八王子高尾 ピアノ教師 の日記 -4ページ目

八王子高尾 ピアノ教師 の日記

桐朋学園大学ピアノ科卒業後個人でピアノを指導しつつ演奏活動を続けております。八王子市高尾駅より徒歩5分です。
皆様と音楽やピアノについて、交流ができれば幸いです。ピアノについてのご質問等も是非お寄せ下さい。
oyuki42koba☆yahoo.co.jp ☆を@にかえて下さい。

ピアノを弾く目的は様々ですが、今回は、「凄い!」と言われたいとか、コンペで優勝したいという方向けのお話でなく、この曲大好きだから弾きたいとか、心に残る演奏がしたいとか、そういう方へのお話です。

・・・・・・・

 

弾きたい曲、今弾いている曲をyoutube等で視聴される方は多いと思います。

 

この時、自信がないから、私はこの程度だから、という理由で一般の方や子供さんの音源を聴く方がいらっしゃいます。

 

一般の方にも素晴らしい演奏はありますが個別に分らないので、まず世界一流の名演奏家の演奏を聴いて頂きたいです。

 

「それ、私には別世界、大体そんなに速く弾けない~~」(注釈)

と思うのはよく解ります。

 

(注釈)

テンポは解りやすいのですぐマネしてしまいますが、無理はやめましょう。

他の細かい事をよ~く聴きとって下さい。

(プロの演奏は私達の想像以上に緻密で、練習を積んで作り上げられてます)

 

なんてエネルギッシュなんだろう?とか

なんて透明な音なんだろう?とか

リズム、生き生きしてて凄い!とか

真珠が転がる様なスケール、美しい~!とか

よく解らないけど、とにかく素敵!とか etc.

 

感じた事をしっかり心に刻んで、常に憧れたり気にかけておいて下さい。

 

大事なのは、手の届くレベルではなく、

手の届かない高いレベルを想い続ける事、

です。

 

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ピアノ演奏には、単なる指やペダル足の動きのみならず、脳、神経、身体能力、五感等々様々な要素が複雑に絡んでいます。

身体も脳も全て複雑につながっていますから、指1本動かすのにも全身が絡んでいます。

 

レッスンであれこれ注意される事があります。

なぜそれを注意されるのか、理解できるまで時間かかります。

 

特に些細な事、うっかりよくやるけど注意すれば治せる事をうるさく何度も言う時は、それがとても大事だからですが、その重要性を生徒さんが理解できるまで時間がかかる訳です。

 

例)私は初心者の方が長い音符を数える時に、首や体を上下に降って数える事をうるさく注意しますが、「なぜそんな事をいちいち?」と思う方多い様です。

少し経って実感出来ると、以後真剣に気をつけて下さいます。
 

何事も人はその時点での知識と経験でしか、物事を理解できません。

少し経ってから初めて「あ~そういう事?」と解る事も多いのです。

 

自分はこの程度だから、同じか少し上の人のレベルの演奏を参考にしよう!

これだと手の届くところから抜けられません。

 

例えば

「うわぁ、なんて輝かしくて軽やかで、同じ曲と思えない~!」

という一流の演奏に接すると、「私の音は重い~、暗い~、ダサイ~」

と凹みます。

 

一流の演奏家は、子供の頃から全て犠牲にして練習した訳ですから私達と違って当たり前です。
その別世界の様な演奏、その素晴らしさを心のどこかに留めておいて欲しいのです。

 

どうすればあんな風に弾けるのだろう!と考え始め、今迄の演奏に満足できなくなります。

「椅子の高さは?」とか「手首の動きは?」とか「何が違うんだろう」とか、貧欲にヒントを求め、アンテナを張り巡らせます。

 

その後様々な事を教わったり経験するにつれ、アンテナに引っかかる事が増え、何かのきっかけでそれが一気に結びつく事がよくあります

 

自分の想像を超えた何かが初めてイメージでき、今迄の枠を超えて大きく変わったり、ぐん!と伸びたり、殻を破る時が来ます。

物事の順序は1→2→3・・・だけでなく

1やら2やら3やらがいっきに結びつき、いきなりボン!と飛躍する事もあるのです。

 

現時点の自分に手の届きそうな事しか求めないと、何か降ってきてもアンテナがないので掴まえる事ができず1→2→3で終わってしまいます。

その様な事が多いのです。

 

・・・・・・・

 

ショパンエチュードop.25-1 「エオリアン・ハープ」

 

今迄何人もの方にこの曲レッスンしました。

 

最後のアルペジオ本当に美しいのですが、ガタガタしてしまう方が多いです。大変難しいです。

ガタガタでは残念なので、アルペジオの弾き方を説明すると、色々な反応があります。

 

①「ゆっくり弾いて」と言っても、ガタガタでもとにかく速く弾こうとする方。

 

その人が目指すのは美しさでなく速度。

ショパンの音楽とは大きく違いますから、弾きにくいままですし、聴く人も違和感を持つでしょう。

目的はご本人の自由ですが、私は聴くのが苦痛です。

 

②面倒臭そうな顔をして、なおす気が全くない方

③「私が習った弾き方と違う」と迷惑そうな顔をする方

 

ガタガタで良いならその人にとってなおす必要ありません。

注意を聞き流したり拒否する方は変わる事がまずないので、現時点から大きく飛躍する事は期待できず、今のレベルが続きます。

 

④「解らないけど、やってみます~」と素直な方

受け入れてくれる気持ちがある方は、今まだ理解出来てなくても、飛躍できる可能性が大きいです。

 

そして5人に1人位でしょうか?

⑤「そう、そういう音が欲しかった~!」

目を輝かせて一生懸命なおそうとされる方がいらっしゃいます。

ずっと思い通りに弾けなくて、「違う、違う!」と悩んでヒントに飢えていたのでしょうね。

 

同じ内容のレッスンでも、その後が大きく違ってきます。

 

・・・・・・・・・

 

別世界の演奏に触れた時、それが簡単にはとても出来ない事を痛感します。

 

大人は思う様に練習できません。

再開したり初めてピアノ習う方が一流のプロの別世界の演奏に至る事はまず難しいでしょう。

 

望んでも成さぬ事があるという現実を受け入れ、焦らず、自分に無理なく出来る事を気長に続ける事が大事です。

 

叶わぬ別世界の演奏を心のどこかにおいて、出来る事から1つずつ近づこうとする方。

その様な方は突然、驚くほど進歩する事が何度かあり、こちらが驚く程です。

 

逆に焦る人はよく挫折します。

張り切るのは良いのですが、複雑過ぎる曲に次々手を出したり、防音や楽器に一気にお金をかけたり・・・・

結局弾かなくなったり、趣味のピアノで苦しくなってしまったり、その様な方が多いです。

 

高い理想を持ち、気長に出来る事を継続する事・・・一番難しい事かもしれませんね。

26日、日曜日に小さなコンサートを開催させて頂きました。

使用する楽器はショパンが愛用したのと同型の、1848年製作のフォルテ・ピアノ「プレイエル」

ショパン自身が「体調の良い時はプレイエルを弾き、そうでない時はエラールを弾く」と言った様に、弾き手の僅かなタッチの違いをまともに反映してしまう為、大変神経を消耗する、手強く気まぐれな女神様の様な楽器です。

 

鍵盤が現代ピアノと比べ遥かに浅く軽い為「うっかり」音が出やすく、すると女神様は「ガツン!」と何とも凄い音で拒否してきます。

 

もう一点、白鍵の幅が少々狭く、日頃現代ピアノで練習している者にとっては、長く速いスケールやアルペジオのオーバーラン、跳躍が怖いです。

この楽器は底板で混ざりあった音を巧みに分離する構造で、各音域が優しく浮き立ちます。
ショパンの複雑な対位法的作風とこの楽器との関連性という点から晩年の作品を主に選びました。

 

ソナタ 3  op.58

ノクターン 17 op.62-1

ノクターン 18 op.62-2

スケルツォ 4 op.54

 

解説では、特にショパンがベートーヴェンを意識していた一面について、各曲に沿いながら説明して下さいました。

 

ソナタでは、ベートーヴェンの様に主題を分割し展開するのでなく、息の長い主題を変容させて対比させるショパンの手法

消えたと思われる再現部の第一主題がフィナーレのコーダで現れるという壮大な構想について

 

ノクターンでは、息の長い主題の変容、ベートーヴェンが初めて用いたトリルが奏する主題について

 

スケルツォでは、ベートーヴェンのソナタの中の1つの楽章で使われたスケルツォをショパンが独立させ本来の軽妙さでなく重厚な作品にさせた後、再び本来の軽妙なスケルツォに回帰した4番

 

ショパンがベートーヴェンを意識し、独自の手法で融合させた事等を例をあげて詳しく説明して下さいました。

 

 

作曲家はどういう手法で自分の言葉を語ろうとしているのか?

答えが出なかったとしても時に楽譜から想像して頂ければと思います。

 

 

ピアノ作品はショパンの主要ジャンルですが、常に「歌う」という事を弟子に言っていたそうです。

優れたオペラ歌手の歌を聴きなさい
ピアノ弾きたいなら歌わねばならない(歌のレッスンを受けさせた)
指を使って歌う様に

手首の動きは声楽の呼吸法である

これらの言葉が弟子の証言にあります。

 

手に不自然で非音楽的な反復練習で各指を均等にするという当時多かった指導法(現代でも多いですね)でなく・・・
各指の不均等を生かし、手首の開放、音楽に沿った運指で、音楽に沿って必要な技術を音楽と共に習得していくというやり方。


この自然な手の使い方を独自に編み出したショパンの奏法、音の数の少ない曲から是非経験して頂ければと思います。

ショパンのピアニズムは手には優しいけれど音楽は難しい。

打楽器のピアノでとことん歌わなければならないから。

ピアノを弾く時には、可能であれば声を出して歌って下さい。

音がはずれても下手でも構わない、実際に声を出す事。
弾きながら歌えないという方は、弾かなくていいからまず歌ってみて下

さい。
片手ずつ、一声ずつ、まずは声を出そうとしてみて下さい。
歌うというのは、専門教育でも大変重要視する大事な点です。
(ソルフェージュ)

 

確認してみて下さいね。
歌う時にはしないはずの、肩や肘や手首の不自然な動きはないですか?

大きく跳躍する時に、そんなにすぐ次の音が声で出せますか?

その身体の使い方で歌えますか?

 

先生がレッスンで隣で歌ってくれると弾きやすい、という経験があると思います。それは先生の歌につられて一緒に呼吸するからなのですね。

何より、アンチエイジング、リフトアップ!!!(*^^*)

当日は大変な暑さで、お忙しい中ご来場頂いた方々に心から御礼申し上げます。
大変遠くからお越し下さった方々もいらして、本当にありがとうございました。

 

貴重なお時間と手間をかけて下さった事に感謝し、1つでも何か応えられる様に今後も模索していきたいと思います。

 

こんなに立派なお花も頂きました。ありがとうございました。


 

ショパンのレッスン料は1時間2万円位だったそうで・・・

私のレッスン料はそれよりずっと安いですが、今ショパンが生きていたら、失業~~~

 

何より私が、う、う、う、う、う、う、受けたいぞぉ~~~~!!!

 

成長期の子供がインヴェンションを学ぶ場合、多声脳を作るという目的も実はあります。

私達は仲間内でよく「多声ネイティヴ」という言葉を使います。

成長期にトレーニングを重ね、その結果、同時に複数の声を頭の中で歌い分ける事が出来る人の事です
 

こういう人は、例えば2連、3連を同時に弾く時もあまり苦労しません。
1人は2連、もう1人が3連と、別の人間を自分1人の中で歌わせる事が出来るのです。

よく解りませんが、傾向として・・・・

①子供の頃から高校生位までピアノを続けていた事

②成長期にバッハ等をよく弾いたり、又はソルフェージュのレッスンを子供の頃から15歳位まで受けている事

等が見られます。
 

その時期にトレーニングを受けていると、多声脳が作られるのかな?という程度。
何となく見ていて感じる程度の事です。

バッハを弾くには多声脳があると楽ですが、なくてもそれを補う別のやり方で、きちんと弾けます。
心配ありません。

 



2声のインヴェンション、3声のシンフォニア

これらの教材は、バッハが当時9~10歳の息子、フリードマンの教育用に作ったものです。

つまり

歴史に残る大バッハがバリバリの頃

大バッハが父というバリバリ音楽エリート一家の中で生まれ育った、

バリバリ成長期真っ盛り!



の為の教材なのです。

そういうバリバリした環境にいない私達。

特に大人の方で然るべき時期にピアノを習っていない方は、子供と同じやり方ではうまくいきません。

大人ならではのやり方で、多声の曲を練習していくと良いと思います。

注意事項

 

厳しい先生の中には「各声部をきちんと歌って」と仰る方もいらっしゃいますし、本来それが正しいです。

只先生はほとんどが多声ネイティヴで、習う方の大人の方は忙しくて練習時間が取れません。

それで行き詰まり感が生まれる位なら、というアンチョコです。

そこのところ、うまくやって下さいね(*^^*)

 

インヴェンションで話を進めます。


まず、各声を1声ずつ、丁寧に歌うつもりで弾きます。

短い時間で良いので、片手ずつ弾いておいて下さい。

1声ずつを、できるだけ美しくきちんと歌う事。

両手を合わせた時は2声一度には歌えなくて良いです。
各声部を先に認識しておく事が必要です。

それから少しずつ合わせに入りますが、出来れば1小節、長くても2小節に区切ると楽です。
1小節ずつがお勧め(*^^*)

無理に長く通して弾こうとすると、つっかえ過ぎたり、拍子が大きく崩れ、頭が混乱してしまいます。

頭の整理が大変重要なのです。



合わせる時は、人の耳に優先的に聴こえる方をきちんと歌い、反対の手をそちらに合わせると良いです。

人の耳に優先的に聴こえる方(口ずさみたくなる方ですね)そちらをきちんと整えて弾きます。



コンクールとかは別ですが、聴手の多くも多声ネイティヴでない為、片方しか聴いてない事が多いのです(笑)

その時に、「あ、この人、多声弾き分けてる!」と思わせるツボがあります。

そこをきちんと押さえましょう。



そのツボの例を1つ、1番を例に挙げてみましょう。

冒頭部分、右手のテーマがよく聴こえます。


この時テーマは裏拍から入るので、気をつけて入って下さい。テーマだから、ドン!と行かない事。

(休符)ドレミ ファレミド、冒頭の休符をしっかり感じて下さい。

弾き始めたら、右手が優先的に聴こえます。


そこに3拍目から、左手でテーマの最初の部分だけ入りますが、こちらも裏拍なので静かに入ります。(矢印のところ)

その時、右手のそれぞれ3拍目の、ソ、レの音を突き破って入らない様に。

右手のメロディが聴手の耳からブチ切れて消えてしまいます。

 

右手メロディを聴かせましょう。

ずっと2声を意識するのは大変困難です。まず入る時を気をつけましょう。
あとは、それをぶち破らなければ、聴手はそれがずっと続いていると思って聴いてくれます。


 

 

同じく7小節目~10小節目は左手を優先に歌うので、こちらを整えます。

とはいえ、テーマだからといってもやはり裏拍からなので、こちらも気をつけてスッと入って下さい。

下の段、右手の合いの手は、入る時静かに入ると、それだけで多声感アップします。

矢印のところ

 

(出来ればフレーズの終わりを丁寧に弾いてくれると、更に多声度がアップ)
ていねいに、と書いてあるところです(笑)

 

 

15~18小節目、ここは多声感アップの大チャンス

特に3拍目から入る左のテーマの断片は、右手の2分音符の音を突き破らない様に。

同じく矢印のところ。

 

長い音は重くしっかり弾きますので、それが途中でブチ切れると違和感が生じます。
特に高い音は聴手によく聴こえてしまうので、伸びている音を消してしまわない様に。

 

まとめま~す(*^^*)

曲を通じて2声を同時に歌わせるのは大変困難なので、まずポイントを押さえましょう。

特に裏拍から入るテーマは、入る時だけ一瞬で良いのでもう1つの声を気にかける事。

特に高音がブチ切れると目立つので、左手が入る時に高音を意識する事
(高い音が伸びてる時は、それを突き破らず入るのがポイント)

フレーズの終わりをできるだけ丁寧に弾くこと

フレーズが入る時と終わる時、を押さえると良いです。
途中は少しずつ(*^^*)


実は普段からよく注意してる事。

裏拍から入る時は気をつけて!

スラーの終わりは必ず丁寧に!

という事が、多声感アップにも大事なのです。

でも徹底するのは難しい(汗)


出来ないところは仕方ないので、出来るところから必ず気をつけましょう。
その継続で、出来ないところも少しずつ出来る様になります(*^^*)


くれぐれも、相手は

 

バリバリ」エリート用の教材!

焦らず、じっくり、ポイントを押さえていきましょうね(*^^*)v