守って欲しい事の一つに、音の長さ(=重さ)があります。
もちろん、最初からきちんと習慣にしてほしいのですが現実は難しいですよね。
子供さんは特に、その当たり最初はいい加減だったりします(笑)
とはいえ最初から細かい事言い過ぎて、萎縮させるのも良くないです。
なので、「ここだけは!」と決めポイントだけこだわってもらいます。
それを重ねるうち、自分でも気づいて守ろうとする様になり、身に付いてくる様です。
作曲家は音価(音の長さと重さ)を用いて、何かを表現しています。
1つ例を見てみましょうね。
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例えば、インヴェンション3番
この曲は8分の3拍子、1小節1拍、1とと、と数えます。
3段目の2小節目、右手1拍目の4分音符

ここは最初の大きな区切り、A-Dur(イ長調)に転調して終わるところです。
何調に転調した!という事をはっきり聴かせたい為、しっかり終わった感がほしいところです。
4分音符はかかとをきちんとおろすニュアンスがあります。
又終わっているのは1拍目、指揮棒が降りるところ
つまりこの右手は、きちんと納得して地に足がついて終わるフレーズになります。
A-Dur(イ長調)に転調した事を、その主音、ラでしっかり終わる事で示しています。
この右手の4分音符は適当にプツ、とか、ふわ、とか切らないで下さい。
長さをしっかり守り、地に足をおろし、安定した「はい!(納得)」のニュアンスが必要です。
同じく3段目の4小節目左手 そして3段目最後の小節右手

ここは8分音符で次が休符。8分音符は爪先でかかとが地につかないニュアンス。
そして終わっているところは、1とと、のと、つまり裏拍になります。
又ここは次々転調して、調性がうつろう所。
ここはかかとがきちんと降りず、ふわり、というニュアンス。
ドスンと弾いたり(爪先立ちですよ)、適当に伸ばしたりしないで下さい。
ふわっと「何?(緊張)」のニュアンスになります。
そして、一番下の段の3小節目。先程移ろった調が、h-mallロ短調に落ち着くところ。
ここも左手が1拍目できちんと4分音符で地に足がつき、音階の最初の音できちんと調性を示しています。
ここの左手もしっかり「はい!」と終わるニュアンス。
この様に、調性が落ち着く大きな区切りのところで、かかとを下ろしてきちんと終わっています。
音符の長さに由来する性質、拍、調性、が関連して、ニュアンスが表現されています。
これらがチグハグになると、例えミスタッチがなく音がきちんと当たっていても、違和感のある演奏になります。
はい!のニュアンスで、何~?とか
何?のニュアンスで、はいっ!とか
会話に例えると解りやすいですが奇妙ですよね。
音の長さと重さ(音価)をきちんと守る事、
それがどんな表現の為に使われているのか、考えてみて下さい。
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インヴェンションは大変難しく、左右を合わせる事に追われます。
両手になったらそれどころでない!、となります。それで構いません。
だからこそ必ず片手でも練習して、その時は徹底して気をつけて下さい。
まず出来る時に必ず気をつける事が大切です。
あの人のピアノは音楽的ね~、という演奏に出会うと、天性の音楽性に恵まれている人と考えがちになります。
その様な演奏は、実は必ず音楽として筋が通っています。
それは、例えばこの様に「音価を守る事を徹底する!」という様な地道な作業の積み重ね。
今の段階では、凄く集中して気をつけないと、すぐ忘れてしまうかもしれません。
何かが無意識に出来る様になるまでには、何度も忘れては思い出す事が必要です。
「あ~、又忘れてもた~~」![]()
=「1回忘れる事をクリア~!」![]()
と考えて下さいね(*^^*)
週末はご招待頂き少し遠出して合同レッスンさせて頂きました。
最近は遠出もしてなかった事もあり、とっても楽しかったです(*^^*)
参加者の皆様のピアノ歴は様々ですが、レベルが大変高く、正直驚きました。
・大人からピアノを始めてピアノ歴長くないのに、インヴェンションやショパンのワルツ等を演奏会レベルまで見事に仕上げる方達
・成人してからレッスン始めたのに、モーツァルトを見事に演奏された方
・・・・ピアノ歴詐称疑惑が浮上してますゾww
怪我とご家庭の事情で練習出来なかった方も、ご多忙中、遠方から来て主催して下さいました。
お陰で運指の選び方、弾き方を皆さんにもお伝えできました。
又どうしても練習出来ない時は、こんな方法でも続けられますよ~という事もお伝え出来ました。ありがとうございました。
又再開された方達の、美しいメンデルスゾーン、エステン、シンフォニア、ショパンエチュードやモーツァルトの2台ソナタ等の次々見事なご演奏
・・・音大卒隠蔽疑惑が浮上してますゾww
疑惑は冗談ですが(笑)それ程に素晴らしいご演奏を沢山聴かせて頂きました。
貴重な経験をさせて頂きました。
又わざわざお迎えに来て下さったり、お食事の手配もして下さったり。
皆様、色々細かい点までご配慮ありがとうございました。
残り時間がひと目でわかるあの時計は本当助かりました~\(^o^)/
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度々書いてきましたが、戦争中にドイツ式の音楽教育が主に入ってしまった事もあり、それに+日本の高温多湿の気候が加わり、ピアノの弾き方が、特有に歪んで伝わった影響は大きいと思います。
大きな音、という事に対するこだわりもその1つですが、体重をのせて大きな音を無理に出そうとすると、その後が動けなくなり、大変弾きにくくなります。
又指を振り下ろしてしっかり音出して・・・から始まり、1音ずつはっきり基礎練習して、という事を必要以上に沢山させてしまった時代もありました。(昭和)
すると音楽から離れてしまい、違った筋肉や神経を使う様になります。
実際曲を弾く時に、音楽と身体の使い方が不一致なので弾きにくい訳です。
で、弾けないとますます練習足りない!となり、必死で指を動かしてきた方もいらっしゃいます。
皆様方の先生の時代がそうだった事もあり、ところどころ、かすかにやはりその練習法の影響は残っています。
良い面としては、とにかくよく指が正確に動く事に驚きます。
反面、手の甲が自然と動いてしまったり、手が不必要に鍵盤から離れてしまう傾向が割と多く見られ、結果としてフォルテが割れてしまったり、軽やかな表現が苦手な方が多いです
物事には両面あるので、少しずつ悪い影響を直していければと思います。
ご自分が選んで弾く曲が、どんな曲なのか?好きな曲なら興味もあると思います。
作曲家はどう弾いてほしかったのだろうか?
意外と楽譜に書いてあります。私達が見落としてしまうのです(笑)
それが見えてくると、作曲家の執念深さに時に慄然とします。
どう歌ってほしいかも全部楽譜に書いてあります(笑)
音楽性はセンスでなく、楽譜の読解力、音楽の基礎力を上げる事で磨かれます。
常にその事を考えて、音楽と自分の感覚を一致させていく事が大事です。
楽譜をきちんと読み解く。
大切ですが難しいです。でも楽しいですよ(*^^*)
なぜなら、楽譜は作曲家のラブレターですから(笑)
モーツァルトの作品・・・
休符の前が8分音符なら、ふわっ、とか、あら?とか、す~っ、とか、そんな雰囲気になりますよ。
はい!と納得する終わり方ではないですよ~
というお話を致しました。
インヴェンションでは・・・
同じ長いトリルでも、こちらは長調でトリルが全音だから伸び伸び、
こちらは調性感が薄く移ろいやすく、そしてトリルが半音だから不快で緊張するところですよ~、顔しかめて弾いて~
というお話をしました。
こういう説明がなくても、自然にそんな感覚になる訳で、作曲家は私達の想像以上に、音符の長さ、和音、拍子、様々な事を考えて、想起して欲しい感情を示してくれてます。
音符は文字です。一つ一つにとらわれず、意味をなした文章としてまとまりを読み取り、そこに自分の感情や感覚を重ねていく訳です。
どんな言葉を選んでるか、どんなふうに韻を踏んでいるか、そこから自分が何を感じるか。
それに沿って練習して下さると、音楽と身体の使い方が一致してきます。
その音楽を聴きながらどんな表情になるか?
それにより使う身体の筋肉が違ってきます。
どう動きたくなるか?
指揮者のマネをしてみるといいですよ(*^^*)
革命のフォルテシモの時に、ご演奏が素晴らしかったので、山の頂きに立った悪魔の様に私が手のひらを上に向けてヒラヒラ動かしていいたのをご覧になったと思います。
つまりあのフォルテシモの和音、特に右手は弦を最大に響かせたいところ、上から打ち付ける様なフォルテシモではないのです。
当日弾いて下さった方が豊かなフォルテシモで弾いて下さったので、思わずノッてしまいました(わはは)
そんな風に身体を使ってみて、表現を考えてみて下さい。
音楽から離れない事、
不用意でなく、きちんとイメージして音を出す習慣をつける事
楽譜が伝えようとしている事を読み取ろうとする事
そして自分が感じた事を伝える為に、技術を妥協しない事。
どうすればこんな音が出るのだろうか?
先生が教えてくれますし、ご自身でも考えて下さればと思います。
そこを妥協しないで気長に諦めず求める事で、昔の悪い影響も少しずつ改善してきます。
難しいですし、お気持ち解りますが、お忙しい時は特に焦らずに、気長にのんびり考えて下さい。焦って必死で無意味な反復をしない様に。
一緒に譜読みも手伝いますよ~(*^^*)
常に音楽と共にあります様に
そして音楽で、忙しい日々の生活が少しでも心豊かになります様に(*^^*)
