「누워서 떡 먹기(ヌウォソ トン モッキ)」ということわざがあります。
いつも私のブログを読んでくださっている方は、きっとまたあの話題だなと思われるかもしれません。くどいのは承知のうえですが、よろしければもう少しおつき合いくださいませ(^^;
「누워서 떡 먹기」は「朝飯前」と訳されますが、
눕다(ヌプタ 横たわる、寝る)
-어서(オソ ~して)
떡(トク 餅)
먹기(モッキ 食べること)
ですから、直訳すると「横たわって餅を食べること」になります。
この表現を始めて知った時から、なぜ「누워서 떡 먹기」が「朝飯前=たやすいこと」なのかが不思議でたまりませんでした。
横になってお餅を食べる姿をイメージすると、お餅がのどに詰まって苦しそうだとしか思えなかったからでした。
hana vol.09で、イム・チュヒさんから読者へ「なぜ누워서 떡 먹기がたやすいことなのでしょうか」という質問が投げかけられました。
正解は次号へと持ち越しになりましたが、私ももう一度考えてみました。
そして、横たわって떡を食べることが難しいのか簡単なのかという問題ではなく、他事をする必要もなく横になって떡を食べていればよいという状況が楽だという意味なのではないかという新たな考えに落ち着きました。
あれから2か月、待ちに待ったhana vol.10です。
イム・チュヒさんによると、朝鮮時代のころ떡(トク 餅)は高価な食べ物であり、農作業のため横になる時間もないくらい忙しい生活をしている庶民にとっては떡を食べたり横になって休んだりすることは切実(な願い?)だったため、このような表現が生まれたという説があるということでした。
「누워서 떡 먹기」の由来が、朝鮮時代の庶民の生活と関わりがあるなどとは考えてもみませんでした。昔は떡が高価な食べ物だったということも初めて知りました。
朝鮮時代の庶民たちにとっては横になって떡を食べるというのは至福の時、願っても実現することのない夢のような話だったのかも知れません。
そして庶民のあこがれだったからこそ、季節や行事ごとに自然の恵みと一体となった美しい떡を家族みんなで作り、ご先祖様にもお供えするという風習が大切にされているのかも知れないと思いました。
実際にはいろいろな由来があり、これだけが正解だということはないとつけ加えられていました。
言葉は人々の生活の中から生まれてきているのですから、それも当然だし、だからおもしろいのだと思います。
朝鮮時代までは考えが及びませんでしたが、私の予想は当たらずといえども遠からずというところでしょうか? 2か月越しの…というより長年の疑問がやっと解決してすっきりです。