大変です)

掌や手首で弾いてた人には、その小さな小さな筋肉とそれを動かす神経が未形成な事が多いです。

 

という訳で、ゆっくり少しずつ確認しつつ、練習を重ねて下さいね。

え?結局、練習するの?って言われる前に

 

決して焦らない様に!ゆっくり練習して下さい!

(と最初に言いましたww)

 

又、部分的にでも暗譜は必要です。

視奏でも、先読みしないと間に合いません。

 

 

もう一点、速くスムーズに弾くために大事な事

 

拍、特に上拍と裏拍をうまく利用する事が大切です。

なので、拍、拍、とうるさく言う訳です。

 

その話は別の機会に(*^^*)