初訪。

舘山寺の湖岸をめぐる、細い散策路沿い。
店の裏から即、ボートが漕ぎ出せるロケーション。

いわゆるラー情報では、
まず、お目にかかることのない店だが、
この ①場所と②ラーと③カフェ という組合せが、
不思議と惹かれる “何か” を醸し出していて、
今まで、ずっと気になっていた。

『チャーシューメン(塩)』 をデフォで。

思った通りの <イージー系> ではあるが、
スープ、麺、具材のそれぞれに、
一応の意志が載っていることを感じる一杯。

少し量が少なめの、塩スープ。
意外な位に、とんこつの炊き出し具合が豊かで、
その、ちょっとした “びっくり感” が面白い。

麺は、加水率高めの細麺。ほぼストレート。
わずかに緩いウェーブを見せる。
しっかりとしたコシ。一応の存在感もある。

具材の、チャー、メンマ、海苔、ナルト。
どれひとつとして、特筆すべきものではないが、
実に丁寧に並べられた、
その気持ちは、ひしひしと伝わる。

この店の <イージー系> たる所以は、
職人的な美意識のスタンスではないことと、
材料に、それほど投資をしていないこと(たぶん)。

こんな、GOODなロケーションの中で、
最高のラーを食してみたい気も、確かにするが、
世の中は、要・不要のところで
不思議にバランスがとれているものだ。

<観光地ラー> という分野では、
もしかしたらこれが “正解” なのかもしれない。



(後日撮影:店の裏)

(“観光地ラー” という異分野)



初訪。

ここ数ヶ月ほど、
浜松は、ちょっとした新店ラッシュの感があるが、
その中でも、特に気になっていた店だ。

以前、「荻窪ラーメン十八番」があった場所に、
ガラリとイメージの異なる渋~い店構え。
荻窪十八番 はどこへいったのかというと、
道を挟んで、すぐ斜向かいに移転している。
この2店は いったいどんな関係があるのだろう。

店に入って真正面の奥に、
腕組みをした店主の、大きな版画が飾られて、
強いまなざしで、こちらを見ている。
あたかも一個の芸術家のごとく、
自己そのものを “売り”とする姿勢のようだ。
店構えと言い、この肖像画といい、
その<美意識>には、強い“芯”がある。
よぉ~し、期待出来そうだ。

『特製しお中華そば』 を麺固めで。

全ての状態がベストのタイミングで提供された、
実に端正にして、精緻なビジュアル。

あかるい黄金色の塩スープが、キラキラと輝く。
スッキリ系だが、充分な厚みと深みを持ち、
ピンとした、志の高い香気が立ち昇る。
明瞭な塩角も心地良い。

加水率やや低めの、極細の縮れ麺。
このスープに、これ以上ない程のマッチングだ。
そして後味に、えもいわれぬ香りを残す。
ノスタルジックで官能的な香りである。

具材は、チャー、メンマ、海苔、ナルト、青ネギ。
特筆すべきは、実に整然と並べられだチャー。
脂身のほとんどない部位を使っているのに、
やわらかくて、ジューシーな “逸品”だ。

唯一物足りないのが、全体のボリューム感。
麺の量を、少し増やしてくれると嬉しいのだが…

-とはいうものの、
これだけ筋の通った新店の登場は実に貴重だ。
その美意識と心意気!心から応援したい。



(“美しい”新店の登場)



正月の帰省で、千葉の中心街へ。

いや~実に久しぶり。何年ぶりになるだろうか。
この店は、自分がラーにハマりはじめた頃に、
足繁く通った店のひとつである。

店内ほぼ満席。運良くすぐ着席出来たが、
引き続き来客続々で、すぐに外待ちが出来る。

『鬼こってり(赤)』 を、全部のせ・麺固めで。

かつて、この店のメインは、
九州とんこつだったように記憶しているのだが、
現在は、九州とんこつを独自に発展させた
<オリジナル・ラー> を主軸にしていて、
上記メニューも、そのひとつである。

濃厚で赤いとんこつスープの表面を、
大量の背脂が覆い尽くす。塩気はかなり高め。
これでもかぁっ!と投入された、
刻み生ニンニクの、強烈で刺すような刺激。
ハバネロ使用という、その辛さ具合は、
さほど極端なものではないものの、
ただごとならぬ緊迫感が、ひしひしと漂う。

加水率低めの、ストレート細麺。
小麦感良く、スープとの九州的マッチングが◎。

「全部のせ」 の具材は、別皿で提供。
前は、この方式ではなかったから、
最近になって、こうするようにしたのだろう。

さて、残念なのは、
これら(別皿の具材)が “冷えすぎ”ていること。
更に、ムッと “冷蔵庫臭”がクるところ。
これは、極めて重大な問題である。

久々に、パワフルなラーを食することが出来て、
それはそれで良かったのだけれど、
信頼が揺らいでしまったのは否めない。

そういえば、店員が殆ど入れ替わっているし、
あらゆる面で、以前と異なっていることに気づく。
店の人気は、依然として高いようだが、
昔の私を虜にした、あの美しく気高いマインドは、
もはや失われてしまったのだろうか!?

それとも、記憶を美化していただけなのだろうか。



(どうしたんだぁ、宗庵!)