ouroboros-34のブログ

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こころに映りゆく由無しごとを其処は可となく書き付けて
ごうなっだのでありますぐるらめ。














こんにちは!







エッセイ」と「ハイ惹句(はい!ジャック)」が主な記事です。



「ハイ惹句」は世相の断片を拾いました。




変わった連句も、そのうちご紹介することになるでしょう。





いま、テーマは7つで、



   ブログ (一般的なはなし)






   喃語何語難語 (コトバの遊び)




   多羅葉脈    (エッセイ)




   ザクス文庫   (長編小説)




   政圏万歩計   (政治談義)




   映像詩      (動画と詩の融合)




   紅龍節理     (中国内外のこと)




です。

それぞれのフレームで創造の芽を育ててゆきます。


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台風の名残か、雨が降っています。いろは仮名文字を一度づつ遣って現代詩の変わり種ができないか,挑戦してみました。ヒルガオはパッとしない花ですが幻想を誘う不思議な花です。題して「ヒルガオ」……原文はタテ書き総読み仮名です。

ヒルガオ

濡れ縁(ぬれえん)にゐて、薔薇(ばら)
の、昼顔(ひるがほ)。…………
——房(ふさ)咲(ゑ)むおもみ 
雨土(あめつち)、をろ寝(ね)そべり
子(こ)鳴(な)き田(た)湧(わ)く泥鰌(どじやう)…
魔寄(まよ)せ柚(ゆ)。…生け(いけ)簀(す)  

をろ:悪露。粘液性の排出物。

雨も上がり縁側から見えるのは薔薇のように鮮やかなヒルガオ。その水を含んで重たげなはなぶさ。
こちらは泥濘にぬめぬめと寝そべり、子泥鰌が鳴いたり騒いで沸き返っている田んぼ。魔除けの柚子。生け簀の白い枠。——静と動、自然のコンポジション。 

あまりよくないので作り替えました。「泥鰌(どじやう」)を「泥鰌(どぜう)」にしたら、やっとよさそうなものが見えてきました。

昼顔

雨(あめ)止(や)まぬ
生簀(いけす)園(ゑん)に居(ゐ)て
支路枠(しろわく)見(み)れば
泥鰌(どぜう) 地駄(ぢだ)へ寝(ね)染(そ)む
よも 子(こ)亡(な)き長(をさ)の笛(ふえ)
昼顔(ひるがほ)ゆらり落(お)つ


止まぬ(やまぬ):「ぬ」は完了の助動詞「ぬ」の終止形(動詞の連用形に接続)と打消しの助動詞「ず」の連体形(動詞の未然形に接続)の場合があります。ここでは生け簀園(体言)に掛かっています。ちょっと使い方の難しい助動詞です。
よも:副詞。よもや。まさか。
泥鰌(どぜう):ただしくは「どじゃう」。料理人による美称。

雨のいっかな止みそうにない生け簀園にいる。排水路の近くでは、泥鰌が寝そべり泥だらけになっている。
思いがけず、跡継ぎに先立たれた村長の吹く尺八の音が嫋々と流れてきた。
ヒルガオの花がひとつ、風も無いのに揺れて落ちた。

「金魚ギャラクシー」から「黒金魚ストーリー」にタイトルを変えました。
朝晩涼しくなりました。昼寝、返上して作らなきゃ、すこし焦っています。
イロハを1回遣った現代詩です。きょうはその2回目。難しさを楽しんでいます。原詩は振り仮名付きのタテがきです。

居囃子

朝霧(あさぎり)、つゆをむすぶ
公(こう)ゑんのわにとかめ
日向(ひなた)よ真(ま)穂(ほ)色(いろ)———
えも寝(ね)られぬぞ——
〽生(お)へて閲(けみ)せる……
———くち居囃子(ゐばやし)


居囃子(いばやし):地謡と囃子方が着座のまま略式で演奏するもの。対語「舞囃子」。

朝、霧が草の葉に露を結んでいる。もう、秋なのかな。
公園の池ではワニとカメが仲良く甲羅干し。日の当たっているところは、てらてらと地肌の物体色です。
ゆっくり転寝(うたたね)もできないぞ。
〽生へて閲せる…ほら始まった。主人の日課のお稽古が——— 

現代詩というより、仮名遣いからみると、近代詩なのかな。「ゐ」の熟語が極端に少ないので、辞書びたり、です。
ひさしぶりにDVD「海の牙」を観ました。あと、ヴィヴィアン・リーとロバート・テイラーの「哀愁」を見る予定です。

「金魚ギャラクシー」は共通題で、「雪の降らない夜」はテーマです。原詩はタテ書きで総フリガナです。
混乱して作り替えることがおおいのですが、アイウエオ全部一回ずつ遣うというルールにもとづいています。
ミスをご指摘くださった方に、そうですね、ブラジルの記念切手を差し上げることにしましょうか。
きょうは一回目、題は「雪の降らない夜」です。

ふゆ、よるは積(つ)もり
屋根(やね)をあさめて、星(ほし) 
たち、わらべ抜(ぬ)きの
すなゑぞ。雁首(くび)みえ   
爐(ろ)にいま噎(む)せ居(ゐ)けん 
これがおとう———


冬。夜が少しずつ地上に積もり屋根が低くなってゆく。
子どもたちはもう眠っていて、それまで遊んでいた砂絵は、いまは星たちが囲んでいる。静かな夜、煙管(きせる)の雁首を…。
炉端でいま煙にむせてせき込んでいるのが親父(おやじ)です。

まずは試験航行。うまくいくことを祈るばかり。
おずおずと舵輪を握っています。手のひらは汗みづく。
暑い夏ですねえ…