八王子高尾 ピアノ教師 の日記 -72ページ目

八王子高尾 ピアノ教師 の日記

桐朋学園大学ピアノ科卒業後個人でピアノを指導しつつ演奏活動を続けております。八王子市高尾駅より徒歩5分です。
皆様と音楽やピアノについて、交流ができれば幸いです。ピアノについてのご質問等も是非お寄せ下さい。
oyuki42koba☆yahoo.co.jp ☆を@にかえて下さい。

ピアノを習うと、最初に言われる事がいくつかあります。


手は卵が入る様にしましょう。

親指はべちゃっとつかないで、爪の上の角の所で弾きましょう。

手首と手の甲が同じ位の高さになる様にしましょう。


習い始めて10年位過ぎて、曲も難しくなり、時々壁に当たる事があります。

とても速いスケールやアルペジオなど・・・

「ここ、弾けないよ~~~~」(笑)


曲の中に苦手な場所があると、弾き始める前からその事しか頭にありません。

弾いている最中も・・・

「どーしよー・・・あそこ今度は弾けるかな~~、ああ~、そろそろだ~・・・」


こんな場合、ほとんどが・・・ジタバタドタバタ・・・そして・・・・撃沈!


力んでますね~。これでは楽しくないですね(笑)、発表会等でよく目にする微笑ましい光景ですが。



では、ちょっとチェックしてみましょう。

親指・・・・・


もしや「べちょっ!」と親指全体で弾いていませんか?


これをやると、手首が下がってしまい他の指が上を向いてしまいます。

上を向くというのは、大変無駄な動きなのです。鍵盤を押すには下に動かしますから。

又手首を下に押しつける事になり、これが余分な力みの原因となります。


又親指を超える動きがうまくできません。


手の甲全体を回さなければならなくなり、ひどい場合は肘までジタバタ・・・



新しい生徒さんで、ピアノを習った経験のある方がいらっしゃると、まず何か弾いて頂きます。

私の目撃例では、全員、親指べちょ!(笑)


親指の角は、不安定な場所で、べちょ!と親指全体で弾く方が楽なのです。

その不安定な場所で支える為には、余分な力を抜かなくてはなりません。


脱力というのはわかりにくいのですが、親指をなおす事により自然に余分な力が手首から抜けます。


べちょ!となっていないか・・・ちょっと見直してみて下さいね。

今日は実際のリズムのレッスンになります。あるリズムで苦労している方が多いので。

2連と3連を同時に弾く・・・・・でも弾けない!
はい、難しいのです。2分の1と3分の1、算数的には合いません。

簡単に説明させて頂きます。

2連音符とは、4分音符1拍タン!・・・・の中に、半分ずつ・・・・タタ、と入ります。
1拍(タタ)、2拍(タタ)、3拍(タタ)、4拍(タタ)・・・連符ですから、タは全部均等です。

3連音符とは、4分音符1拍タン!・・・・の中に、3分の1ずつ・・・タタタ、と入ります。
1拍(タタタ)、2拍(タタタ)、3拍(タタタ)、4拍(タタタ)・・・これも連符ですから、タは全部均等です


問題は、右手2連音符、左手3連音符、あるいはその反対を一緒にひく・・・・・

初めての方の大半がここで撃沈!合わない!

無理やりあわせようとすると、3連が、タタタでなく、タタータとなってしまいます。これ、違います。この合わせられないという気持ち悪~い状態、長期間続きます。覚悟しましょう。

ではこれを攻略するにはどうすればよいのか。

まず最初に、きちんと2連、きちんと3連を、それぞれ意識して叩いて下さい。
これを繰り返す事で、正しい2連と3連を脳に刻み込みます。

次に実際に弾いてみますが、イメージとして、まず別々の人間が弾いていると思って下さい。脳みそが2つ必要です。
次は曲で練習した方が良いかもしれません。

まず左右別々にきちんと弾ける様にして下さい。
きちんとフレーズを歌って完成された状態を、左右別々に弾ける様に。
これにより、曲としての正しいリズムを、脳に刻み込みます。

片方は2連のパートを弾き、もう片方はきちんと3連のパートを弾く。
そしていよいよ次に同じテンポで一緒に弾く・・・・・

合うはずですね。でもまだ合わせられないと思います。まだまだ気持ち悪~いです。

次に、例えば2連の左手、3連の右手(あるいはその逆)を、曲の進行に合わせて交代で弾いてみましょう。曲をとおして弾いている様に、交代して弾いてみます。

ここで大切なのは、両手で曲を弾いてるつもりで弾く事です。

両手で弾いているつもりで、途中で右手だけ、左手だけ、とかえるだけです。
実際に弾いているのは片手ずつですが、もう片方を弾いているつもりで弾くことです。
これを何回も繰り返します。
左右それぞれが、きちんと流れに乗って弾けている事。これが大切です。

そして、合わせてみます。どうでしょう?まだ気持ち悪い?・・・・そうでしょう。
そんなに簡単にはいかないのです。

ここでちょっと、縦にリズムを合わせるという意識を持ちます。
まず拍の最初は一緒に音がなります。ここはきちんと合いますね。
次に、3連の2つ目の音をきちんと弾く事です。

ここで2つ目の音に飛びこむから、3連のタタタが、タタータになってしまうのです。
3連の最初の音と2つ目の音が正しいタイミングで入る事が大切です。

3連の2つ目の音を聴いたら直後、2連の2つ目の音が入る・・・そんな感じです。

けれどあくまでこれは目安に過ぎません。
縦に合わせるとう感覚より、左右それぞれきちんと弾く・・・というイメージを持って下さい。でないと、あとあと本当に気持ち悪くなります。
合ってる?合ってるよね・・・と確認する程度の気持ちです。

まだ気持ち悪い・・・はい、そんなに甘くはありません。これからが大変。
でもあとは吐きそうになるまで苦しんで下さい。苦しんだら必ずある日、ひょい!と合います。

これは本来合わないリズムを持った歌を、一緒に完全に管理できる回路が出来るまでの苦労なのです。
回路ができたらある日、ひょい!と出来ます。何であんなに苦労したのかと不思議です。

くれぐれもこれは絶対いけません!
え・・・・と・・・最初の音は一緒ね・・・・で3連の2番目の音が次ね・・・それを弾いたらすぐ2連の2番目ね・・・
これだけ考えて練習するのは楽ですが、これば目安にすぎません。
こればかり考えながら練習しない様に!

右手は右手、左手は左手、それぞれが同じテンポで美しく弾いているだけです。
でないと、あとでツケが回ってきます。

4分の4拍子の曲・・・1拍目、右手2連、左手7連、2拍目、右5連、左9連・・・以下色々
流れる様に弾いて!
こんな事はザラにあります。

又、右手+左手+・・・他のパート・・・アンサンブルの恐怖もあります。

更に・・・
テンポ・ルバートという恐ろしい指示が書かれている事はよくあります。
テンポを自由に伸び縮みさせて・・・・・(絶句!)

そうなったらもう、合わせる術はありません。
左右別々に歌う様に弾けることが大事なのは、そういう理由からです。

ショパンの幻想即興曲、ドビュッシーのアラベスク第一番・・・大変ですが頑張りましょうね。
私の両親は大変ピアノが好きなのに習う事が出来なかったという典型的昔の人でした。
子供に残してやれる一番の財産は教育である・・・という理念のもと、ピアノを習わせたそうです。
実はこれ、理念でなく口実だという事がのちに判明致しました。

母いわく「自分の夢を子供に実現させる!・・・親の特権よ~~♪」
父いわく「ジャンジャン稼げるかも・・・と思って投資したけど、見込み違いだったな~~♪」

絶句!・・・・・(笑)

私が子供の頃は、ピアノの先生=怖い!・・・でした。
しかも、厳しい先生=良い先生・・・・と両親は思ったそうです。・・・・(勘弁して~~~)

最初の先生は子供の私にも容赦なく、レッスン中はいつも強い口調でした。
中学3年生まで、みっちり毎週怒られました。

音大付属高校~音大時代に教えて頂いた先生も、大変怖い先生でした。
とにかく卒業するまで毎週叱られっぱなし、誉められた経験はほとんどありません。

どちらの先生も女性で、今思うと明らかにヒステリーや八つ当たりの様な事も時にはありました。
誰かがレッスンで怒らせてしまい、次の人がとばっちり!なんて事は日常茶飯事でした。

あ~部屋の外から聴こえるぞ!今日は嵐だよ~~
「疲れてるのよ~、耳触りな音ださないでよ~!」・・・・・(一度でいいから言ってみたい)

みんなその時は半べそでも、あまり気にしてませんでした。

同じ先生の生徒の中で実力差もありましたが、怒鳴られるのは皆同じ。
お互い仲良く、実力差に劣等感を持つこともなく、仲間の成功は皆で心から喜んでいました。

どちらの先生も、生徒と真剣に向き合ってくれた立派な先生でした。一生懸命教えて下さいました。
先生を嫌い・・と思った事は一度もありません。

子供は誉めて育てる・・・という事を最近よくききます。
私は教育の専門家でないので、あくまで経験で感じた事だけです。反論も覚悟してます。

今は子供を叱らなさすぎる様に思います。
今先生をしている友人も、叱れないと言います。私もほとんど叱りません。

それは立派な事ではなく、申し訳ないのですが怖くて叱れないのです。
心に万一傷を残したら責任が持てないからです。

誉めて伸ばす事は大切で、何より自分に自信がもてる様になります。
只、それだけではバランスが悪い様に正直思います。

努力してできる様になったのに、当たり前と言われる。
努力したのに出来なかったら、出来ていないとおこられる。
得意な事は無視され、苦手な事だけを叱られる。
あきらかに虫の居所が悪く、八つ当たりされる。

これらは昔の先生にはよくありました。そしてこういう事は世の中で必ず経験します。

誉められる事に加え、時にはこういうイヤな経験をするのも良いのではないかと思います。
もちろん叱られても、「自分は大事にされて信頼されている」と信じられる事が大前提です。
それがなければ心に大きな傷を残してしまうでしょう。

いつも得意な事を誉められ、努力を認められ、苦手な事は温かく見守ってもらう・・・現実はそうはいきません。
大人になったら残酷な現実と向き合わなければなりません。

私はコンクールで上位に入り、世界で演奏できる様になりたい!そう願い、必死で長い時期、努力しました。
友人の多くもそうでした。
数年間一日中ピアノと向き合い、結果は予選も通りませんでした。
とんでもなく上手な人が一次予選でバタバタ落とされるのを見て、ゾッとしました。

「必死で努力すれば必ず夢はかなう」・・・・それは違います。
「必死で努力してもかなうかどうかわからない。けれど努力しなければ絶対かなわない」。」・・・それが現実です。
問われるのは努力でなく結果だけ。・・・ピアノに限らず仕事は全て同じです。

でもよく叱られたお陰です。凹むという事がないのです。
「やっぱダメか~~・・・ごめんなさ~い・・・・」挫折感や悲壮感とは無縁です。

落ち込んでる暇があったら、やりたい事があったのです。それは、・・・・

とりあえず・・・・・遊ぶぞ~~っ!(笑)

認められなかった努力は、今別の形で自分に報いてくれている様に思えます。
少しは繊細な感性を持つタフな女性・・・になれたと思います。ちょっと自画自賛ですけど(笑)

叱られてばかりでしたが、今でもずっと先生方が大好きですし信頼し感謝しています。
上手になりたい!という私の気持ちに真剣に応えて下さっていたからでしょう。

私は子供を叱れません。やはり一生、先生方を超える事は出来ない様です。

一度言ってみたいな・・・「疲れてるのよ~~!耳障りな音出さないでよ!」

・・・・・・・・・怖くて言えないっ(笑)