八王子高尾 ピアノ教師 の日記 -45ページ目

八王子高尾 ピアノ教師 の日記

桐朋学園大学ピアノ科卒業後個人でピアノを指導しつつ演奏活動を続けております。八王子市高尾駅より徒歩5分です。
皆様と音楽やピアノについて、交流ができれば幸いです。ピアノについてのご質問等も是非お寄せ下さい。
oyuki42koba☆yahoo.co.jp ☆を@にかえて下さい。

少々立て込んでおりまして、書かねばならぬ事は沢山あるのにまとめておりません。こうやって更新が滞ってしまうのです(汗)

何にもまとめておりません。思うままで失礼します。

昨日は無料のサロンコンサートを聴かせて頂きました。
音大卒業後ドイツ留学され、そちらにご結婚後在住、演奏活動をされていらっしゃる女性です。友人の紹介で知りました。(ユーロピアノ烏山店、Second Sunday Concert 太田キシュ道子さん)

曲目
バッハ=ブゾーニ、トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV564
ベートーヴェン、ピアノソナタ Nr.21 ヴァルトシュタイン op53
シューマン、交響的練習曲 op13

パワーが必要な曲をこれだけ一度に演奏されるのはそれだけでも凄いです。
帰国の際のコンサートという事で、未完成な部分はかなりありました。でもパワーだけでなく、高音の繊細さ等素晴らしく、完成が楽しみです(*^_^*)


終了後、ご本人に伺ったヨーロッパやアメリカのコンサートのお話です。私は留学経験がないので、興味深く伺いました。
ドイツではこれ位の重量のプログラムでないと、それが当然との事です。精神力、体力が必要ですね。

「日本のお客様は一番きちんとまじめに静かに聴いて下さいます。」ふむふむ・・・納得です。

「ドイツではもう少しお客様、楽にされててお喋り等もなさいます。」

「は?演奏中に、お喋りですか?」


「はい、それ当たり前なんですよ~」
ふむふむ、そうなんだ~、意外です。


「イタリーは、時間どおりに始まらないのです」
あ~何となく、時間にうるさくないのは理解できます。


「開演2時間経っても、着席してくれなくて始められません」

「ひぇ???」

「ひたすら待たされます」

大らかというか何というか・・・絶句


「アメリカも凄いですよ~」

「クライスレリアーナ一曲弾くたびに、大歓声、拍手喝采」



一曲ごとに闇に呑まれる様な、シューマンの狂気の世界が、ヒーローの世界になってしまうのですか?

「それって、弾いててどうですか?」
「それはそれで楽しいです。」

若い頃に留学されてもまれた方は、それなり強くしなやかですね(*^_^*)


しかし、そんな様々な価値観の中、長い時を経て残された名作、
作者の手を離れて、意図せぬ解釈や扱い方をされる事もあるのでしょう。
それでも多くの人々の心を掴み、弾き継がれてきたのですね。


と、ちょっと素敵な午後でした。
終了したのが夕方、まだ肌寒く風は冷たいですね。
でも、つかの間楽しいひと時でした。
テキスト、教育法についての私見です。
最近教育法についての批判をよく耳にするので、考えてみました。

音大進学を視野に入れた、成長期の子供さんによくあるレッスン法。
ハノン、ツェルニー、バッハ、モーツァルトやショパン等の曲・・・というセットです。

実はこれは、大変理にかなっておりました。

しっかりピアノを弾く手を作る。
バッハで音楽の基礎をしっかり学ぶ。
モーツァルトやショパン等で、実際に曲を完成させる。
ソルフェージュで更に音楽性を高める


早期教育を経て、音大進学できるレベルを育てるのに最適です。

現実にはしっかりした手を作る練習法と実際の弾き方に違いがあります。
そこを理解しないと、心無い音で弾く事が身についてしまいます。

速く、しっかり弾ける事は良い事です。
只、必要以上に平気で弾いてしまう感性は困ります。

ここをきちんと考えないと、一番大事な耳が育ちません。


バッハの指導は更に大変です。(ややこしいですから

とりあえず各声部を歌わせる為、テーマを大きな音で強調させる先生もいらっしゃいます。
これは手段ですが、テーマの入りを強く弾く事が常に正しい訳ではありません。

生徒さんに各声部を整理させるために、最初ペダルの使用を控えさせる事があります。
すると「バッハにペダルはいけない」と教わった・・・となってしまいます。

そう思い込んだ方が、先生になって教える立場になる事もあります。

どこかで目的と手段が混同してしまうのです。


一昔前、案外その事には触れませんでした。
なので、とんでもなく非音楽的な演奏をする学生も中にはいました。
音大進学はやめろ、とか教育法云々・・・と言われた原因でもあります。


しかし、これはこれで良いのです。
毎年数百人という音大卒の中から、世界で通用する一人を育てるやり方です。
大勢のピアノ学習者を対象としてはいないのです。

私の様に、世界で通用するピアニストになれなかった大勢の音大卒業生。
ピアノの先生になっています。(笑)


もちろん世界で通用するピアニストでなくても、素晴らしい先生は大勢いらっしゃいます。

時にアマチュアの方、音大卒の方などから、教育法や音大についての批判をよく聞きます。
もちろん一理あります。

しかし批判しているのは、その教育法の対象でなかった私の様な学生だった人です。
又は実際に音大等に行かず、そういう教育を受けていない方もいらっしゃいます。


音楽を学ぶなら、歴史に残った素晴らしい作品、演奏に沢山触れる事が大切です。
そうすれば、自然と自分の耳がそれを求めます。
もし習う事と矛盾が生じても、自分の感性で解決できます。

自分の弾き方は、結局、散々悩んで自分で見つけるしかないのです。


現代では沢山の教本やメソッドがあり、それは良い事です。
どれが淘汰されて残るのか、わかりません。
時代も変わっているのです。

只歴史に残ったバイエルやツェルニー、やはり素晴らしい教本です。

その使い方、目的をきちんと理解する事が大切です。


現代では生徒さんの年齢、環境は様々です。
最適なテキストや練習法を提示してあげられる事が大切です。
様々なテキストに目を通しますが、なかなか難しいです。


現実には効率よい事が大切です。が、効率良い=音楽的に良いかは疑問です。

それぞれの人の大きな目的を尊重しつつ、何を犠牲にするか・・・

目的がショパンを弾くことなら、ソルフェージュやバッハに重点を置く。
とりあえず曲を弾いて楽しみたいなら、まずはバスティン等は効率が良いです。
クラシックを基礎からやりたいなら、メトードローズ等も良いかもしれません。


先生の資質が問われますネ。(怖~~~っ!)
お友達や仲間の演奏に素直にアドバイスしたりされたり出来ない・・・
発表会等でも、失敗したのに「良かったですよ~」と言われる・・・

素直に言って欲しいのに・・・・

これは人により、考え方が違いますから大変デリケートな問題です。


向上心ある方の中には、批評してほしいと思われる方も多いでしょう。

以下はあくまで私個人の考え方です。



アドバイスや批評は、生徒さんに対してでも大変気を遣います。

生徒さんはアドバイスや批評を求め、お金と時間をかけて習いにいらっしゃいます。
それでも難しいのです。

ましてや友人、仲間といった対等の立場であれば、大変デリケートな問題です。



良かれと思ってアドバイスをしたくなる気持ちはよく解ります。
私も同じでした。

けれど経験上、生徒さん以外に受け入れられた事はほとんどありません。



演奏した方が、問題点がある事にご自分で気づいていない場合
その方が感じている問題点と、実際の問題点がずれている場合

アドバイスされて聞き入れる方は大変少ないです。
この場合、問題なのは音楽力が不足している事です。


きちんと歌えていない、リズムがおかしい、和声を感じてない・・・
これが理解できていないので、問題点に気づかないのです。

こういう方にアドバイスするのは難しいです。
その方の価値観を壊す事もあります。大変危険です。



音楽力があり、自分の問題に気付いている人は、既に色々試して壁に当たっています。
アドバイスがヒントになる事はあるかもしれません。
でも、結局自力でしか解決できないのです。


特に奏法に関する事(これが一番多いですが)
これはもう、何度も何度も弾いて、自分で見つけるしかないのです。


私達が生徒さんに出せるのは、ヒントだけです。
自分で散々苦労して、見つけた奏法を要約し説明するだけです。
それでも生徒さんが理解してくれるまで、数年かかります。


それゆえ、アマチュアの方同士では批評、アドバイスは基本、無理なのです。
批評やアドバイスする側が、そこまで弾き込んでいない事がほとんどです。

奏法に関する事は、散々自分で弾き込まないとわからない事が多いのです。



アマチュアの方は、そこで演奏するまでに至った道のりがあります。
大変な苦労があったかもしれません。

やっとピアノが買えた、ほんの少し時間ができた・・・

そういう方に対する批判やアドバイスは、責任を伴います。



沢山沢山弾き込んで悩まないと、わからない事が多いのです。


良い点を見つけて、素直に感想を述べる事が一番良いと思います。
それはお世辞ではなく事実です。きちんと評価して讃えたいです。


発表会等を楽しく盛り立て、皆さんにも音楽を長く楽しく続けて頂きたいと思います。

アドバイスする方も求める方も、その事をご理解して頂ければと思います。


その上で、お互いに素直に言える様になれたら、それは最高です。
でも、それには時間をかけて、信頼を築かないと・・・


そしてアドバイスをするという事は、責任を伴うという事を常に忘れずに。


何事もあせらずゆっくり、どうぞ良い方向に向かいますように(*^_^*)