ピアノ・・・怖かったけれど素晴らしかった先生方 | 八王子高尾 ピアノ教師 の日記

八王子高尾 ピアノ教師 の日記

桐朋学園大学ピアノ科卒業後個人でピアノを指導しつつ演奏活動を続けております。八王子市高尾駅より徒歩5分です。
皆様と音楽やピアノについて、交流ができれば幸いです。ピアノについてのご質問等も是非お寄せ下さい。
oyuki42koba☆yahoo.co.jp ☆を@にかえて下さい。

私の両親は大変ピアノが好きなのに習う事が出来なかったという典型的昔の人でした。
子供に残してやれる一番の財産は教育である・・・という理念のもと、ピアノを習わせたそうです。
実はこれ、理念でなく口実だという事がのちに判明致しました。

母いわく「自分の夢を子供に実現させる!・・・親の特権よ~~♪」
父いわく「ジャンジャン稼げるかも・・・と思って投資したけど、見込み違いだったな~~♪」

絶句!・・・・・(笑)

私が子供の頃は、ピアノの先生=怖い!・・・でした。
しかも、厳しい先生=良い先生・・・・と両親は思ったそうです。・・・・(勘弁して~~~)

最初の先生は子供の私にも容赦なく、レッスン中はいつも強い口調でした。
中学3年生まで、みっちり毎週怒られました。

音大付属高校~音大時代に教えて頂いた先生も、大変怖い先生でした。
とにかく卒業するまで毎週叱られっぱなし、誉められた経験はほとんどありません。

どちらの先生も女性で、今思うと明らかにヒステリーや八つ当たりの様な事も時にはありました。
誰かがレッスンで怒らせてしまい、次の人がとばっちり!なんて事は日常茶飯事でした。

あ~部屋の外から聴こえるぞ!今日は嵐だよ~~
「疲れてるのよ~、耳触りな音ださないでよ~!」・・・・・(一度でいいから言ってみたい)

みんなその時は半べそでも、あまり気にしてませんでした。

同じ先生の生徒の中で実力差もありましたが、怒鳴られるのは皆同じ。
お互い仲良く、実力差に劣等感を持つこともなく、仲間の成功は皆で心から喜んでいました。

どちらの先生も、生徒と真剣に向き合ってくれた立派な先生でした。一生懸命教えて下さいました。
先生を嫌い・・と思った事は一度もありません。

子供は誉めて育てる・・・という事を最近よくききます。
私は教育の専門家でないので、あくまで経験で感じた事だけです。反論も覚悟してます。

今は子供を叱らなさすぎる様に思います。
今先生をしている友人も、叱れないと言います。私もほとんど叱りません。

それは立派な事ではなく、申し訳ないのですが怖くて叱れないのです。
心に万一傷を残したら責任が持てないからです。

誉めて伸ばす事は大切で、何より自分に自信がもてる様になります。
只、それだけではバランスが悪い様に正直思います。

努力してできる様になったのに、当たり前と言われる。
努力したのに出来なかったら、出来ていないとおこられる。
得意な事は無視され、苦手な事だけを叱られる。
あきらかに虫の居所が悪く、八つ当たりされる。

これらは昔の先生にはよくありました。そしてこういう事は世の中で必ず経験します。

誉められる事に加え、時にはこういうイヤな経験をするのも良いのではないかと思います。
もちろん叱られても、「自分は大事にされて信頼されている」と信じられる事が大前提です。
それがなければ心に大きな傷を残してしまうでしょう。

いつも得意な事を誉められ、努力を認められ、苦手な事は温かく見守ってもらう・・・現実はそうはいきません。
大人になったら残酷な現実と向き合わなければなりません。

私はコンクールで上位に入り、世界で演奏できる様になりたい!そう願い、必死で長い時期、努力しました。
友人の多くもそうでした。
数年間一日中ピアノと向き合い、結果は予選も通りませんでした。
とんでもなく上手な人が一次予選でバタバタ落とされるのを見て、ゾッとしました。

「必死で努力すれば必ず夢はかなう」・・・・それは違います。
「必死で努力してもかなうかどうかわからない。けれど努力しなければ絶対かなわない」。」・・・それが現実です。
問われるのは努力でなく結果だけ。・・・ピアノに限らず仕事は全て同じです。

でもよく叱られたお陰です。凹むという事がないのです。
「やっぱダメか~~・・・ごめんなさ~い・・・・」挫折感や悲壮感とは無縁です。

落ち込んでる暇があったら、やりたい事があったのです。それは、・・・・

とりあえず・・・・・遊ぶぞ~~っ!(笑)

認められなかった努力は、今別の形で自分に報いてくれている様に思えます。
少しは繊細な感性を持つタフな女性・・・になれたと思います。ちょっと自画自賛ですけど(笑)

叱られてばかりでしたが、今でもずっと先生方が大好きですし信頼し感謝しています。
上手になりたい!という私の気持ちに真剣に応えて下さっていたからでしょう。

私は子供を叱れません。やはり一生、先生方を超える事は出来ない様です。

一度言ってみたいな・・・「疲れてるのよ~~!耳障りな音出さないでよ!」

・・・・・・・・・怖くて言えないっ(笑)