楕円球空間 -45ページ目

やりやがった

フランス出張総まとめ vol3

バスティーユでDon Giovanni。

前回のDon GiovanniはStuttgartで1列目ど真ん中。今回も8列目真ん中で、位置取りは最高。2003年にトスカを見たときにも「うまいオケだな」と思ったが、今回はさらに音質が柔らかくなり、これぞモーツァルト!演出は現代演出で、高層オフィスビルでの権力闘争とオフィスラヴ、かな?まぁ音楽が素晴らしいし演奏も素晴らしいので演出はどうでもいいや。

2日後にオペラ座オケの演奏会があったので直前にチケット買ってPhilharmonie du Parisへ。指揮は7月にミュンヘンでアラベラを振っていたP. Jordan。パリオペラの首席なのね。こちらでも人気あるようで、盛大な拍手で迎えられる。曲目はシェーンベルクのオーケストラのための変奏曲(ザ・十二音技法、だけど意外と悪くない曲)とマーラー4番。マーラーは本当に空前絶後の名演で、ダイナミクスレンジの大きさと音の綺麗さが両立してる。でもってオペラ同様柔らかい音質。終演後は1分ほど沈黙して、大いに余韻を味わった。近年まれに見る好演奏会で、シカゴのエロイカ以来の興奮だった。

フランス出張総まとめ vol2

vol2はもちろんおいしいレストラン。

Les Papilles
5区のゲイ・リュサック(化学者です)通りにある。オーナーはタイユバンのパティシエだったらしい。ラグビーファンでフランス代表のサイン入りジャージがかざってある。料理はコースのみ。一品目は必ずスープで、メインは煮込み、チーズとデザート。ワインは棚から自分で選ぶ。スープと煮込みって平凡に聞こえるが中身は今回も素晴らしい。裏ごししまくったポテトのスープは味わい深く、ビーフの赤ワイン煮込みは野菜ベースの出汁が出色。ワインもラングドックの赤を選んでくれたが、酸味と果実味、タンニンがバランスよく料理にbest fit。まわりのアメリカ人もみんなこれを呑んでいた。もっとも詳しいフランス人は見たこともない真剣な眼差しで棚のワインを選んでいたけど・・・(笑い)。再訪確実。

L'Ami Jean
ネオビストロの雄、ってやつ?バスク料理ベースらしい。予約も取れないらしい。19時の開店直後に満員に。でも周りは全部アメリカ人・・・・。Papillesもそうだったが有名になるとアメリカ人と日本人に席巻されるのね・・。ともかく今回はポルチーニ茸のソテーと羊のソテーを選択。ワインはグラスでボルドー。ポルチーニ茸は季節もの、ということで選んだが、ネギも入っていたりして若干和のテイストも(日本人シェフ在籍中)。でも繊細な味つけで素晴らしい。羊は焼きが素晴らしく、ベストの瞬間に止めたな、と思う。デザートのリ・オ・レはコメのデザート。量多い・・。最後はカルバドスで〆。おいしいけどちょっと高いな。

Au Vieux Comptoir
カルバドールの高山さんに教えてもらって、学会中の昼ごはんで。Chatlet駅すぐ。肉の焼き具合がよい、ということでビストロ飯の王道、ステーキを。ソースがおいしくて250gを昼からあっさり完食。でももっと素晴らしかったのは付け合せのマッシュポテト。ギャルソンもオーナーもとてもいい人で、いい店だった。

L'Avant Comptoir
会場近くの立ち飲み(!)ビストロ。フランスにも出来たのね。天井から写真が下がっていて、指差してオーダーする。ワインは好みを言って出してもらう。料理も結構本格的で、しかもワインは好きなGerard Bertandの赤があったので迷わずオーダー。オヤジがその瞬間「これ好きか!」といきなり親切になったのが笑えた。

Au Chai de l'Abbaye
夜食(?)にシューファルシ-を食べに。でも驚いた。ロールキャベツって訳するとダメだね。これはシューファルシ-、という食べ物だ。ボルドーとよくあう。カルバドスもいいものが安く呑めたし、なかなかよい店。


フランス出張総まとめ vol1

学会でパリへ。

パリ滞在は11年ぶりかな?一気に総まとめ。vol1は学会編。

学会は社会人になって物性実験に転向し、最初にやった分野。その後、科学の進歩でこの分野はおもいきり駆逐され、絶滅危惧種かと思ったが、結構いろいろな人がまだ研究してるんだな、と。ただ、やることない感じもあって、それで今の自分がやっている新しい材料もスコープに入れている、という印象だった。それにしても全体に発表の下手な人が多く、内容も今ひとつで、こんなにのんびりした研究分野もあるんだな、と。

ということで学会はいまいちだったが、先方からの招待でEcole Normale Superieure(高等師範学校)を訪問して行ったセミナーと議論は出色だった。優秀なメンバーばかりで質問も鋭く、今後の交流を約して終了。こちらは素晴らしかった。

20日に帰国したが2週間後にはまたこんどはグルノーブルで国際workshop。流石に頻繁すぎるかな。

最近読んだ本

1.「禁忌」(フェルディナンド・フォン・シーラッハ)
ナチ大物で有名なシーラッハの孫はミステリー作家(本業は弁護士)。「犯罪」「罪悪」「コリーニ事件」とこれまで邦訳されたものは全部読んだ。ちょっと独特の雰囲気のあるミステリー仕立ての社会派小説、という印象で、よく解らないものもあるが、今回はどちらかといえば読後感は謎、というほう。犯人の動機がよくわからなくて、納得のしようがない。まぁ人間というのはそもそも簡単に理解できないいきものだ、という立場に立てば(自分はそういう立場)、これはこれでアリ、かと。シーラッハの孫、という作家としては得難い立場から立脚しているのかな。

2.「ピアノを弾く哲学者」(フランソワ・ヌーデルマン)
サルトル、ニーチェ、バルト。みんなピアノが大好きだった(でもニーチェ以外は下手だった)。彼らの哲学と、最愛の趣味であるピアノ、そしてクラシック音楽にどういう相関があったのか、あるいはなかったのか、でも人間としての彼らにどういう影響を与えたのか、を哲学者が解析した本。サルトルに関する章が一番素晴らしく秀逸。サルトルは敬して遠ざけていたが、これは読まないといかん、と一念発起した。ニーチェはやっぱりものすごく鼻に付く嫌な奴で、天才というよりも究極の秀才、という一番自分の嫌いなタイプであることを理解。バルトは真に自由で面白い人、という読後感だった。

3.「昔は良かった病」(パオロ・マッツァリーノ)
イタリア人のふりをした日本人社会学者(在野かもしれないが)の本。最近やや勢いが薄れていたパオロさんだが、この本では往年の(?)切れ味するどい評論が楽しめる。昨今の日本に跳梁跋扈する懐古趣味・復古主義の中年と老年(最近は30代でもそういうアホが出てきて、「彼ら」の言うところとは違う意味で戦後教育は失敗だった、と実感するが)をぶった切る爽快作。みんなまとめて成敗だ。

東京出張

怒涛の海外出張の合間をぬって東京へ。共同研究の打ち合わせ兼自分の勉強。

畏友で大親友のT氏を訪問して最近はやりにTMDについて議論と実験の相談。自分の考えた実験はダメだ、ということがわかったが、議論を進めていくと別の方法で面白い実験ができそうだ、ということになり一安心。この分野の現状や方向性も理解でき、短時間だが有意義な議論だった。

終了後、17時から高田屋でおいしい焼きとんをホッピーで流し込み、19時からは新宿三丁目の「ル・パラン」に移動してモヒートとハイボール。珍しいタリスカーの若めのものをつかったハイボールは面白かった。BGMはクライバー指揮・バイロイトのトリスタンのライブ。自分も持っているCDだが、録音のバランスが多少悪いのと、3幕のキレがドレスデンとの録音のほうがいいので、不満もなくはないが、やはり名演で、うっかり聞き惚れていると終電を逃すところだった。

外国で病気になると

今回は講演中に某日本人研究者が倒れる、という大ハプニングがあった。

若い方だが知り合いで好ましく思っている方だったので、本気で心配した。講演中に息が荒くなり、"Sorry..."と言ったきり意識が朦朧としたので、自分も含めて3人があわてて演壇に走り卒倒しないように。そのまま床に寝かせた(低血圧と思ったし、会場からの意見もそう。なんでも解析的なのは学者の性だ・・・・)が、症状も改善せず、しかも「全身が痺れる・・」(このへんから日本語しか話せない状態)とのことでやばい!となり会場づめの看護士⇒救急救命士⇒本物の救急隊員とグレードアップ。やりとりも苦しそうなので自分が通訳したが、適宜周りの日本人の方にgoogle翻訳で助けてもらう(痺れる=Namb)。高校時代に変わった英語教科書だったので、変な単語も知っていてそれも助かった。

保険を確認したら疾病無制限だったので、ご本人はいまひとつ乗り気ではなかったのだが病院送りに。英語の不安もあるので(ご本人は英語は苦手じゃないが、さすがに具合が悪いときに英語でやりとりするのは無理)日本人2名が付き添って近所の救急病院へ。自分は講演があったので付き添えなかったが、午後イチだったので終了後すぐに自分も病院へ。アメリカのERって初めて入ったけど、清潔でスタッフがみんな親切ですごく感じがいい(これは病院差ありそう。今回はScripps系だったのがラッキーなのかも)。

検査結果は深刻ではなく、ウィルス性腸炎が原因でそこに疲労とか会場が寒すぎることによる低血圧とか具合がわるかったらしいのでなにも食べなかったことによる低血糖とかが複合したのでは、というみたて。指定された薬を買い、ご本人もホテルに戻りたいということだったので、夕方5時ごろにタクシーでお送りしてゲータレードを大量に購入してお渡し。

保険のほうは先に付き添ってくださった方が日本に電話してくれて、全て保険会社と病院の間で処理できる、とのことで我々の支払いは薬代(日曜だったので病院の薬剤部が休みだったせいだと理解。平日なら院内処方でこれも無料になったのかも)のみ。

で、教訓。

1.出張前は無理しない:ご本人曰く直前が忙しくしんどかったそう。

2.食べ物も気をつける:ウィルス性腸炎ということは刺し身とかかな。

3.旅行保険は必ず入る&証書は「身に付ける!」:これがないと巨額請求になる。今回はAIUの掛け捨て保険だったみたいだけど、それでも非常に便利。あと証書が手元にないと連絡や、保険内容も確認にこまるので証書は身に付けること!クレジットカード系の保険の場合はカバーする内容と緊急連絡先を必ず確認したほうがいい。自分もホテルに戻って調べたが結構該当箇所を探すのに苦労した。具合の悪い&ネット環境がどうなるかわからない場合を想定して、メモを身に付けるほうがいい。

4.特殊単語を調べておくorスマホの検索使いまくる:症状を正確に説明するのは大変。特に1人のときに倒れると今回のようにサポートがあるならともかく、まずい状況になるので、スマホで一回ひと通り単語検索などしておいて感じを掴んでおくとラク。

5.可能かどうか不明だが、救急隊員には搬送病院のランクも希望したほうがいい:今回はいい病院にあたってラッキーだったけど街によってはあまりよくない場合もあるし、病院の立地がアメリカ的なハードな場合もあると思うので、どうせ保険で払うのだから希望をはっきり伝えたほうがいい。

6.ホテル周辺のコンビニなどのチェック:ひとまず小康状態になってホテルに戻っても周りに何もないとゲータレードや薬の追加など必要物資が買えない。今回は割に中心部から遠かったので周囲に基本何もなく、ゲータレードを買いに相当に歩いた。体力のないときにあれは無理。できれば安いからと言ってあまり中心部から外れたところ(ないしはホテル側のコンシェルジュサポートが期待できないところ)はやめたほうがいい。

帰国した

サンディエゴから戻る。

あそこはもう3回めなので大分様子もわかってきた。過ごし方もノウハウが確立。

1.野球
弱いがパドレスがあるので、今回も2試合観戦(前回も畏友T氏と1試合、もう1回内野の一番上の
席で観戦)。今年はメンバー揃えたはずなのに勝てないのはなぜ?と思っていたが疑問は氷解。

球場の特性として極端に投手有利(広い)のに、ブンブン振り回す走れない選手を中心に補強したから。Upton兄弟だけは別だがJustinこそなんとか及第点だがMelvinは打てなさすぎるし、Kemp、Norrisと一発屋ぞろい。もっと俊足好打の選手を集めないと。GMはこの時点でクビだ。

試合運びも思い切り「?」で1点負けてる7回裏無死1,2塁で先発をそのまま打席に送り、送りバント失敗。で、結局無得点。そこまでしたのに8回表には継投する、という「???」な采配。この時点で監督もクビだ。勝てない理由はそこかしかにあった。

球場は綺麗で、球場内グルメもある(今回はRandy Jonesという元大エースの経営するVendorで巨大なホットドッグを)。ビールはIDがないので呑めなかったけど、涼しい(夜は寒い)のでオススメ。

2.街中グルメ
サンディエゴは老人が住みたい街ナンバーワンだそうで、治安も気候もいい。でも物価高い。前回はMorton's Steakhouseに行ったが、今回はWater Grillという店で日本人研究者とクラムチャウダーを、Hodad'sというこれぞアメリカ!という(刺青・ピアスだらけのパンク系店員で満ちている)ハンバーガー屋でハンバーガーを堪能。ハンバーガーは本当にオススメ。アメリカではバーガー食ってりゃ間違いない、というTH大のSさんの名言を思い出す。他では空港のPhil's BBQ。これもいかにもアメリカのBBQで、適度なジャンクさがいい。チェックインカウンターでおばさんに「搭乗までたっぷり時間はあるわ」と言われ、BBQ食べるつもりで早くきた、というとやけにバカ受けしていて、「美味しいんでしょ?オススメ?」と聞くとなぜか「あら!私を誘ってるの?」とまたバカ受けしてた。アメリカ人の笑いの回路は解明できない。

サンディエゴへ

中1週間でまとも海外へ(前回と一緒)。

今度はアメリカ西海岸。サンディエゴ。気温25度(夜は<20度)。地獄の業火に焼かれる日本を脱出できたのはよかった。こんなに暑いは絶対あの暗愚の宰相とその取り巻きへの天罰だ、と断言。早くお腹痛くなればいいのに。

今回は成田ーロスという経由で。はじめてANAの新型ビジネスに乗ったが、なかなか快適。機内食も美味しかったが量が多かった。Lufthansaよりも多いのはなぜ?機内ではラフマニノフの自作自演によるピアノ協奏曲2番と3番があったので速攻聴いてみたが、全く予想を裏切られる、思い切りキビキビした「甘くない」演奏。これまでに聴いたどの演奏よりも早い、なのにタッチが明確で1つ1つの音がクリアに聴こえる(録音はボロボロのモノラルなのに)。こりゃうまいわ、と。

香港へ

中1週間でまたも海外出張。

今度は香港。14年ぶりか?前回は中高の大親友3人組で食べあるき飲み歩き、だったような。実際あちこちで大いに楽しんだ。香港は美味しいなぁ、という印象が(だけ)残っている。

今回は学会、しかも香港島でも九龍でもなく、東の端っこにある大学で缶詰。朝から晩まで講演&議論の無限ループ。随分と脳みその訓練になった。レベルは高かったので、十二分に楽しんだ。が、やっぱり忙しすぎて4日目に拒否反応が出て、以前のボスと夜のセッションを抜けだして香港島でディナー。ボスは「わりに安いところにしました」と言っていたが、どういうわけで高い・・・。2人でコース食べて紹興酒呑んで35000円はやっぱり高すぎたかな?まぁ先生と忌憚のないいろいろな話でできたので十分に元は取れたんだけど。

ずっと椅子に座りっぱなしだったので、遂に帰りの飛行機で腰の具合が悪くない、変なところが筋肉痛で痛い。家人によれば坐骨神経痛の症状、とのことで、テニスも辛かった(というか日曜の朝は歩くのも辛かった)。

香港は暑いでしょ~、とよく言われるが日本のほうがずっと暑いよ!