僕が死ぬ日・・生まれる日 -39ページ目

僕が死ぬ日・・生まれる日

僕が死んで・・生まれる日までの記録

「今、うち・・やばいのよね!」

そんな美香の言葉の意味は直ぐにわかった。

今まで木村の家はもの凄い金持ちだと思っていた私は呆気にとられた。

「やばいって?どの位?」

そう私が聞くと美香は笑いながら言った。

「あなたが知ってるうちのマンションも土地も全部無くなったわ!

今、あるのはあの家だけ・・

そう言えばどの位かお解かり頂けるかしら?」

笑顔でなんとも重い話をするものだと思った。

「何で?あんなに順調だったじゃないか?

木村もよく自慢していたんだぜ!俺は天才だ!なんて言って・・」

そんな私の言葉に美香は私を睨みながら言った。

「あなたが・・木村を捨てたからよ!」と

捨てた?何時俺があいつを捨てたんだ??

今だってこうして付き合いはあるじゃないか?何時?それは言いがかりだろ!

「俺が?何時・・馬鹿な事を言うなよ!」

私の真剣な表情に美香は少しだけ後悔したように呟いた。

「ごめんなさい!言い方が間違っていた・・

あなたと連絡が取れなくなってから・・かな?」

この2年程、私は殆ど木村と連絡を取る事を避けていた。

「留守電大魔王!」

なんて木村が私に嫌味を言う気持ちもよく解る。

私は殆ど、木村かの電話に出る事はなかったのだ。

なぜなのか?正直、自分でも解らない。

確かに仕事が忙しかった事は確かである。

でも、それは多分、言い訳でしかない。

きっと、私は木村と言う人間から逃げたかったのかも知れない。

なぜ?と聞かれたらはっきりと理由を言う事は出来ない。

でも、多分、私は木村と言う人間から逃げたかったのかもしれない。

「あなたの携帯が何時も留守電でね!

電話をする度にあいつは悲しそうな顔をしていた。

なんか意味不明よね!あんたの事なんか親友だなんて思ってないくせにね!

でもね!私にはなんとなく解るのよ!その時の彼の気持ちが・・

あなたは彼にとって絶対の人間だったの!

絶対に自分の前から消えない人間だったの・・きっと

別にあいつと遊べなくっても関係ない!なんて強がりをよく言っていてわ!

そしてどんどん、悪い仲間とつるむようになった。

たかられてね!何時もあいつの財布には100万くらいの現金が入っていた。

でも、たまにお金を払うあいつを見ると嬉しそうじゃないのよ!

若い頃、あなたにおごってあげていた頃のあいつの顔じゃ無かった・・

もしかしたらあいつは、あなたの代わりを必死に探していたのかもしれないね!

それから今まで夜、飲みになんか行かなかった男が毎晩のように出かけて行った。

埋めたかったんだろうね!心の隙間を・・

坂本誠と言う人間が消えた隙間をきっと何かで埋めたかったんだと思う。

本業以外にも不動産とか株とか色々と手を出すようになった。

もう止めなよ!って一度、言った事があるのよ!

そうしたらあいつ何て言ったと思う!

あなたを見返してやるんだ!って言うのよ!もっと金持ちになったら・・

あいつは戻って来るから・・って

それが全部、失敗してね!それに追い討ちをかけて本業の水道屋の方も傾いて・・

あいつの目論見が何か知りたいんでしょ!

あいつはね!一番、大切な物を捨てて、生きる事を選んだのよ!

でも、私はあいつを責められない!

だって私も共犯だもんね!あいつに食べさせてもらってるんだから・・

可愛そうだと思わない?金も無いのに見栄ばかりで生きてる男なのよ・・

あいつは・・」

私は居たたまれない気持ちで美香の話を黙って聞いていた。

私が・・私があいつから去った事があいつを変えてしまったと言うのか?

私が・・

「加藤と言う男を知っているかい?最近、木村とつるんでいる奴なんだけど?」

「加藤?なんか聞いた事があるわ!何でも彼の父親は政治家と太いパイプを持った

不動産屋でね!きっと、都の指定業者にでも潜り込ませてもらいたいとお願いをしたのでは無いかしら?とりあえず指定さえ取れれば仕事は安定するから・・」

友情を捨てて・・生きる事を選んだ。

その為に俺を加藤に売ったと言うのか?

ならば、買った加藤の目論見は何なんだ?俺への嫌がらせか?

そんな単純な事でこんな大掛かりな仕掛けを仕向けて来るだろうか?

加藤の目論見が見えなかった。

木村をそそのかして私を苦しめるあいつの本当の目論見が・・

「ねぇ~坂本君!別にあいつを許せとは言わないけど・・

あいつを嫌いにならないでくれないかな?きっとあいつなりに苦しんでいると思うから」

美香はそう呟き、私の手を握った。

休憩中のおっさんが、なにやらまた、短編を書き始めました!


お時間のある時にでも読みに来て頂ける非常に喜びます!


短編小説「ダイヤモンドダストの舞い降りる夜に・・」

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一応、5話完結と言っておりました!

しかし、あてにはなりません!多分・・5話で完結だと思います!


よろしくね~~~!


※連載中の小説をホッポッて休憩に入ってるため、限定記事での更新になるそうです!

アメンバー登録も再開しましたのよろしくね!

「あら珍しいわね!あなたから電話が来るなんて!」

「お前・・知ってただろ!木村が俺が騙していた事!」

そう私が激しい口調で怒鳴ると美香は楽しそうに言った。

「あら、案外早く気がついたのね!つまらない!」と

「お前・・ふざけんなよ!」

「それであんた、今、何処に居るの?もしかして蒲田?」

白々しく美香は私に呟く。食えない女である。

「ああ・・そうだ!蒲田だよ!」

「うちの旦那様は一緒じゃないの?

そんな訳無いわよね!こうして私に電話して来てるんだから・・

良かったら今から会わない?どうせ何か私に話があるんでしょ!

今、旦那から今夜も接待だから遅くなるって電話があったのよ!

誰の接待なんだか?知らないけどね!」

美香は楽しそうにそう私に言った。

「京浜蒲田の改札に来て!」

美香はそう私に言うと電話を切った。

私はそのまま京浜蒲田の駅を目指し歩き始める。

駅に着きしばらくすると改札から美香が現れ私の顔を見るなり笑いながら言った。

「あんた!相当、激しくいじめられたのね!顔・・げっそりしてるよ!」と

私は不機嫌そうな目つきで美香をにらみつけた。

「お~こわ!とりあえず何処かに入りましょうか?」

私は美香と二人で馴染みの飲み屋に向かった。

「で?私に何が聞きたいの?」

注文したハーフ&ハーフが来るとそれを美味そうに飲み干しながら美香は言った。

「木村の狙いは何なんだ?親友の俺を騙してまで手に入れようとしてるものは?」

私が真顔で美香にそう呟くと美香は少しだけ私を馬鹿にしたような顔をした。

「あんた本当に良い奴よね!」

そう言いながらボーイにおかわりを注文する。

「良い奴ってどう言う意味だよ!」

私は思わず声を荒げて美香に怒鳴る・・

美香は周りを気にしながら私を諭すように言った。

「怒らないでよ!別に悪い意味で言ったのではないのだから・・」と

「あいつはね!昔からこれっぽっちもあなたを友達だなんて思って居なかったのよ!」

その言葉は私にとって衝撃的な言葉であった。

「友達なんて思って居なかっただって!

だってあいつは何時も俺を誘ってくれて!いろいろな物をおごってくれて・・

飲みながら沢山の夢を語って・・

それに・・それに・・

お前なんかが知らないくらいの沢山の時間を俺達は一緒に友として過ごして来たんだぞ!

お前!適当な事言うなよ!」

そんな私を美香はより哀れそうに見つめ・・

そしてそんな私を愛しそうに見つめた。

「あなたはね!あいつにとって丁度良いおもちゃだったのよ!

暇な時には呼べば直ぐに来るし!適当に友情だとか友達とか言っていれば逆らわない!

適当にたまにおごってあげてあいつは優越感に浸れる・・

俺より貧乏で哀れな奴がここに居るってね!

あんた、私と彼が付き合って居た頃、よく、一緒に居たでしょ!

あれはね!あなたにアリバイを作ってもらって居たのではないのよ!

見せびらかしていたのよ!私を・・もてないあなたに・・

女に全然、縁の無い童貞の哀れな男に・・見せびらかして優越感に浸っていたのよ!」

「嘘ばっかり言うんじゃね~~よ!」

店に居た数人の客が驚いたように一斉に私を見つめる

そして美香と私を見つめながらヒソヒソ話を始める・・

「別れ話かしら?女の方は美人だもんね!男も大変よね!」

「最低!何よあれ・・大声出してみつともな~~い!馬鹿!」

私にはそんな周りの陰口など関係が無かった。

それ程、木村を侮辱した言葉が許せなかったのだ!

美香は私を睨みつけながら言った

「あんた・・いい加減に認めなさいよ!逃げているだけじゃ駄目なのよ!」と

氷のような・・

私の全身を凍らせるようなそんな冷たい言葉で・・

「あんただって・・本当は昔から気が着いていたんでしょ!

本当のあいつにの心に・・」

美香はバックからタバコを1本取り出し火をつける。

冷たい・・まるで敗者でも見るような目であった・・

しかし、その奥にある暖かな優しい視線はきっと、私だけが気が着いてあげれる

視線だったのかもしれない・・

本当の美香を知ってる・・私だけが・・

落ち込んでいる私を気遣うように美香が言った

「あなたには私の家がどう写っているか解らないけど・・

結構、今、うち・・やばいのよね!」

真顔でそう呟く美香を私は驚いた顔をして見つめた。