楕円球空間 -23ページ目

「「罪と罰」を読まない」を読む?読まない?

こんな最中でも講演のためにドイツへ。

 

1週間都合滞在して、3日づつミュンヘンとドレスデン。4回講演。それなりにしんどいものの楽しいのは楽しい。でもコロナウィルス騒動で生活していくのに気疲れするのは日本と同じ。

 

あまり重いものを読みたくなかったので、「「罪と罰」を読まない」と「スコットランド 歴史を歩く」を持っていって読了。スコットランド・・・は高橋哲雄さんというイギリス文化史の専門家の本で、例のラグビーワールドカップと1月のエジンバラ訪問を通じて最高に高まったスコットランドへの関心から購入。自分のこれまでのスコットランド観が、いかに間違っていてステレオタイプで単純すぎたか、をよーく理解できた。アイルランドの歴史の本も執筆されているようなので、勉強するつもり。

 

で、表題の本だが岸本佐知子・三浦しをんなど、文学業界にいながら「罪と罰」を読んだことがない(!どうもドストエフスキーの他の著作も一冊も読んでいない感じすらするが)4人が、読まずに読書会(というか早い話が内容の大予想大会)をする、という企画。さすがに暴走防止に編集部の人が1人入って水先案内人役というか行司というか、そういう形で入っていて、ところどころで1ページだけ読むことも許されている。で、座談が秀逸。三浦しをんなど、あの雰囲気のある情緒的な小説を書くのに、語り口はべらんめぇで、それでいてツッコミが鋭くて超ウケる。機内やラウンジで、声を上げて笑ってしまうところも。さすがに4人とも業界の人だけあって、それぞれの視点(例えば三浦しをんならやはり小説の構造から分析する、とか)から内容を予想するわけだが、結構いいところに予想が落ち着いて、さぁみんな一度読んでから再度座談=読書会をしましょう、ということに。異口同音に「素晴らしい小説だ!」ということになって、「罪と罰」が大好きな私もハッピーな気持ちに。

 

自分は中学のときと30台後半で都合2回読んだが(この話は書いたはず)、読後感というか読んでいて感じたことが全く違っていて、まぁ1回目は中学生なんでどうせロクにわからずにただ読んだだけなんだろうけど、傑作だ!と思った次第。「薔薇の騎士」と同じで、年齢や蓄積に応じて違う表情を見せることのできる作品は素晴らしい、と素直に思う。あと5年くらいしてもう一度読むとまた変わるのかな・・・、と思ったが、座談を読んでいたらまた読みたくなったよ。

スカラ座開幕公演

今年はトスカ。

 

指揮がシャイー、主演がネトレプコとフランチェスコ・メーリ、スカルピア役がルカ・サルシ、と豪華キャスト&脇役も可能な限りイタリア人で固めた公演。演出が秀逸で、古典的でありながら、舞台の上下動や回転を効果的に使って技術は近代的な演出。美的にも優れていて、さすがスカラ座。ネトレプコとメーリはとにかくよく響く2人で、オケの爆音にも負けない(マーラーはこのトスカのあちこちで炸裂する爆音が嫌いだったみたい)。名演である。DVD化期待。

 

唯一の難点はネトレプコの体型だなぁ・・・(本当にうまいんだけど・・・。弱音の素晴らしさは傑出してる)。スカルピアは刺殺されたんじゃなくてボディープレスで殺されたんじゃないか、と錯覚しそうだ。

旅の読書

長期出張中は読書だ。

 

でも今回は冬だしヨーロッパだし日照時間短いし、で時差がなかなか抜けず2冊持っていったのに(長期だから)、1冊しか読めず。

 

「大鎌殺人と収穫の秋」(フォルカー・クルプフル)

 

ミルク殺人の続編、なんだけど前作とは違ってなかなかの社会派、というか正統推理小説。前作だけだときっと続編は読まなかったと思うが、今作を読むと次作以降も読みたくなる。

 

ザクセン出身の女性秘書がオフの時間に方言爆発するところの翻訳が秀逸。そういえば自分の高校時代のドイツ語の先生(ザクセン人)もすごい訛りだったなぁ、と。

訃報2つ

ネッロ・サンティとミレッラ・フレーニが死去。

 

フレーニは流石に実演を聴いたことなし。パヴァロッティと幼馴染で乳母も一緒って本当なのかな?

 

サンティは記録では3回聴いたらしい。89年のアリーナ・ディ・ヴェローナ東京公演(代々木の体育館だった。冬だったので室内と外気の温度差で体育館の鉄骨がミシミシいっていたのを覚えてる)と97年のアリーナ・ディ・ヴェローナ(こちらは本当にヴェローナで)はどちらもアイーダ。最後が99年のメトロポリタンでトスカ。このトスカはパヴァロッティ出演でものすごいチケット争奪戦(病気明け?怪我空け?)だった記憶あり。多分18年のスカラでのゼッフィレッリ生誕95周年公演も彼の指揮の予定だったけど、流石に体調不要でダニエル・オーレンに交代したはず。

 

こんな太ったカリスマ性のないオッサンがちゃんと振れるのかい、と思っていたら意外に悪くなかった、というのがトータルな印象。なんでもイタリア・オペラの主要演目は全部暗譜で、しかも全ての歌のパートも歌えたらしい。19世紀的な職人さん、ということなのね。どの演目も演出がゼッフィレッリだったのもたまたまとはいえ、なんだか示唆的。どの3回もよく覚えているので、やはりそこはいい指揮者だった、ということかな。

海外出張vol.1

今年は海外出張多い年。

 

VOl.1ということでイギリスとスペインへ。イギリスではシェフィールド・ヨーク・リーズ・ケンブリッジ・UCLの各大学へ。スペインはバルセロナ(カタロニア政府が作った研究所)。講演は順調に終わって、この仕事を引き受けてよかったなぁ、と。ギリギリで新型肺炎からも逃げ切った(帰国したらヨーク大学で感染者、という話。まぁ卒業式シーズン&中国からの留学生が2割ということなのである程度予想はしていた。くわばらくわばら・・・)。

 

週末を挟んだので、土曜日は日帰りでエジンバラに行き、もちろんスコットランド代表の試合を開催するマレーフィールドへ。12ポンドで見学ツアーに参加できるので参加して、スコットランド代表の歴史を学び、ピッチやロッカールームにも入らせてもらい、大感激。これは行く価値あり。その後はエジンバラ城の見学をして、フィッシュアンドチップスとビール、最後にスコッチウイスキーを楽しむ。スコットランド、いいなぁ。エジンバラ素晴らしい。自分のイメージしたまんまのスコットランドがあった。歴史の勉強をしたいので本読まないと。

 

ロンドンとバルセロナではオペラを見るチャンスがあり、ロンドンでLa Traviata、バルセロナではAidaを見る。ロンドンの公演はまぁ通常公演レベルかな。オケは特に弦がうまくて指揮もキビキビしてよかったけど、アルフレート役が酷くて・・。平たい顔族はやっぱりオペラは向かないなぁ。バルセロナのリセウは前回あまりのオケの上手さ(音が柔らかい!ビロードみたい!)に驚愕したので再訪したわけだが、今回もやっぱり上手。たった15ユーロの天井桟敷だったけど、十分に素晴らしさは伝わった。

大学選手権・決勝

びっくりして更新が遅れちゃった(これほんと)。

 

実は当日、外出から戻って家に入った途端に「都の西北」が頭の中で突然鳴り出して(私はOBではない)、「え!?早稲田勝ったの!?」(この時点では試合中)と思ったわけなんだが・・・、と無意味なコメント。まぁ後知恵なんだが、こういう特殊な環境(新国立競技場の緒戦、とか)の一発勝負には異様に強い早稲田と、ややメンタルに不安のあるおおらかな明治、ということもあった。立ち上がりが不安といえば不安だな、と思っていたところに早稲田は鮮やかすぎるパンチ。まぁ最初のトライのところはジャッカルした笹川からボールをはたき落としたのが寝ていた選手なんで反則なんだろうけど、仮にあれが反則で明治ボールになっていても全体の流れは早稲田だったので結局前半は大量点差にはなったはず。

 

後半に28-38になって残り10分、ということが一番盛り上がった(会場もそうだったはず)。ここでPGで3点でも入れておけば早稲田には相当なプレッシャーがかかって明治は逆転可能だったと思うんだが、まぁそうは問屋がおろさないよね。早稲田はあそこで自陣から8-9で仕掛けたのが偉かった(しかもダイレクトフッキング)。FWはかなり明治に蹂躙されかけたが、要所要所というか一番大事な2回でしっかり組んだのが勝因。もちろん伝統のダイレクトフッキングもよかった。BKは中野の復帰がやっぱりそれなりに大きくて、どうしてもディフェンスが分散したかな・・・。正直中野はデカイだけで、いい選手だとは思わないんだけど・・・。脳みそ使ってプレーしてる感じもないし・・・・。明治は箸本が本当にいい選手(能力・技術だけでなく、精神的にすごく成長した。本当に立派になった)になったのが印象的なのと、山沢のキックがすごすぎる。特に箸本はすぐにジャパンに呼んで教育したら、FWの核になれるな。武井主将の毅然とした姿勢も素晴らしかった。名キャプテンだったのでは。

 

終わってみれば、早明戦はいかに事前の予想が当たらないか、ということを再認識させられた。正直、10回やれば7,8回は明治勝利だと思うんだが、勝てる2,3回をこの一発勝負に持ってこられる早稲田のスピリットの勝利、と総括したい。選手権に入ってから、まるで別のチームになっていて、大化けするところもいかにも早稲田らしい、というか。

 

去年のシーズンが終わったところで「・・・(優勝争いに)明治と天理は絡むだろう。対抗戦では早稲田が監督交代が吉と出て大幅に伸びたので、これは来年度、対抗戦優勝だけでなく覇権奪回も見えてくるか」と書いたが(あと、帝京はFW次第、東海は瀬戸際とも書いた)、概ねあたっていた感じ。鬼が笑い来年度の予想だが、明治はFW第一列がゴッソリ変わるのが不安(というかロック以外ほぼ変わる)。FWを片倉・箸本中心にどこまで立て直せるか、かな(あと両WTBをどうするか、というのもある。あと雲山のラグビー脳教育)。むしろ早稲田はHBが変わるものの大駒としては中野がぬけるくらいで、覇権に最も近くなりそう。HBは今年控えの1年小西と来年入学の伊藤(桐蔭学園)で組むんだろうからあんまり心配はなさそうだが、あとは中野無しでは全く機能しなかったBKをどう活かすかを1年かけて考える年になるのか。天理はもう一度イチからやりなおしの年、東海は前回の記事にも書いたとおりに何か意識か方法論を変えないとまた同じことの繰り返しになりそう。慶應・大東文化・帝京は健闘を期待したいが、中でも帝京かな。今年は3年生以下を中心にやった1年みたいなので、来年の成熟に期待。早明の一角を崩す活躍を願う。

 

ということで今年もいいシーズンでした。感謝。それにしても「北風」を絶唱(絶叫?)して泣きながらロッカールームを出てくるのはいつ見てもいいシーンだね・・・・(早稲田ファンじゃないんだけどじーんとくる)。

高校ラグビー・決勝

御所は残念だった・・・。

 

前半は桐蔭が予想外に硬くて、ミスも多く、その隙をうまく突いて怒涛のモールなどで14-0となったときは行けるか!と思ったんだけど・・。なんでも春の選抜も桐蔭は0-14からひっくり返したらしくて、先行されても慌てないのが強豪の強豪たる所以か。14-3となって前半終了・・・・、と思ったら御所BKがノータッチで蹴り出したらレフリーからまさかの「まだあるよ!」の声でのけぞる・・・。ロスタイム1分というのは「1分台」なので32分になるまでは一応ちゃんとプレーしないといけない、ということを再学習。桐蔭がゴール前に攻め込んだけど反則で事なきを得た・・と思ったんだけど、藤原監督のコメントによるとあれで勢いがついたみたいで、勝負事は本当に怖い。後半はほぼ桐蔭が一方的に攻めまくって、疲れてきた御所が守りきれなく(タックルは甘く、ターンオーバーもできなく)なり、ワンサイドゲームに。終わってみれば事前予想通り。本紙予想は「15点以内に抑えて、7点差以内でついていけば御所に勝機あり」だったわけなんで、まぁほぼあたった、とも言える(曲解)。

 

桐蔭のSO伊藤君はいい選手だねぇ。大器ですな。伏見の井口を見たとき以来の衝撃がある(井口は大成しそこなったけど)。どうせ早稲田に行くんだろうねぇ・・・。

NFL2019-2020

あ〜、我がPatriotsがもう負けちゃった・・・。

 

12月に3つも負けて(Dolphinesに負けるなんて屈辱的)、こりゃヤバいと思っていたが・・。いつもならシーズン後半になるほど調子が上がるのに今年は逆。なんだか毎年、どこまでメンバー落としても勝てるのか実験してるんじゃないか、というくらいFAで補強してくれないんだが、さすがに今年くらいレシーバーが駄目だと駄目なんだね・・・。Bradyが落ちてる印象はないので・・・。

 

まぁ今年は1ファンとしてのんびり残りは見させてもらいます。

大学選手権・準決勝

早稲田ー天理

立ち上がりは天理ペースで、あのスクラムを押し切れば一気に天理が流れを持っていけた、とも思うが、一方で去年より(というか例年と比べても)かなりディフェンスが弱かったのが敗因かな、と。特に13番のフィフィタは2回も無理に飛び出してラインに穴を開けてトライを演出してしまった。ああいう勝手なプレーが出るディシプリンしかない部分も敗因か。FWも最初のコラプシングでナーバスになりすぎた感あり。明治がコラプシングを気にせず自分たちのスタイルを80分間徹底したのと対照的に、天理FWは迷ってしまって押せなくなった感じ。それ以外にもノックオンやキック処理のミスも多すぎて、4年間で3回目の準決勝なのに、なに硬くなってんだ、という感想。はっきり天理の自滅。とはいえ早稲田も点差ほど強い、という印象はないんだなぁ・・・。

 

明治ー東海

東海はなぁ、やっぱりオフェンスがアバウトすぎる。何度か連続攻撃してるんだけど10フェイズもたずにミスが出る。明治はオフェンスもディフェンスもミスが少ない。ここまでくるとこういう細かい点で差が出る。明治は勝負所の7人スクラムをなんとか修正しながら耐えきったのが直接の勝因だけど、あれを実現できる練習量とかコミュニケーションとか精神力が素晴らしい。よく鍛えられているし、受け身の鍛えられ方じゃなくて自分で考えて行動できるところまで来ている。絶賛。東海の監督さんは「自分たちのよさを出されてもらえなかった」というコメントだったらしいけど、もう毎年毎年同じようなコメントで、さすがにまずいんじゃないか、と。準決勝くらいまで上がってきた自分たちのプラン通りにやりことができる、と思っているほうが不思議で、むしろいかにプランどおりにできなくても耐えて一瞬のスキを突いて勝利するか、が大事なんじゃないか?それをできるまでプレーの精度とか集中力・忍耐力を引き上げるのが練習なのでは?準々決勝までのプレーを見てもとくにオフェンスにそこまでの積み重ねを感じなかったので、これはもうチームの構造的問題なような気がする。そこを意識改革できないと最後の1枚の壁は破れないんじゃないか?

 

ということで決勝は明治ー早稲田という新国立競技場最初の決勝としては願ったり叶ったりの理想的な(協会的には)決勝戦に。中野の復帰で早稲田も12月の対抗戦ほど大負けしないと思うが、それでも明治が練習どおりにできればプレーの精度と質の高さからみて28-17くらいで勝利できる(10点差以上)と予想。早稲田が勝つにはFWの踏ん張りと、劣勢のときのメンタルの維持。12月からの成長が試される。

 

=おまけ=

高校ラグビーも今年は人気沸騰みたいでうれしい限り。12/30に見に行こうと思ったけど雨天でやむなくgive up。いつも公立高校を応援しているので今年も御所実業を応援。ディフェンスがよくて基本に忠実で好感が持てる。決勝は桐蔭相手で、さすがに劣勢と思う(とにかくディフェンスが良すぎる。才能ある選手集めて正しく指導するとこうなれる、という好例)が、なんとか頑張ってほしいなぁ。15点以内に抑えて、ずっと7点差以内でついていけば、辛うじて勝機があるかな、と。

 

でも高校生、上位進出する学校はみんなタックルがしっかりしていて、うまいね。大学の2部校相手なら勝てるんじゃないのか、と思うくらい。さすがにスクラムはキツそうだけど・・・。

Neujahrskonzert 2020

ことしはネルソンス指揮。

 

ちゃんと観た(聴いた)ことのない人だけど、使う空間の多い人だね・・・。よく言えばオケを信頼して流れを重視する指揮、で、有り体に言えば、細かいところはどうでもよくてオケにとって楽な指揮、という感じ。演奏は通常公演レベルで、やっぱり細かいところがしっかり合ってないかな。今年はウィーンフィル楽したかったのね。

 

来年はムーティらしい。6回目。さすがにこれが最後かな。ムーティの崩れた演奏を聴きたくない気持ちがあるので、しっかり準備してオケをいじめて演奏会に臨んでほしいなぁ。

 

客席にカウフマンが居て、さては、と思ったらやっぱり大晦日のDie Fldermausにサプライズ出演したんだね。だんだんとクライバー化してきてゲリラ的にしか歌わなくなってきてるのかなぁ。