楕円球空間 -49ページ目

準決勝

早稲田と明治が予選リーグで消える、という展開となった今年の大学選手権。

どちらも準決勝進出を予想していた本紙としては大ハズレだったわけだが、外した原因は恐らく明治の下降線を正しく評価できなかった点か、と。早稲田圧勝の理由を藤田の復帰とチーム力のアップ、と読んだわけだが、どうやら明治が下降線だっただけみたい・・。細かく見れば早稲田は同志社と立命館に共に苦戦、接戦しての2勝だったので、実はチーム力に大きな改善はなかったわけだ。明治は故障者が復帰した筑波に完敗し、これが真の実力?でも帝京にそこそこ善戦したのをどう理解すれば・・・?

ともかく東海ー筑波、帝京ー慶應となった準決勝。共に試合内容と結果に相関のない不思議な試合だった。東海は99%勝ち、のはずが・・・。これは精神力の問題?筑波が射程距離内でなんとか粘り腰でついていって最後の一発でひっくり返す、という昔の早稲田のような精神性の高い試合運びで感服した。帝京は出だしにスクラムで圧倒されたのはご愛嬌?慶應は、これも高い精神力で臨んで感銘を受けたわけだが、主将を脳震盪で失ったのは不運だった。後半のトライが認定されなかった不運もあったがビデオリプレイがない試合では(レフリーはミスもするものだが判定は絶対、というラグビーの特質から言っても)これはやむを得ないか。あそこでトライになっても結果は変わらなかったように思う。余談だが、イギリスの昔話(オックスフォードとケンブリッジの定期戦でトライが認められなかった選手が卒業後第1次大戦に招集されフランスで戦死した際、最後の言葉が「あれはトライだった」というものだった、というあれ)を思い出した。帝京は数年前から見違えるような水際立ったバックスの展開力で、少し前の早稲田のようなテンポ・リズムの良さ、鮮やかなオープン攻撃を見せた。岩出さんのインタビューが前から少し変質したように思い、将来的にちょっと不安・・・。

ともかく決勝の帝京ー筑波。帝京有利は揺るがないだろうが、同系統のチームである東海よりはタイプの違う、そしてFWで不利なのは織り込み済みでそこからの展開力と切り返しの集中力に活路を見出すタイプの筑波のほうが大番狂わせの可能性はある、と見る。まぁ期待値込み、だけど。ともかく名勝負を期待する。

Neujahrskonzert 2015

所用で不在だったので録画して視聴。

ウィーンフィルとしてはまぁ平常公演、というレベルかな。去年のバレンボイムが酷すぎたんだが(オケも音が湿っていてやる気あるの?という出来)、今年は音が明るくカラッとしていた点はよかった。細かいアンサンブルの精度とかは、まぁメータが「だいたい」の指揮者なので80%くらいでオーケー!という演奏だったが・・・。

来年はヤンソンスだそうなので、これは期待。

Books of the year 2014

前の記事で書いたように音楽的には不毛な一年だったので、"Music (CD) of the year"は今年はなし。ということでBooksのみ。

今年の総括をすると以下の通り。

・東山魁夷との出会い
「馬車よゆっくり走れ」「白夜の旅」は秀逸だった。この2冊と出会うきっかけになった「東山魁夷と旅するドイツ・オーストリア」に感謝。

・「HHhH」
ローラン・ビネのこの本は近年最高の作品。しばらくして再読するのが今から楽しみだ。

・パトリック・モディアノとの出会い
ノーベル文学賞受賞者のモディアノ。静かで、しかしどこかにザワザワした喪失感があり、味わい深い。「パリの尋ね人」は「HHhH」に匹敵する名著、2冊めの「暗いブティック通り」もこの先どうなるんだろう?という期待感と不安感があふれている。

ということで今年は名著に出会えた豊潤な一年だった。来年はもう少し時間もとれそうなのでもっと本を読みたい。本棚の未読の欄にはまだ数冊残っている。この状態が楽しいね。

2014年総括

もうすぐ終了する2014年。

今年は学務で忙しく研究とのバランスが難しかったが、振り返ればいい成果も複数出ていい年だった。研究室のほうも、まぁ問題もいくつかあるし学生も期待したほどではない(苦笑、でも贅沢だね)にしても、楽しく皆で過ごせた1年だったか、と。

学務の関係で今年は1月のメス(フランス)と3月のデンバー(エライ目にあった)、11月のホノルルしか海外出張がなかった。ということで演奏会やオペラも海外ではなし。来年は3月のドイツ、6月のドイツとイギリス、7月にスペインとポーランド、8月のアメリカ(サンディエゴ)に加えて5月か3月にパリ、7月に香港があるかも、ということで結構あちこち行く年になりそう。

研究室の来年の目標としてはやっぱりPRLとかNature◯◯とかに通せるようにしたい。今年はNano Letter、去年はPRLということで順調といえば順調なんだが、海外進出を視野に入れてさらに世界一をめざしたい。あとはPDの人がいいポストを取れて、准教授の人がいいところに出られれば文句なし。

ということで来年も頑張る。

魂の限界?

簡単な方法で何百回もできたのであれば、細かい条件を検討しなくても魂の限界までやらなくてもできるんじゃないの、と素朴に思う。

このコメントに捏造(という言葉が不適切なら根本的に間違った報告をした)ということが如実に見えるね。

「1941年、パリの尋ね人」

現代は"Dora Bruder"。

物理学賞はどうでもいいノーベル賞のうち、文学賞を受賞したパトリック・モディアノの本。ちなみに小説ではなく、Dora Bruderというユダヤ人の少女が失踪した後で出た新聞の尋ね人の記事を見た著者が驚異的な(いい意味での)執拗さで少女と、彼女の家族がアウシュビッツに送られた経緯を調査し、さらにその過程に現れれる様々な人々、また自分の父親などが戦時中にいかに時間的・空間的にDoraと交錯したかを丹念に明らかにした調査結果、というべき本。

「HHhH」に圧倒されたわけだが、それを上回るような傑作に出会った。静謐で、饒舌とは対極にある筆致ながら、文章から立ち上る迫力は凄まじい。戦時中にナチに協力した者が多くいる、という過去に正面から向き合うことを強く要求する作品を発し続けた著者でしか書けない本。戦勝国のフランスですらそうであるのに、過去に蓋をして無かったかのようにし続けるこの国とのあまりの格差に呆然とする、総選挙の、そして日本の自滅・破滅の前日である。

大学選手権予想

かつては予想のしがいのあるトーナメント方式だったが、リーグ戦方式になったので1位抜けの予想は非常に簡単になった。

要するに対抗戦の4位まで、ひょっとすると慶應の代わりに流通経済になる可能性が30%くらい?(1位抜けしたシードの勝ち点3はデカイ。が慶應が直接対決で勝ってしまえばそれでチャラ。)1つ1つリーグ戦の順位を予想してもいいけど意味あるのかな・・・。

帝京は2本目を出しても予選は抜けそうだ・・・。

2試合ほど

先週土曜日は同志社vs立命館、日曜は早稲田vs明治をTV観戦。

関西リーグは今年も悲しい結末を迎えそうで、それを裏打ちするかのようなお寒い試合内容だったのが同志社vs立命館。立ち上がり同志社がポンポンと点を取って、これは大差かと思ったら、SHが型通りにボールを処理するお陰で立命のDFに徐々にひっかかりはじめ、すっかり接戦に。全体にペースもゆったりとしたチーム同士が、特段の緊張感もなく試合している印象。すっかりダレて早送りで見てしまった。

早明戦は明治有利と見たが、不安だったのが早稲田FB藤田の復帰。思う存分走られて混乱させられてバタバタと点を取られると嫌だな、と思っていたらこれが的中。更に明治のディフェンスは思った以上にタックルが高く、疲れてくると早稲田を止められない・・・・。よくこれで帝京戦は6-31で済んだな、という印象。逆になんで11-55だったのか、と思うのが早稲田で、慶應戦よりもずっとよかった。やはり藤田効果か。1人スーパースターがいるとそこに意識が集中するので他の選手へのマークが分散して好循環になるのかな。

ということで、それでもまだ帝京のほうがずっと強そうだが、食い下がれる下地は早稲田に出来たかな、と。ただFWの安定が絶対条件だし、1人1人の守備の圧力は明治とは比較にならないので少しづつ前に出られない分藤田を活かせなくなる(要は去年と同じ)、という懸念は拭えない。

「白夜の旅」

東山魁夷著。

「馬車よゆっくり走れ」があまりに素晴らしかったので、ネット古書店で購入して読了。「馬車よ・・」のほうが実際に自分が行って住んだ国を題材にしているので感情移入しやすいのと、東山魁夷自身もドイツに住んだ人なので著者自身の思い入れも深いようで、作品としては「馬車よ・・」のほうがよいと思ったが、それでも流石一流画家だけあって、風景の繊細な描写はさすがで、さらにやはり上品な詩情が織り込まれた佳作、と感じた。

まだまだエッセイは多いようなので色々買って読んでみたいところ。同時に今年のノーベル文学賞のモディアノの著作を3冊買ったので冬休みはこれで過ごしたいところでもある。

大学ラグビー雑感

コメントを頂戴したので、ちょっとまとめてみた。

ここ数年、帝京の1人勝ち状態が続いているわけだが、当初は外国人学生効果もあったかもしれないが特にリーグ戦では外国人学生は当たり前なわけで、帝京1人勝ちの背景をそれに帰することはできないであろう。やっぱり監督やコーチのチーム・マネージメントの勝利、という印象。早稲田は栄華を極めたわけだが、どういうわけかメンバーを揃えても勝てなくなり(理由は実は中竹さん解任にある、と見ているが)、明治も吉田さんがなんとか復権を図って持ち直しつつあるがこれも過去の栄光にはまだ遠い(ただ丹羽さんはかなりしっかりやっている印象だ)。慶應はメンバー的に苦しいのだろうが、こちらはいい監督を選べば精神力でなんとかなる部分がある(上田さんしかり、今の和田さんも)。ただ帝京には対抗できないだろう。こうなると不安は帝京と過去の関東学院に強い類似性を感じるので、岩出さんの長期政権になった場合に綻びが出ないか、という点か。怖いのは油断と慢心、という社会全般で当てはまる状況か、と。ただ帝京(岩出さん)は過去に辛い時期があったので、そうそう自壊するとも思えず、相当に帝京黄金時代は長く続く、と見る。

と、早慶明はどこも苦労しているのに、対抗戦の下位は更にレベル低下が著しい印象(そういう意味で対抗戦の上位校が強いのではなく、全体にレベルが下がっている中、帝京だけがレベルを上げている、と見ている。メンバー的には特に高校ジャパンクラスを荒稼ぎしているわけではないのに)。トライ1本取るのに四苦八苦していて、今年で言えば立教と明学は一部で試合をすること自体がかわいそうに思える。100点ゲームが当たり前では・・・。帝京など慶應相手に48-0なわけなので、レギュラーが本気でやればこのクラス相手なら150点以上取れる(200点近く)と思う。やっぱりラグビーの選手層が薄くなっているのかなぁ。これはリーグ戦がどこもドングリの背比べ(東海は少し大きなドングリにも見えるが)、関西はどこも集中力と精神力に欠ける状態なのを見ても、上記の見立てはある程度正しいと判断できるのではないか?

日本代表は強くなってきているので、裾野を広げて大学ラグビーを盛り上げてほしい。さらに言えば選手は試合前の指示を忠実に守るだけでなく、その場その場で自分の頭で判断した自主性あるラグビーをやって欲しい。それが魅力に繋がると思うんだなぁ。プレーを数分見て、いかにも出てくる前にコーチに言われたことをそのままやっているのが丸わかり、というチームが多いが、ラグビーってそれだけじゃダメだと思う。そもそも最近大学ラグビーをあまり見なくなったのは、そういう意味で魅力を感じるチームが減ったから、という理由もあるのだ。