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こころに映りゆく由無しごとを其処は可となく書き付けて
ごうなっだのでありますぐるらめ。

複眼的な視野から俳諧を眺むれば‥‥
複葉機が飛んでいた‥‥

ね——な  

葱坊主/八海合羽/鬼真似たな          (晩春)
 ねぎばうず はつかいかつぱ きまねたな
菜種蒔き/八界河童/数羽帰嶺          (晩秋)

季語:葱坊主・晩春。菜種撒く・晩秋。
葱坊主:葱の花。葱の擬(ぎ)宝(ぼ)は花の形からの名称。
八海合羽・八界河童(はっかいかっぱ):ハッカイは「八戒」(在家の人が一日だけ出家生活を倣ってまもる八つの戒律)なら辞典にあるが、まったく典拠不明。ご存知の向きは、乞御教示。 

 モスクのように葱坊主が生えている。まるで、オニの道中合羽。ごまのはいの猿真似ってトコだよ。
 農夫が黙々と菜種を蒔いている。沙悟浄が数羽(?)の蝙蝠を引き連れて尾根の洞窟へ帰るところを妄想した。

本集随一の大妄想ですかね。

このまま春、かとおもっていたんですよ。万物はぶり返すって
真理ですかね。コロナ風邪に気を付けてってどうすればいいのでしょうね。
逆読みすると別の俳句になる二階建て俳句をゴネています。意味に無理多し、です。どこを直したら、もうすこしでもよくなるでしょうか。

つ——ね 

接木終ふ/四鴉ごね寝屋は/目やる棟     (仲春)
つぎきをふ しあごねねやは まやるむね
ねむる山/はや嶺猫足/訃を聞きつ      (初冬)

季語: 接木(つぎき)・仲春。山眠る・三冬。ここは眠りばな、で初冬。
接木(つぎき):木の枝や芽を切り取って台木に継ぎ優良な株にする植木の手法。
終ふ(おう):ハ下二段動詞。①自動詞。終わる。果てる。②他動詞。終える。日本語の文法には、(欧米語のような)自動詞・他動詞の用語はありません。
猫足(ねこあし):①猫のように音をたてないように歩くこと。②家具の脚の先が内側に向いて丸まり、猫の足に似ていることからその形をいう。

 春の大事な作業の接ぎ木もどうやら終わった。カラスが騒いでいる。四羽の一家がもめている。塒(ねぐら)のことらしく、しきりに軒先を窺がっている。
 冬に入ったばかりなのに山は眠り仕度に入っている。尾根は寒がりの猫のように手足を丸めている。どこかで誰かが亡くなったらしい。

「受験期突入」ですね。日頃の勉強が実を結ぶチャンスです。慌てないで落ち着いて問題に取り組めば、あなたなら合格間違いなしです。ホラ!深呼吸3回。吐いて吸って…もう大丈夫! 

お鏡で汁粉を食べましたか?
すこしモタレたところで、腹ごなしに、芥川の河童はいかが?

そ——つ 

叟の春/刈り込むすこし/盆小松     (三春)
そうのはる かりこむすこし ぼんこまつ
爪籠ん某/指呼棲む狐狸か/流播の嘯  (三冬)

季語:三冬・爪籠。
叟(そう):老人。おきな。
爪籠(つまご):雪沓。藁沓。
某(ぼう):名称を明示しないでぼかしていう語。某国。某氏。某所。
指呼(しこ):近い距離。その辺。
流播(るは):伝わり広まること。
嘯(うそ):口笛。うそぶき。
翁の春。ゆっくりと盆栽の小松の手入れ。

老人は盆栽を前に新春をたのしんでいます。
 藁沓の主は土間にでも住み着いている狐かな⁈ ときに嘯きが聞こえてくるようなのだが…

もうひとつ作ったので…

卒業す/社人二十日は/剃りも要領         (仲春)
 そつげふす しやじんはつかは そりもこつ 
つごもり蕎麦/河童ん觜やし/吸ふ穴ぞ      (仲冬)

季語:卒業す・仲春。つごもり蕎麦・仲冬。
要領(こつ):かんどころ。
つごもり蕎麦(つごもりそば):三十日蕎麦。年越しそば。
觜(し):くちばし。

 卒業だ。社会人となって二十日程度は猫を被っておとなしく要領よく人に好かれるように、髭剃りひとつも注意して。
 年越しそばを食う。みんな河童のように口をとんがらして啜っている。芥川の『河童』を思いだして思わず吹き出すところだった。「お~い。年はあけたぞ~!」
アクタガワの河童を読み返しましょう。