『秘密の新選組』 三宅乱丈
知人が突然貸してくれた『秘密の新選組』です。
さほど親しくもないのに、これを貸してくれるのはどうなのか?
と思いつつも感想など。
男の乳首を乳房に変える秘密の薬を飲み、密偵などをこなしていた新選組。
しかし近藤のちょっとした悪戯により、近藤、土方、沖田、藤堂、原田の5人が
薬を飲むハメに。折しも時は、池田屋襲撃。
とんでもない秘密を抱えてしまった新選組の運命や如何に!?
という、まさにトンデモ設定の突き抜けたギャグ漫画です。
抱腹絶倒、と言いたいところですが、正直、笑いという点では
いささか微妙です。
自分の悪戯が原因なのに全く悪びれない豪快な近藤。
最初は怒髪天を突く勢いだったものの、その後呑気に過ごす原田。
永倉に胸キュンしてしまう乙女藤堂。
近藤の古女房のごとくヒステリックに喚き散らす土方。
この辺りまでは、大いに笑い飛ばせるのですが
(土方はちょっとアレか?)、問題は沖田。
沖田は不運にも女と勘違いされ、ならず者達に乱暴されてしまうのですが、
このシーンがいささか惨すぎる。
無茶な設定なのに妙なリアリティがあって、かなり重いです。
この深刻なパートと、「斉藤が原田のオッパイに惑わされながらも、
オッパイの崇高さに目覚める」というアホ話や、平助が命を助けてくれた
永倉にキュンキュンしっぱなし、といった笑いどころが、
分け隔てなく繰り出されるのです。まさに渾然一体。
笑い難いわ。
ただ、この大笑いするしかないような勢いの馬鹿騒ぎと、
残忍さや狂気を孕んだ異常性が混在する様は、
実際の新選組にかなり近いのかもしれません。
シリアスな部分もギャグの部分も同じハイテンションなせいか、
しっかり馴染んでいて、不思議な説得力があります。
今後もこの調子で突き抜けるのでしょうが、
どんな力業をみせてくれるのか興味深いところです。
様相は全く異なるのですが、
「こんな設定なのに辻褄が合っていてしかも変に真実味が!」
という点で、『日出処の天子』 を思い出しました。
好きだったなー。
『ブリキの太鼓』 ギュンター・グラス
ブログのジャンルが「本・書評・文学」な事を忘れかけてました。
『ブリキの太鼓』と言えば、子供が奇声を発しながら
狂ったようにブリキの太鼓を打ち鳴らす映画 を
思い浮かべる方も多いと思いますが、あれの原作です。
特徴は何と言っても全編を貫く、異様で気持ちの悪い雰囲気。
ストーリーは、醜い大人の世界を拒絶し3歳で自ら成長を止めた
オスカルの目を通して、偏執的に、しかし淡々と、戦争へと向かう
ポーランド・ダンツィヒの日常を描いたもの。
執拗な緻密さで描写されるオスカルの見る世界は、
一見冷静であるにも関わらず醜く歪んでいる。
しかし、読み進めるうちに、最初はオスカルの歪みだと思っていたものが、
忠実な現実の描写にすぎないと気付かされます。
戦争と関係あったりなかったりしながら、オスカルの周囲の人々は
次々と死んでいきますが、どの死も馬鹿馬鹿しく尊厳の欠片もない。
語り手であるオスカルさえも、その馬鹿馬鹿しさから逃れることは出来ない。
意志の力で成長を止め、奇声を発してガラスを割り、
ブリキの太鼓で人心を操る事も可能な彼でさえ、
自らを取り巻く大きな流れの前には極端に無力です。
途中オスカルは自ら多少の「成長」を選びますが、その「成長」すら、
物事を良い方向へは導かない。無意味なのです。
この世は滑稽で愚かで、しかし誰も何かを変えることなど出来ない、
流される以外の道はない。
物語のラスト、年齢的には30歳になったオスカルには、
語る事も行くべき場所もありません。
ただひたすら迫ってくる、得体の知れない恐怖に怯えている。
甘い救いなど用意していない、厳しい物語です。
これがグラスの考える、現実そのものなのかもしれません。
赤と白に塗り分けられたブリキの太鼓や、祖母の4枚重ねのスカートが
ポーランドや国家や世界情勢をあらわしている、といった具合に
何かと暗示されている事柄が多い小説ですが、
深読みしたらキリがなく、とてつもなく読みにくい話だと思うので、
知識が無いくらいが丁度良いかもしれません。
…負け惜しみです。
しかしこの小説とオスカルがあまりにグロテスクなお陰で、
もともと子供が嫌いな私は、うっかり
「やっぱり子供の造形って気持ち悪いんだ」と納得するところでした。
危ない危ない。気をつけないと。
J1リーグ 第30節 清水エスパルス×ガンバ大阪
あの天候でもピッカピッカの日本平の芝を見ながら、
かつてジャングルと砂漠みたいな状態だった事もあったなあ、
と懐かしく思い出した第30節 です。
6年前に勝った試合 ってやつは、さっぱり思い出せないんですが。
それにつけても3対1。ガンバ相手に3対1。
1点は失いましたが、
ロスタイムまで「ガンバは3分あれば3点取るから!」と
怯えていた身としては最高の結果でした。
とにかく守備への集中力と連動性が素晴らしかった。
攻撃もたいへんな効率の良さ。
残り試合もやっかいな相手ばかりですがこの調子で!
怪我だって言ってたし 今日は明神居ないのか、
と思っていたら、後半25分に交代してて驚きました。
確かに台風20号に夢中になってスタメン聞いてませんでしたが、
どれほど相手チームを見ていないんだと呆れた次第です。
Jサテライトリーグ 清水エスパルス×ジュビロ磐田
そんな訳で前日のエコパで残念なお腹の状態になりながらも、
はりきってダービー に行ってきました。
試合は秀人やヨシくんが普通にスタメンだったジュビロが圧勝。
久しぶりに見た山西が、対面のヨシくんにチンチンにされていて
複雑な気持ちになりました…
森本くん 、元気にしてますか?
こりゃトップには出られない訳だ、なんて結果は本当に残念なので、
今日のエスパのメンバーには、なんとか奮起して頂きたいものです。
しっかし山本康裕は風格あるね。
ピッチ上でもっとも大人っぽかった。
帰りは三保から抜ける道が酷い渋滞だったので、
バスを待つのを止めて歩いてみました。
何故か調子にのって、清水駅まで歩いてしまいました。
駅に辿り着く頃にはすっかり日も暮れ、再び腹を冷やしました。
…バカじゃないの?
J1リーグ 第29節 ジュビロ磐田×鹿島アントラーズ
家に帰ったらそれほどサッカーを見ない母までもが、
キャラ、たってんなあ。
お互いにメンバーも成績も集客も昔の面影は薄れているのに、
苦手なのは相変わらずなんだから嫌になっちゃいますね。
まあ、今回は相性っていうか、普通に力負けだなー
西くんのシュートは、そろそろ全部まとめて1点、
とかになりませんかね?
10月も下旬だというのにうっかり腹巻きを忘れて
お腹が冷え切りました。油断大敵。
しかし、腹巻きを忘れる程自分がぼんやりしていたせいで、
何となくまったりと試合を見てしまったのか、
それとも試合がまったりしていたせいで
商品の引き替えを忘れる 程ぼんやりとしてしまったのか、
そこのところがイマイチ判然としません。
すごく上手な草サッカー見てるみたいな、
あの気持ちは一体なんだったんだろう?
J1リーグ 第28節 清水エスパルス×名古屋グランパスエイト
投稿するの忘れてた。
俊哉が居なくて意外と本気で落胆した28節 です。
いやいやむしろラッキーだ、と気を取り直していざ試合。
噂通りのスタメン変更でしたが(西部さん…)、
試合前に海人を見ていたら異常に緊張してしまって困りました。
後半30分くらいに相手にかわされて時は
はらひれはれほれとなりましたが、
和道の母のような頑張りで事なきを得ました。
ともかく無失点!よかった!
ジェジンもお見事。さすがはストライカー。しかもイケメン。
名古屋は、この試合を見ていても、これまでの結果を見ていても、
強いのか弱いのかさっぱり分かりません。
印象に残ったのは本田と金の体の強さと、アウェイユニの黄緑色。
あんなんだっけ?
『我らが影の声』 ジョナサン・キャロル
- ジョナサン・キャロル, 浅羽 莢子
- 我らが影の声
今回特に、未読の方は特にお気を付けて。
ミステリーというよりは恐怖小説にあたるかと思うのですが、
これが何というか、怖くありません。
死んだ兄をモデルにした小説が戯曲化され、
一躍脚光を浴びた新進作家、ジョセフ・レノックス。
しかし自分が書いた小説とはあまりにかけ離れた内容の演劇で注目を
集めてしまったジョーは、複雑な思いを抱えたままウィーンで
作家活動を続けている。
そこで彼は、金持ちで映画狂の魅力的な夫婦と知り合い、生活が一変。
孤独だった毎日が活気に満ち、人生が輝き出す。
しかしジョーには、兄の死にまつわるある秘密が…、
といったストーリー。
私は気が小さいので、死後の世界を信じていないのに幽霊が怖いし、
海に入ればサメ が出ると思っているし、
映像で呪いのビデオ を見てしまったら大変なので
貞子とは小説でしか、お目にかかった事がないのです。
だというのに、怖くない。
正確に言うと、色々な事態が起こっている最中は怖かったのですが、
決定的に怖さを削ぐのは物語のラスト、エピローグの部分です。
衝撃的な出来事により、人を一切信じられなくなったジョーは、
ギリシャのフォルモリ島で完全に孤独な生涯を送ることになります。
家は簡素な石造り。二百フィート先は波打ち際。
ドアのそばに木のベンチを置いて、何時間でも腰かけている。
夕方になると、夕食の材料にする魚や肉が届く。
…何の問題もありません。
ここでうっかり羨ましいと思ってしまったおかげで、全てが怖くなくなりました。
正直憧れます。
まあ、こんな事を言っていても「完全なり孤独」なんて経験した事は
ないんですが。
以上、家族と楽しく生活する奴の気楽な話でした。
J1リーグ 第25節 清水エスパルス×ヴァンフォーレ甲府
後半8分くらいに西部の所にやってきたのは、
あれは、噂に聞く笑いの神様だったのか?
失点しなかったんだから、神様神様
おかげでこちらも集中力を取り戻す事が出来ました。
この暑さはきっと夢だろう、
なんて考えているうちに、9月も中盤になってましたが、
どうやら夢や気のせいではないようなので
試合開始は日が暮れてからにして下さい。
倒れるわ。



