紫式部和歌を逆読みすると別の短歌が現れた‼
を、ひねくっていたら、マタヘンなことに気がつきました。
三つの変奏曲をみんな混ぜてガラガラポン!したらドナイヤロと思ったのです。見てください。出自はおなじく、夕顔、です。
基歌は夕顔の巻の《見しひとの けぶりを雲と 眺むれば…》から。
趣向はこうです。
イロハ仮名48字をダブラずあまさず1回つかって、短歌と俳句をひとつづつの三行詩にする。
そして「ぜんぶを逆読みすると別の三行詩が現れる」というものです。これは最高にムズカシイ。
血汗馬になって、やっとひとつ出来ましたが……
夜座惜しみ 煙は雲に 触れるかな
住居と嫂 仔犬ランボオ
血の絶えて 女木悲話へ鷽 夜会 爐 吸物
———やざをしみ けむりはくもに ふれるかな
すまゐとせあね こいぬらんぼお
ちのたえて めぎひわへうそ よゑろつゆ
柚つ盧絵よ 僧へ詫びきめ 手枝の智
お盆ら縫子 寝汗と居ます
流る猟 荷も配り無下 見じ長や
夜座(やざ):【仏】禅宗、日没後に行う座禅。
触れる(ふれる):言及する。問題として取り上げる。
嫂(せあね):兄嫁。
ランボオ:Arthur Rimbaud フランス象徴派詩人。『酔いどれ船』「地獄の季節」など。
女木(めぎ):雌雄異株の植物で雌花だけをつける木。男木(おぎ)の対。
夜会(よえ):【仏】深夜、修行者が各自行う座禅。
鷽(うそ): スズメ科の鳥。口笛を吹くように鳴く。琴弾き鳥。春の季語。
柚(ゆ):ミカン科の果物。ユズ。秋の季語。
(柚)つ(絵):【格助詞】体言に付いて連体修飾語をつくる。の。ユズの絵。「沖つ鳥」「遠つ神祖(かむおや)」
盧(ろ):いおり。わび住まい。
無下(むげ):それ以外の何物でもないこと。そのさま。ざま(態)はない様子。
*オモテ
座禅をサボッたことを、荼毘の煙は雲に告げ口をしなかったかな。———告げ口しただろうな。
ここは年老いた姉とヤンチャな仔犬のランボウの三人住まいです。
血縁は死に絶えて、女木哀話に鷽(うそ)(嘘)が飛び交っています。それがこのあばらやのくつろぎ。———囲炉裏。温かいお椀。これでも結構、炉端の勤行(お勤め(?))のつもりですよ。
*ウラ
炉端の画軸は柚子。そうそう、座禅をサボったお詫びに柚子ひと枝を差し上げるってのは凡智ですかね。———俗智ですかね。
うちのお針子たちはお盆休みとかで連休です。わたし? ———相変わらずの盗汗といっしょに留守番です。
狩猟開きの行事はお流れです。ツアーの皆さんに払い戻しや預かり品の返却も終り、もうやることはありません。———村長は、その辺に見ませんでしたか?
通常業務に帰ります。ウッ…寒ム
基歌《見しひとの けぶりを雲と 眺むれば ゆふべの空も むつましきかな》を「ウラ紫」「回文短歌」と作りましたが、三つ目は「伊呂波紫」と題して源氏もの最終回です。趣向は……まあ見てください。
伊呂波へ脱皮 (同じ基歌を、いろは四十八字をすべて一回ずつ遣った三行詩。(起首短歌(主)に三十一字を当て残りの十七字で承句俳句(副)にする)に作り替えました)
事前処理:「けぶりを」→「けぶりよ」以降。
(主短歌) 魅しひとの けぶりよ雲に 眺むらん
月在ます屋根 春こち荒れて
(副俳句) 失せ犬ぞ 輪を耐え餌へ 夢おぼろ
———みしひとの けぶりよくもに ながむらん
つきゐますやね はるこちあれて
うせいぬぞ わをたえゑさへ ゆめおぼろ
らん:らむ。【助動詞】推量をあらわす。~なのだろう。~しているだろう。
在ます(います):「ある」「いる」の尊敬語。
こち:東風。
輪(わ):首輪。
魅惑的なあの方も亡くなり、荼毘の煙の雲と立ち昇るのがお別れなのだろうか。
お月様は屋根の上。時折、つよく東風が……
おお、居なくなっていた犬が帰って来た。首輪の枷がいやなのかい? ほら、餌だよお食べ。———すべてがぼんやりと夢の中。
結局、源氏和歌を「もと歌」にして三種類のザレ歌にしたのですが、12組作ってやめました。ぜんぶで795首あるのですから、とても生存中にはやり終せないと悟ったからです。いろは双六もそのままですし…
どうせのコジツケ人生ですけど辞世ぐらいはホントのことをいいたいではありませんか。筆者もヒトの子。煩悩の子。無精を搔いて欠伸の子。神の子仏の子。ナマンダンブ…
伊呂波へ脱皮 (同じ基歌を、いろは四十八字をすべて一回ずつ遣った三行詩。(起首短歌(主)に三十一字を当て残りの十七字で承句俳句(副)にする)に作り替えました)
事前処理:「けぶりを」→「けぶりよ」以降。
(主短歌) 魅しひとの けぶりよ雲に 眺むらん
月在ます屋根 春こち荒れて
(副俳句) 失せ犬ぞ 輪を耐え餌へ 夢おぼろ
———みしひとの けぶりよくもに ながむらん
つきゐますやね はるこちあれて
うせいぬぞ わをたえゑさへ ゆめおぼろ
らん:らむ。【助動詞】推量をあらわす。~なのだろう。~しているだろう。
在ます(います):「ある」「いる」の尊敬語。
こち:東風。
輪(わ):首輪。
魅惑的なあの方も亡くなり、荼毘の煙の雲と立ち昇るのがお別れなのだろうか。
お月様は屋根の上。時折、つよく東風が……
おお、居なくなっていた犬が帰って来た。首輪の枷がいやなのかい? ほら、餌だよお食べ。———すべてがぼんやりと夢の中。
結局、源氏和歌を「もと歌」にして三種類のザレ歌にしたのですが、12組作ってやめました。ぜんぶで795首あるのですから、とても生存中にはやり終せないと悟ったからです。いろは双六もそのままですし…
どうせのコジツケ人生ですけど辞世ぐらいはホントのことをいいたいではありませんか。筆者もヒトの子。煩悩の子。無精を搔いて欠伸の子。神の子仏の子。ナマンダンブ…
源氏物語の和歌を基歌にして回文短歌にしました。基歌は前回の、そっくりそのままの回文詠み(裏紫)と同じもの(夕顔の巻・作中作者 光源氏)にしました。
比べて見てください。
基歌《見しひとの けぶりを雲と 眺むれば ゆふべの空も むつましきかな》
魅しひとの けぶりを雲と 眺むらむ
鉋と杢居り 武家の訪ひし見
———みしひとの けぶりをくもと ながむらむ
かなともくをり ふけのとひしみ
回文短歌。頭から読んでも下から読んでも同じ文です。
らむ:
鉋(かな):大工道具。かんな。
杢(もく):大工の棟梁。
魅惑的だったあの人も荼毘の煙と消えてしまった。
大工の親方のところにお武家がやってきた。また碁打ちに来たのだろう。万事のどかのなかに今日も過ぎてゆく。
前回の「ビックリ…」と併せてご覧ください。DNAがおなじなのでそっくり…ではない⁉ のです。
同じ和歌をもう一ひねりして次回のブログにしましょう。
どうぞお楽しみに。
比べて見てください。
基歌《見しひとの けぶりを雲と 眺むれば ゆふべの空も むつましきかな》
魅しひとの けぶりを雲と 眺むらむ
鉋と杢居り 武家の訪ひし見
———みしひとの けぶりをくもと ながむらむ
かなともくをり ふけのとひしみ
回文短歌。頭から読んでも下から読んでも同じ文です。
らむ:
鉋(かな):大工道具。かんな。
杢(もく):大工の棟梁。
魅惑的だったあの人も荼毘の煙と消えてしまった。
大工の親方のところにお武家がやってきた。また碁打ちに来たのだろう。万事のどかのなかに今日も過ぎてゆく。
前回の「ビックリ…」と併せてご覧ください。DNAがおなじなのでそっくり…ではない⁉ のです。
同じ和歌をもう一ひねりして次回のブログにしましょう。
どうぞお楽しみに。