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18歳以下の日別の自殺者数で突出して多いのが9月1日 夏休み明けに増える子どもの自殺の背景と予防の取り組み

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宮崎県内の自殺死亡率は全国と比べて高い状態が続いています。 

 

昨年度の宮崎県内の自殺者数は222人で人口10万人あたりの自殺死亡率は21.5で全国ワースト2位となっています。

 

なぜ自殺を選んでしまうのか、その背景や宮崎県内の自殺予防の取り組みを取材しました。

 

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こちらは宮崎県内の自殺者数を年代別にみたグラフ。

 

 最も多いのは70代、そして80代の高齢者で次いで、50代、60代も多くなっています。

 

 精神科医の高宮眞樹医師はコロナ禍に感じた孤独が今も影響していると指摘します。

 

 (高宮病院・高宮眞樹医師)

 

 「この3年くらい宮崎含めて全国的に自殺者数がわずかでも増加しているのはコロナによるいろんな仕事における問題が噴き出しているのかなと思う。

 

ソーシャルディスタンスといって体の距離だけでなく心の距離まで取らされた時期がありましたからそういう孤立・孤独が高齢者の自殺にもつながっていくんじゃないでしょうか」

 

    ■いのちの電話 「(電話の音)はい、いのちの電話です」 宮崎県では2019年に開設された「いのちの電話」。

 

 自殺予防を目的に、匿名で悩み相談に応じるもので、相談員が毎日さまざまな電話に対応しています。

 

 「辛いことが次々と押し寄せてきてもう疲れた」 

 

「どうしても死にたいという気持ちがなくならなくて。学校が嫌だ」 

 

 「消えてしまいたいという気持ちが抑えられない」 

 

去年、窓口には3500件を超える相談が寄せられました。

 

 高宮医師は周囲への相談が一つのストッパーになると呼びかけます。 

 

(高宮病院・高宮医師)

 

 「最後はやっぱり相談しないといけない。死にたいと思う気持ちをね、相談しなくちゃいけない。

 

(周りは)相談されたらそれを受け止めてあげるっていうのは大事かな」 今の時期だと夏休み明けの子どもたちの自殺も懸念事項の一つです。

 

 ■高校生の息子を自殺で亡くした女性は 若い世代の自殺について考えます。

 

高校生の息子を自殺で亡くした女性に話を聞きました。

 

(遺族の女性) 

 

「うちの場合は普通に学校に行ってて部活にも行ってて、急に、って形でした」 

 

宮崎県内に暮らす女性。およそ10年前、当時、高校生だった息子を自殺で亡くしました。 

 

(遺族の女性) 

 

「子どもがいなくなってしまって会いたくても会えない、話したくても話せない、触りたくても触れないってなったときの悲しみとか苦しみは本当に想像を絶するもので、その時に想像を絶するってどういうことかっていうのが身に染みたというかよくわかりました」  

 

  突然、自ら命を絶ったわが子。優しい性格だったという息子は友達にも慕われていた様子で自殺に至った正確な理由は今も分かっていません。

 

 (遺族の女性)

 

 「いつも人の面倒を見てる分自分の弱さっていうか悩みは言えなかったのかもしれないですね」 

 

 女性は今も息子を思いながら日々、過ごしています。

 

 (遺族の女性) 

 

「あの子はどんな大人になって、どんな人と出会って子どもが生まれたんだったらどんな子だったかな、とかどういう人生を過ごしてたのかな、というのはよく思い出しますし、誕生日の頃とかは今年でいくつだなっていうのがありますので」

 

 ■永遠の死ではなくて一時的な死であるリセットするんだという死生観 精神科医・高宮 眞樹医師は子どもの自殺について次のように話します。 

 

(高宮病院・高宮 眞樹医師) 

 

「親御さんとか先生は子どもは自殺しないって思ってらっしゃる方が多いと思うんですよね。

 

子どもは病気で死ぬよりも交通事故とか溺れて死ぬよりも自殺で死ぬ方が多いんですよ、というのはわかってもらわないといけないんですよね」  

 

  さらに高宮医師は大人と子どもでは「死に対する考え方」が違うことを知ってほしいとしています。

 

 (高宮病院・高宮 眞樹医師) 

 

「子どもは生きてる世界が狭い、小学校4年生ぐらいまでだと家庭が全て、高校一年生までは学校がすべてなのでそこで行き詰ると世の中が終わりになってしまう。

 

小中学生では死というものが永遠の死ではなくて一時的な死であるリセットするんだという死生観というか考え方が違う。

 

高校生になってくると死は永続的なものであるとわかってくる」 

 

 内閣府が独自に集計した18歳以下の日別の自殺者数では突出して多いのが9月1日で夏休み明けの時期となっています。

 

 (高宮病院・高宮 眞樹医師)

 

 「いじめだけではなくて学業の問題を持った子もいるでしょうし、目の前に学校が始まってしまうっていうので逃げてしまう。その手段として自殺を一時的なリセットとして考えてしまう」 

 

息子を自殺で失った女性は自分は一人ではないことを忘れないでほしいと強く訴えます。 

 

(遺族の女性)

 

 「とにかく死ぬっていうことを一人で決めて選ぶのだけはせっかくの命を(絶つ)そんな人がいなくなってほしいのでそういう選択だけはしてほしくないなと思います。

 

いなくていい人なんて誰もいないと思う、そして大切じゃない命なんて一つもないと思いますので大事な大事な命なので自分を大事にしてほしいなと思います」 

 

こちらは年代別の死因です。

 

10代から20代では事故や病気よりも自殺が最も多くなっています。

 

 高宮医師が言っていたように子どもは些細な事で自殺を考えてしまうのかも しれませんね。

 

 夏休みの宿題が減っているということですが宿題の提出が夏休み明けの子どもたちのプレッシャーの一つにもなるので減らしていると話す学校もありました。

 

 髙宮医師は子どもたちの向き合い方について

 

 ・「うるさがられない程度に」声かけして見守る 「学校に行かなくてもいい」など 

 

・逃げるのを保障することが大切だとしています。

 

 相談窓口です。

 

 「宮崎いのちの電話」は0570・783・556 毎日相談を受け付けていますが、受付の時間帯が曜日によって異なるためご注意ください。 全国の「いのちの電話」はこちらを参照してください。

 

 https://miyazaki-inochi.jp/nationwide/

 

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