八王子高尾 ピアノ教師 の日記 -67ページ目

八王子高尾 ピアノ教師 の日記

桐朋学園大学ピアノ科卒業後個人でピアノを指導しつつ演奏活動を続けております。八王子市高尾駅より徒歩5分です。
皆様と音楽やピアノについて、交流ができれば幸いです。ピアノについてのご質問等も是非お寄せ下さい。
oyuki42koba☆yahoo.co.jp ☆を@にかえて下さい。

どなたかが以前ブログで、シューベルトの心は旅人・・・の様な事を書いて下さいました。
私はシューベルトは好きですが苦手で、レパートリーがほとんどありませんでした。
その時そのブログを読ませて頂いて、それが大変参考になりました。

シューベルトの作品は、平坦で長くまとめにくく、手が出せませんでした。怖ろしく退屈になりそうで怖いのです。

その方のブログを読んでみて、ふと気づきました。
歩きながら、心に浮かぶままを歌っている様に、一つ一つのフレーズを慈しみながら弾いていく・・・それだけ
すると自分がどう感じてどう弾きたいのか、素直に見えてきました。

沢山のヒントがあったのに見逃していました。
「冬の旅」の第1曲目のあの悲壮感のない旅立ち、途中途中に綴られた男性の心模様、「さすらい人幻想曲」の第2楽章の木洩れ日が揺れる様な風、「水上に歌う」のうつろう時から翼にのって消えていく描写・・・

その作曲家の何か・・・気質とでもいうのでしょうか。
どこにも心を落ち着けることのない、さすらい人
出来れば彼の生きた場所に行ってみて、同じ空気を吸えたら良いのですが・・・

コンサートに向けて格闘中です。「水上に歌う」
きらきらとした光の描写が美しいです。


http://www.youtube.com/watch?v=1RsnWvAN0Jw



このところ、演奏する機会が増えて嬉しいです。譜読み、調べ物、練習・・・少々追われてしまい、生徒さんの新しい曲も探さなければならないし、あ~・・順番にこなさないと・・・

今取り組んでいる作品です。
ブラームス6つの小品集 作品118、3つの間奏曲 作品117

ブラームスの晩年の小品集は、じっくりと熟読して隅々まできちんと完成させないと聴くに耐えない事になってしまいます。フレーズがあちこちで絡み合い、時に穏やかに、時に激しく歌います。それをきちんと拾い上げ、丁寧に歌わなくてはなりません。音域も広く、演奏時間が短い割に密度が高く大変消耗します。
しかも晩年の作品等は、穏やかなようで実にエネルギッシュで、それにのみ込まれないようにするだけのエネルギーが要ります。

これだけ構成上緻密に作られた曲は決して弾きやすく作られていません。ピアノ弾く方ならすぐわかるのですが、ブラームスは実は何でもないように聴こえているところも、実に大変弾きにくいのです。
(少しは手の構造も考えて欲しいな~と、悲鳴をあげたくなります。)

美しいと感動する曲、好きな曲は沢山あります。けれど心が震えるほど自分が弾きたいと願う曲と違うこともよくあります。

ブラームスの作品は、うまく表現できませんが・・・自分の心から何かが湧き出てきて、震えてくるという感覚です。不思議です。
心から弾きたいと強い想いをずっと持ち続けていますが、きっと一生満足のいくようには完成しないのでしょうね。・・・・片想いは続きます・・・

http://www.youtube.com/watch?v=YD8i0jUmbF8


一番最初、ピアノを習い始めたとき、ほとんどの場合中央の、ド、から始まります。
音符の読み方を覚えつつ、指の番号をおぼえつつ、四分音符を覚えつつ・・・少しずつ音や音符の種類が増え・・・片手ずつ簡単なメロディ、曲になります。2~4小節くらい。
そのころに「なめらかに」を表す龍のヒゲの様な記号、スラーの登場です。懐かしいですね。

ここからが大変・・・まだ何もかも不慣れなのに・・・可愛そうと思いつつ、急に口うるさくなります。

その一つは、出来る限り正確に音符の長さを守ること・・・・1000分の1でも狂わないように!
これはリズム感の基礎の為に大切です。
もう一つは、スラーでくくられた音符の弾き方、歌に例えれば、一息で歌う一つのフレーズです。

フレーズは、何となくでなく、きちんと自分の意思を持って歌い出すことが大切です。
音の大小でなく、きちんと、「こういう風に歌うのだ」という意思を持つこと
何となくふらっと弾き始める・・・はNGです。音が死にます。
そしてフレーズの終わりは、必ず丁寧に!
会話と同じ。美しい声できれいな言葉で話しても、語尾が粗雑であればすべて台無しです。

この2つを、最初から徹底的に何回も言います。
「ほら、最後どすんと弾かない!・・・」「しっかり弾き始めないとわかりません!」
・・・私は業界一優しい先生ですが・・・しつこいのが欠点
でも数回のレッスンで、できなくても、「あ・・・やっちゃった」とご自分で気がつくようになります。

ピアノは一瞬で多くの音が出せる上に音域も広く、オーケストラに匹敵する楽器です。
各パートを美しく丁寧に歌う能力、全体を統括する能力が必要なのです。
右手左手という事でなく、一つの声を両手で受け渡して弾いたり、片手で2人分歌ったり、それが絡み合い・・・どんどん複雑になります。

最初からきちんと歌う事を習慣にしないと、すぐにぐちゃぐちゃになります。
優れた演奏は、細部まで丁寧にきちんと歌われているのです。それが大きな違いです。

中級の生徒さんも、今一度自分の音をきいてゆっくり、練習して下さい。
出来るだけ細かく分解して、確認しながら。
出来るだけ正確に丁寧に、自分の意思で歌い始め、歌い終える。

「先生、私、向いてないのね、全然うまくならないの・・・」と嘆く生徒さんに、冷た~い一言
「がちゃがちゃひいてばかりで言うとおりに練習しないからですよ~♪ ・・・・」
「ほら、またドスン 」・・・「あ~~~!

お互い気長に頑張りましょうね