八王子高尾 ピアノ教師 の日記 -77ページ目

八王子高尾 ピアノ教師 の日記

桐朋学園大学ピアノ科卒業後個人でピアノを指導しつつ演奏活動を続けております。八王子市高尾駅より徒歩5分です。
皆様と音楽やピアノについて、交流ができれば幸いです。ピアノについてのご質問等も是非お寄せ下さい。
oyuki42koba☆yahoo.co.jp ☆を@にかえて下さい。

ピアノの基本練習、基本中の基本のハノン、私も子供の頃から何回も練習させられました。
指の独立の体操の様な物から、音階、アルペジオ、オクターブ・・・その他様々な奏法の基本練習がまとめられています。
全60曲・・・これでもか、これでもか、終わりなき地獄の教本です(不適切な発言、お詫びします!)

あくまで指のトレーニングですが、これをマスターする事はとても大切です。


音大付属高校への進学を考えている中学生とお話する機会がありました。
5歳からずっと一生懸命ピアノを練習してきたそうです。もちろんハノンも全60曲練習したそうです。


そして全60曲を一通り終えた後、先生に言われたそうです。
「これから練習の最初に、一冊全部弾きなさい」・・・・・・
それを真面目に実行しているそうですが、かなり苦痛だそうです。



ハノンの、「はじめに」という箇所を読むと、ふむふむ・・・・確かに書いてあります。

全巻1時間で弾けます。完全に身につけば毎日僅かな時間繰り返すだけでも・・・・云々


確かに理想の練習法かもしれませんが、実際は無理があると思います。



中学生が学校に通いつつ練習にさける時間は、頑張ってもせいぜい1日3~4時間です。


ツェルニー等の練習曲、バッハの練習は欠かせません。モーツァルト等の曲の課題もあるでしょう。
それらも欠かせない大切な練習です。

限られた練習時間でハノンを毎日全部弾くとなれば、当然速いテンポで弾く事になります。
全てのテクニックを常に正しい奏法で速く弾ける様に身につけ、常にそうであらねばならない、というのはわかります。
けれど現実は速く弾くばかりでは、雑になる事が多いのです。

練習はまずゆっくり行う必要があります。
なぜなら指が独立してきちんと脱力できていないと、段々速くなってしまいます。ゆっくり弾けないのです。

ゆっくりがきちんと出来て楽に弾ける様になってから、少しずつテンポをあげます。
テンポに追いつけなかったり、弾いていて違和感があれば、又テンポを落として分解し、原因を捜して修正します。

この練習の時に、自分の感覚、音、に細心の注意を払う習慣をつけなければなりません。
綺麗な音か、音がバラけていないか、指が楽に動いているか、違和感はないか・・・・・


毎日ハノンを弾く事は大切です。でも少しずつで良いのです。
自分の指や手の状態、自分の音はどうなのか・・・・

最後に頼りになるのは自分の感性です。それをしっかり磨いて下さい。


ピアノを弾く上で、音楽を奏でる上で大切な事があります。
その中でも、最初からきちんと身につけてほしい習慣があります。

楽譜の指示を守り、注意を払って丁寧に奏でる習慣です。
「え?ちゃんとやってます!」・・・・はい、やってません!

例えばメロディの終わりです。
最後の最後の瞬間本当にほんのかすかですが、ブチ切れたり次のフレーズにフライングします。
気付かない位本当にかすかなのですが、これが意外な不快感を与えます。
ひどい例では、メロディの最後が尻もちをついたり、投げやりに演奏されたりします。
最後まで、丁寧にメロディが歌われず、その瞬間音楽がドン!と中断されてしまいます。

そんな指示は楽譜にありません。

始末の悪い事に、曲の中には短いフレーズが沢山内包されています。
このフレーズも、すべて丁寧に歌わなくてはなりません。

例えば、G7→C・・・ソシレファ→ソド
よくある例です。この場合、ファからミ、が丁寧に歌われて落ち着きます。

それからリズム

最後の最後まで、きちんとリズムが流れています。
ところが最後、ごくごくほ~~んの短い瞬間、投げ出されたりフライングしたり・・・色々やってしまいます。
演奏している方には0.0000?の瞬間ですが、音楽の流れが狂って気持ちが悪いのです。


ピアノを演奏するには、高い音楽力が必要です。
演奏者は一人でメロディ、伴奏、だけでなく、いくつもの声を一人で歌い、伴奏し・・・・総合力を必要とされます。
他の楽器の伴奏ともなれば、なおさらそれが必要になり、下手な伴奏は全てを壊してしまいます。

入門のまだ音の少ない時期から、きちんと丁寧に歌い拍子の中で弾く習慣をつけなくてはなりません。

少し複雑な曲になったら、内包されているフレーズを生徒さんに歌ってもらいます。
(一種のソルフェージュですね。)

そしてバッハや古典派のモーツァルトの曲等を練習する事も大切です。

そして練習は、ゆっくり分解して行う作業が大切です。
自分の注意が行き届いていない箇所を発見し、歌う様に流れの中で弾ける様にする事が大切です。

楽譜を丁寧に読み解き、自分の音や演奏に常に細心の注意を払う事・・・・

この当たり前の事がとても大切で、必ず習慣にして守り続けてほしいことなのです。


















フラメンコが大好きで習っていた事があります。
アントニオ・ガデスという踊り手に惚れこんでしまい、習い始めてしまいました。
ですから習っていたのは、歌やギターでなく踊りです。

先生の長野の生徒さん8人が出演したステージを観に行きました。
地方都市のお祭りの一部にフラメンコを一曲。イベントです。
先生が生徒さんの為に発表の機会を一生懸命つくってさしあげたのでしょう。

習い始めてまだ数年の、社会人の女性達8人の群舞でした。
私達東京クラスは応援部隊です(笑)


曲は「カラコレス」
この曲はお扇子を使います。衣装もお祭りにふさわしく華やかでした。

ところがステージは最後の方で大混乱になってしまいました。
原因はギターとカンテ(歌)です。

先生が生徒さんの為にステージを成功させようと、お1人に6万円払って依頼したプロの方々です。
打ち合わせでは3回反復するはずのフレーズを、2回反復にしてしまったのです。

群舞ですし対処法も知らない初心者の方達です。滅茶苦茶になってしまいました。

烈火のごとく怒った私の先生は、当然2人に抗議しました。
すると「フラメンコなんだから、それ位出来ないと打ち合わせどおりにはいかない!」
・・・・・そばで聞いていて私も怒りを覚えました

確かにフラメンコは即興性が強く、打ち合わせどおりにはいきません。
気分が乗ればいつまでも反復したり、アップテンポになったりします。
鋭い感性がぶつかり合う場でもあり、それがまた魅力です。
でもそれは全く別問題です。

プロなら相手が初心者であろうとベテランであろうと、良い舞台にする義務があります。
その義務を怠った上、失敗を踊り手の実力のせいにする発言です。
又プロなら、「今、この状況で可能な限り、一番良い舞台を!」という本能があるはずです。

仕事の合間をぬって練習し、初めての舞台で踊る彼女達の気持ちを考えてあげてほしいです。
家族やお友達も招待したことでしょう。

アマチュアにの方々をあたたかく見守ってほしいです。
多くの愛好家に支えられているからこそ、プロでいられる事を忘れてはいけません。

・・・・・