海老蔵 4訪目。

シトシトと冷たい雨の降る、秋の夜。
しん、と静まり返ったこの界隈で、
ここだけは、次々と来客の途切れることがない。
さすがは、人気の店だ。

今日は、かねてより懸案の 「黒」 を。
味玉プラス & 麺固めでオーダー。

この店のバリエーション (白黒赤黄) の中で、
一番人気が「黒」とのことだが、
これまで、他の色の方に先に興味を惹かれてて、
「黒」が、いちばん後になった。

さて、到着したそれは、
いつも通りに、ぶ厚くどっしりとしたビジュアル。
この店に来て良かった、と思う瞬間だ。
黒(マー油)の香ばしい香りが、心をくすぐる。

マー油を使う店は多々あれども、
これがなかなか、扱い方が難しいようで、
「見事」 と言える店は意外に少ない。
ここの 「黒」 は、いかにもこの店らしく、
この個性の強い風味を存分に活かした上で、
同時に、上質に演出することにも成功していて、
見事!というほかない。

ところで、
いつも思うことなのだが、この店のラーは、
初口が、あれ?と思うほどに “薄味” である。
スープが薄いのか、と確認してみると、
滋味も塩気も充分で、決して薄くはない。
そして、食べ進んでいくうちに、
徐々に、麺がスープに馴染んできて、
良い塩梅に味が載ってくるのだ。
最初からいきなり ガツン!とやるのではなく、
徐々に、この世界に引き込んでいこうという
意図があるように思えてならない。

さあ、これで温麺の 白・黒・赤・黄 を一巡した。
あとは、「つけ麺」を食すれば、
この店の基本メニューを、ひととおり制覇する。
私の場合、「つけ麺」は
つい後回しになりがちなのだが、
近いうちに、試してみたい。


(オールディーズ♪の流れる店内)



3訪目。

信じがたいほどに、すがすがしくて美しい海と、
この地に産する稀少な“宝石翡翠”に魅せられて
糸魚川を訪れること、既に片手では足りない。

このラー屋、
数年前に、ケータイで初めてその存在を知って、
以来、毎回訪れるようになった店である。
ほとんど海の真横といって良いロケーション。
晴れの日なら、窓の外の海が一際美しく輝いて、
雨の日ならば、深い味わいの旅情に浸らせる。
今日は、快晴だ。

「おっちゃん」 というのは、おそらく先代であろう。
現在は、女性3人が勢い良く切り盛りする。
ちょうど昼どきということもあり、店内ほぼ満席。
今まで 「グラグラ(辛いラー)」 ばかりだったから、
今回は、“看板メニュー” をいってみよう。

店名を冠する、『おっちゃんラーメン』 を麺固めで。

極細刻み海苔の“精密な黒”が目に鮮やかだ。
色どりの良い、野菜炒めが載せられ、
中に、カマボコやホタテの燻製の姿が見える。
中央に、ドカッと乗せられている謎の塊は、
なんと、大きな “鱈の燻製” であった。
確かに、鱈はこのあたりの冬の<名物>である。

細かい白い粒の混じる、味噌系のスープ。
この粒は麹のような気がするが、定かではない。
味噌ならではの豊穣さと、ほどのよい甘みと、
溢れんばかりの、海の滋味。

キリッと締まってコシの強い、加水率高めの細麺。
キュッと強い縮れで、スープを良く持ち上げ、
その食感も、マコトに小気味良い。

いや~、ここまでの “オリジナル・ラー” には、
滅多に、お目にかかれるもんじゃない。

特に嬉しいのは、それが奇を衒ったものではなく、
この地では <必然の組み合わせ> による、
どっかりとした、土着の匂いプンプンの、
ホンモノの “地域ラー” であることである。



(ホンモノの “地域ラー” の店)



新潟県糸魚川から、青海を経て、
親不知~富山県朝日町に至る 「ひすい海岸」
これほどまでに美しい海は、
他に “絶無” だろうと思っている。
約2年ぶりの訪問。

残念ながら今回は無収獲であった。
清らかですがすがしい “神話の雫(しずく)”は、
本当に、本当に、稀少である。






                        ※ 波打ち際で活躍する手製道具



初訪。
念願叶って “富山ブラック” 発祥のこの店へ。

このブランディングとメディアへの露出によって、
徐々に認知されるようになってきたのは、
わりと最近のように思えるのだが、
このラー自体の歴史は、実は驚くほどに古い。

『中華そば 大(1.5玉)』 をデフォで。