年末に掛かりましたので、時間調整。。。と称して息抜きします。以下、番外編———
Amebaブログで、めずらしく、回文作者の折句仕立ての作を拝見しました。
折句といえば、業平ですが、復習を兼ねてつくってみました。
今回は「黒金魚ストーリー」はお休みさせてください。
その昔、
『伊勢物語‐九』で業平が、「か・き・つ・ば・た」を句の頭において「から衣(ころも)きつつなれにしつましあればはるばるきぬるたびをしぞ思(おもふ)」と詠んだ和歌が折句(おりく)仕立てということでたいへん有名です。
そこで折句の趣向をも取り入れた回文短歌(うしろから詠んでも、前から詠むのと同じになる短歌)を作りました。
燕子花(かきつばた) 北狐(きたきつ)花は づ初(はつ)見つ
初花は尽(つ)き たき田葉月か
———キタキツネは時季外れのかきつばたの花をこれまで見たことがなかったので、本当に驚きました。美しいなあ。稲も熟(う)れています。荒れ地を開墾した田。もう葉月なんですね。
折句(おりく):和歌の技法の一種。物の名など、仮名書きで五字の語句を、各句の頭に一字ずつよみこむ。沓冠折句(くつかぶりおりく)を含む。
づ初(ずはつ):「づ」は接頭語。種々の語について程度が普通でない。並みのことではない。「づ太い」「づぬけている」…強調する意。
拓き(たき):「たく」切り拓く。
としました。これは沓冠(くつかうぶり)折句(おりく)(各句の首尾によみこむ)で、更に上下左右が「かきつばた」でかこまれているという趣向です。すなわち、
かきつばた
きたきつはなは
づはつみつ
はつはなはつき
たきたはづきか
カラタチのはンな~よ。は、島倉千代子ですよね。
あちら、業平は変人でした。
こちら———
毎日が或る日その昔です。
右手のなか指の爪からバイキンが入って膿が溜まりたん瘤になり指が瘤取り爺さんになりました。注射針でバイキンを抜くのですがその時の痛いこと‼
排菌力が弱まっているのですね。ハイ。つらい暮れ、です。
「13」は忌数なので耶蘇にお払いをしてもらいましょう。
初夏から晩夏の風致です。
13
耶蘇
車前草(おほばこ)明け
黄蜀葵(わうしょくき)咲かず
————耶蘇(やそ)へ倣(なら)ひ
祈りを絵に付せむ…
ミロ、流転止め断ぬ
マネ、揺れゐ燃えつ
おほばこあけ
わうしょくきさかず
———やそへならひ
いのりをゑにふせむ…
ミロ、るてんとめたちぬ
マネ、ゆれゐもえつ
車前草(おおばこ):おおばこの花は初夏の季語。白い穂状の小花。
黄蜀葵(おうしょくき):とろろあおい。花は晩夏の季語。黄色で中央が暗紫色の五弁花。
オオバコの花が終わって、あと、トロロアオイが続くはずだがことしは咲こうとしない。西洋の絵を真似て宗教画を描いてみようか。
空想を静止しながら飛んでいるミロ?
庭の池の水が、ひときわ火のように揺れているマネ?
ニンゲンは純粋を求めますが、理性のなかの仮想の中だけの存在であって、現実にはありません。ニンゲンがどんなに頑張っても純金のインゴットは99.9999%どまりで、けっして完全無欠の100にはならないのです。
耶蘇はニンゲンが鏡を見て造った模造品です。だから未完成と言っています。
宗教を除けば、ニンゲンは思いのほか正直、なものなのですね。
初夏から晩夏の風致です。
13
耶蘇
車前草(おほばこ)明け
黄蜀葵(わうしょくき)咲かず
————耶蘇(やそ)へ倣(なら)ひ
祈りを絵に付せむ…
ミロ、流転止め断ぬ
マネ、揺れゐ燃えつ
おほばこあけ
わうしょくきさかず
———やそへならひ
いのりをゑにふせむ…
ミロ、るてんとめたちぬ
マネ、ゆれゐもえつ
車前草(おおばこ):おおばこの花は初夏の季語。白い穂状の小花。
黄蜀葵(おうしょくき):とろろあおい。花は晩夏の季語。黄色で中央が暗紫色の五弁花。
オオバコの花が終わって、あと、トロロアオイが続くはずだがことしは咲こうとしない。西洋の絵を真似て宗教画を描いてみようか。
空想を静止しながら飛んでいるミロ?
庭の池の水が、ひときわ火のように揺れているマネ?
ニンゲンは純粋を求めますが、理性のなかの仮想の中だけの存在であって、現実にはありません。ニンゲンがどんなに頑張っても純金のインゴットは99.9999%どまりで、けっして完全無欠の100にはならないのです。
耶蘇はニンゲンが鏡を見て造った模造品です。だから未完成と言っています。
宗教を除けば、ニンゲンは思いのほか正直、なものなのですね。
12
影武者
いほりかな 起こし絵
建(たつ)れば湯(ゆ)す————
夜(よ)へ 袈裟テロ
やむを得ぬ 偽王(にせわう)と
寝間の怖畏(ふゐ)————
揉める村落 地引網
いほりかな おこしゑ
たつれば ゆ す
よ へ けさ てろ
やむをえぬ にせわうと
ねま の ふゐ
もめる そんらく ぢびきあみ
起こし絵(おこしえ):建物や樹木を切り抜いて組み合わせ立体的に構成したもの。
建る(たつる):タツル下二段。
お芝居の背景の張りぼてのような貧弱な庵ですが、建て前に茶の湯の集いが催されました。
或る夜、浜網の采配が恐ろしいことに、宮様の影武者(みがわり)となって庵の寝間に隠れたことがありました。
叡山の僧兵の一揆という革命が勃発したのでやむを得ない仕儀でした。
漁村も余波で、もめました。彼が地引網の音頭取りだったからでした。
影が、「寒い」というのです。薄暗くていかにも寒そうです。影が暖をとるには私自身を燃やすしかないのです。
ニンゲンはちいさな星団です。ニンゲンだけではなくて一匹一羽一頭一個…すべてがそれぞれひとつの、生成して消滅する期間限定の星団です。
輝いているのは自分を燃やして暖をとっているのです。
影が寒いと言っています。寒いのでしょう。体温ぐらいじゃ足りないのなら自分が燃えなければ…ね。影は、…それでいいのでしょうかね。
黒は色ですが白はいろではないのですよ。色相にヒエラルキーを持ち込むのは反対です。
