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こころに映りゆく由無しごとを其処は可となく書き付けて
ごうなっだのでありますぐるらめ。

「む」で始めて「う」で終わる、逆に「う」から始めて「む」で終わるように二重の俳句を一つにしました。69(シックスティ・ナイン)の俳諧版です。

む——う  

虫篝/けぶり漂ふ/絲雨の柳          (晩夏)
むしかがり けぶりただよふ しうのりう
瓜の牛/不予祟り武家/理がかしむ       (初秋)

季語:虫篝・晩夏。瓜の牛馬・初秋。

虫篝(むしかがり):害虫を誘引して焼き殺す灯火。
絲雨(しう):霧雨(きりさめ)。
不予(ふよ):①楽しくないこと。不快。②貴人の病気。
かしむ:締め付ける。加締める。

かすかに雨の匂いがする。急いで木のしたに入ると燻る虫追いの煙のにおいがする。音もなく漢詩の絲雨が降り晩夏の柳にかかっている。
七月七日の真菰の馬が霊を迎えるため仏前に供えられている。なにか面白くないことがあって武士が道理を繰り返し考え込んでいる。
武士の一存というヤツですかね…

秋と春は俳句の季節。古今の名句もこの季節に多いようです。
もちろん、日ごろ練達のみなさん、時・処を選ばず…そうですか、そうですか…恐れ入り谷の鬼子母神。


新潟県の加茂に住んでいた冬は雪に難渋しました。地元の総桐のタンスを買いました。手作りの逸品です。愛用しています。風呂上がりのおばさんが、「ええ湯でがんした。ジュノミしたがほいね」と言った、テラテラに茹った顔を思い出しています。
きょうは超難関の「ら」です。

ら——む  

羅衣脅す/五月雨静か/出につけむ      (仲夏)
 らいおどす さみだれしづか でにつけむ
無月にて/且つ焦れた弥撒/スト俺ら     (仲秋)

季語:五月雨・仲夏。無月・仲夏。
羅衣(らい):羅はうすもの。
五月雨(さみだれ):五月に降りつづく雨。長雨。つゆ。
(つけ)む:推量の助動詞。活用語の未然形に付く。①~だろう。(予想)②~するつもりだ。(話し手の意志)
無月(むげつ):十五夜の月が曇りで見えないこと。
弥撒(みさ):キリスト教会の儀式。

夏ものに着更えたのは早すぎた。だらだらといつとは止まぬ長雨に脅されている感じだ。こうなったら槍が降っても矢が降っても明日にも出かけることにしよう。
明るい晩だが肝心の名月が無い。長たらしいミサにはいらいらさせられたし、え~い、オイラはストだい。

「無月」は、満月なのに月が無いという屈折した言い回しが洒落ていて好きな季語です。逆詠みには、いつも「告げむ」を使っているので、今回は古語辞典の「ちゃぶ台返し」をして、素敵なコトバ「出につけむ」を見つけて有頂天になりました。いまだに興奮が冷めやりません。

春はまだですかねえ。寒くて俳句を逆さにしている場合じゃないですよゥ。フトコロも寒くて、二の句も継げない……

な——ら  

菜の花は/黄な訪ひの舞ふ/獅子神楽     (晩春)
 なのはなは きなとひのまふ ししかぐら 
落下猪/不磨のひとなき/塙の名        (三秋)

季語:菜種の花・晩春。ゐのしし・三秋(「晩秋」の歳時記もある)。
卒爾ながら、「ら」で終わる季語ってあるのですねえ。かつら・かぐら・もぐら・つづら・獅子頭 なお、「あぐら」は季語ではありません、念のため。
獅子神楽(ししかぐら):獅子頭(ししがしら)に神を勧請(かんじょう)し家々を清めて回る神事。
不磨(ふま):不朽。永久に存在すること。
塙(はなわ):山の突き出た台地。土が小高く盛り上がったところ。

 菜種の花畑に黄色の花が湧きかえっている。獅子神楽が訪れてぃる。
 「獅子の子落とし」の日本版は定めし猪の瓜坊落としだろうか。崖から堕ちてまた人が死んだ。死なない人などいない。みんな名も残さず死ぬ。東尋坊は名を残し、観光名所となる。

ウラのほうの句は、句切れが3か所全部、名詞で終わっています。こういうのは俳句ではよくないとされています。句に働きがなくトリセツになるのです。体言止めは1~2個にとどめること。

税金の申告のきせつになりました。カネを儲けたから申告するのではなくて、医療控除でいくらか納め過ぎを返してもらうための深刻です。文字変換は正直ですね。物価高にシンコクゥ… 
逆読みしても鼻血もでない。