ケララに魅せられて。その4
コーチンの朝。
何でしょう、これが名古屋ならどれだけ幸せか。
コメダでシロノワールなんかして、
おいしいものしかない大好きな名古屋で朝を迎えていたのなら、
どれだけ幸せか。
コーチンだよね。
コーチン違いだね。
ケララだよね。
インドだね。
そうだよね。
そうだ。
目覚めると体中が痛い。
それはそうでしょうよ、8時間オンザただただ硬い木に座っていたのですから。
旅人としての義務を果たすべく重い体に鞭打って立ち上がる。
もはや観光が義務と化す今日この頃。
妹がもうすぐ母親になろうとしているのに私は何をやっているんですか。
インドでどこかもよくわからないホテルに飛び込みで泊まって、
どこかもよくわからない場所に更に向かっている私は何なんですか。
ここがどこかも良くわからないけれど、
アイフォンに入れた地球の歩き方のPDFはこう言っている。
島があると。
そこには島があってポルトガル領のうんぬんで島人の宝の何かと。
船着場へ慣れないリキシャ交渉を経て(どうせボラれている、たぶん)
よくわからないままうまい棒も買えないぐらいの値段で手に入れたチケットを握り締め、
対岸へ。
対岸の彼女の元へ。
角田光代超好き。
船を(いつも通りおしあいへしあい)降りてまずはフォートコーチンに着岸。
シナゴーグへと。
ユダヤ教の何か。

もともとユダヤ教があって、そこからイスラム教とキリスト教が分かれていったなんてことは、
そこそこ新聞なんか読んでいれば誰だって知っているんでしょうけど、
実際ユダヤ教の寺院に入る機会なんてなかなか無いので、
何ルピーか払ってきらきらした建物に入る。
ごてごてしている。
VIICKYの一時のトレンドぐらいごてごてしている。
そしてやっぱり暑い。
1月だけど暑い。

すぐ近くのかわいらしいカフェでオランダのクレープみたいのを食べる。
私はインドでインド料理を食べない同盟の核となるメンバーなので、
オランダの何かを食べて、
カプチーノを飲んで、
そして残す。
ひたすらうろつく。
ポルトガル領時代のかわいらしい建物や教会たち。
かわいい。
本当に結構かわいい。

かわいい。

かわいい。

きもいわ。
そしてこれ!!!

チャイニーズフィッシングネット!
これぞケララ!
これが見たかった。
インドではここケララでしか見られない特別な漁。
ざーんって大きな網を下ろしてざーんって漁る。
他に形容のしようがない。
かわいい教会を巡って、
まあまあ汚い海とチャイニーズフィッシングネットを堪能して、
せっかく海辺にいるのでシーフードを、と思ってその辺の屋台に行き着く。

謎の木に蟹の甲羅のオープンエアーのお店。
ちなみに必要以上にフレンドリーな店員が接客してくれる。
カニ!!
この「クラブ」ってカニですよね?
部活の方でも有閑な方々でもなくて、
横に歩くあいつですよね?!!!!!!
と鼻息荒く注文したカニが

ザリガニみたいな感じだった。
98%甲羅だった。
あと、カニミソがそういえば食べられない、私。
もう帰りたい。
ムンバイに帰ります。
最後の試練はカタカリダンスと言うこれもケララ伝統の芸能。
メイクアップから見せてくれる。
目の動きで感情を表現することや、男性が女役も演じること、
歌舞伎に似ている。


まあ歌舞伎見たこと無いけどさ。
海老蔵なら見たことあるけどさ。
テレビで。
そしてくたくたになって南インドを後にする。
往路よりさらに時間を掛けて大きめのオートは空港へ。
エアインディアが遅れない。
それどころかスターアライアンスメンバーとしての自覚が芽生えたのか。
遅れない。
そんなのエアインディアじゃない!!!!!!
路/吉田修一

台湾って大好き。
食べ物も、人も、雰囲気も。
3回ぐらい行ったと思うけど、
九份も台北も大好きなんだけど、
最後に行った花蓮がダントツで好き。
そんな大好きな台湾の町並みがたくさん出てきて、
知っている地名が描写される度に懐かしくてうっとりして、
あの汗ばむ様な活気、たぶんまたすぐ行くんだろ。ふらっと。
そして世界に誇る日本の新幹線はとうとう我らがインドに進出の可能性が極めて高いだなんて。
それはそうだ。
新幹線なんて世界一に決まってる。
あんなにもアイメイクをノーストレスノーシェイクでできる乗り物なんて、
今まで見たことない。
インドの
電車かバスかオートで化粧なんてしようもんなら、
それこそカタカリダンスみたいになる。
カタカリダンスあるあるです。
インドあるある。
早く言いたい。
何でしょう、これが名古屋ならどれだけ幸せか。
コメダでシロノワールなんかして、
おいしいものしかない大好きな名古屋で朝を迎えていたのなら、
どれだけ幸せか。
コーチンだよね。
コーチン違いだね。
ケララだよね。
インドだね。
そうだよね。
そうだ。
目覚めると体中が痛い。
それはそうでしょうよ、8時間オンザただただ硬い木に座っていたのですから。
旅人としての義務を果たすべく重い体に鞭打って立ち上がる。
もはや観光が義務と化す今日この頃。
妹がもうすぐ母親になろうとしているのに私は何をやっているんですか。
インドでどこかもよくわからないホテルに飛び込みで泊まって、
どこかもよくわからない場所に更に向かっている私は何なんですか。
ここがどこかも良くわからないけれど、
アイフォンに入れた地球の歩き方のPDFはこう言っている。
島があると。
そこには島があってポルトガル領のうんぬんで島人の宝の何かと。
船着場へ慣れないリキシャ交渉を経て(どうせボラれている、たぶん)
よくわからないままうまい棒も買えないぐらいの値段で手に入れたチケットを握り締め、
対岸へ。
対岸の彼女の元へ。
角田光代超好き。
船を(いつも通りおしあいへしあい)降りてまずはフォートコーチンに着岸。
シナゴーグへと。
ユダヤ教の何か。

もともとユダヤ教があって、そこからイスラム教とキリスト教が分かれていったなんてことは、
そこそこ新聞なんか読んでいれば誰だって知っているんでしょうけど、
実際ユダヤ教の寺院に入る機会なんてなかなか無いので、
何ルピーか払ってきらきらした建物に入る。
ごてごてしている。
VIICKYの一時のトレンドぐらいごてごてしている。
そしてやっぱり暑い。
1月だけど暑い。

すぐ近くのかわいらしいカフェでオランダのクレープみたいのを食べる。
私はインドでインド料理を食べない同盟の核となるメンバーなので、
オランダの何かを食べて、
カプチーノを飲んで、
そして残す。
ひたすらうろつく。
ポルトガル領時代のかわいらしい建物や教会たち。
かわいい。
本当に結構かわいい。

かわいい。

かわいい。

きもいわ。
そしてこれ!!!

チャイニーズフィッシングネット!
これぞケララ!
これが見たかった。
インドではここケララでしか見られない特別な漁。
ざーんって大きな網を下ろしてざーんって漁る。
他に形容のしようがない。
かわいい教会を巡って、
まあまあ汚い海とチャイニーズフィッシングネットを堪能して、
せっかく海辺にいるのでシーフードを、と思ってその辺の屋台に行き着く。

謎の木に蟹の甲羅のオープンエアーのお店。
ちなみに必要以上にフレンドリーな店員が接客してくれる。
カニ!!
この「クラブ」ってカニですよね?
部活の方でも有閑な方々でもなくて、
横に歩くあいつですよね?!!!!!!
と鼻息荒く注文したカニが

ザリガニみたいな感じだった。
98%甲羅だった。
あと、カニミソがそういえば食べられない、私。
もう帰りたい。
ムンバイに帰ります。
最後の試練はカタカリダンスと言うこれもケララ伝統の芸能。
メイクアップから見せてくれる。
目の動きで感情を表現することや、男性が女役も演じること、
歌舞伎に似ている。


まあ歌舞伎見たこと無いけどさ。
海老蔵なら見たことあるけどさ。
テレビで。
そしてくたくたになって南インドを後にする。
往路よりさらに時間を掛けて大きめのオートは空港へ。
エアインディアが遅れない。
それどころかスターアライアンスメンバーとしての自覚が芽生えたのか。
遅れない。
そんなのエアインディアじゃない!!!!!!
路/吉田修一

台湾って大好き。
食べ物も、人も、雰囲気も。
3回ぐらい行ったと思うけど、
九份も台北も大好きなんだけど、
最後に行った花蓮がダントツで好き。
そんな大好きな台湾の町並みがたくさん出てきて、
知っている地名が描写される度に懐かしくてうっとりして、
あの汗ばむ様な活気、たぶんまたすぐ行くんだろ。ふらっと。
そして世界に誇る日本の新幹線はとうとう我らがインドに進出の可能性が極めて高いだなんて。
それはそうだ。
新幹線なんて世界一に決まってる。
あんなにもアイメイクをノーストレスノーシェイクでできる乗り物なんて、
今まで見たことない。
インドの
電車かバスかオートで化粧なんてしようもんなら、
それこそカタカリダンスみたいになる。
カタカリダンスあるあるです。
インドあるある。
早く言いたい。
ケララに魅せられて。その3
たどり着いたアレッピー。
8時間のクルージング・オン・ザ・硬い木のせいで、
もはや真っ直ぐ歩けない。
もう一人で歩けない。
純一郎も言っていた。
フォーエバー・ラヴ。
フォーエバー・ドリーム。
ちょっと何言ってるかわかんない仲良くなりかけた、
いやしかし決して連絡先を交換するほどではない、
そのアドバンテージが見当たらないのでそんなオファーもすることのない、
多国籍の人たちとさよならを言って船着場では、
その辺の宿屋の客引き達が群がってくる。
もう日は沈んでいるしそのままどこかに泊まることも頭をかすめたんだけれど、
私って自分に厳しいタイプの人間だから、
コーチンに行きます、とかっこ良くその場を離れて、
歩いてすぐのローカルバス乗り場へ。
コーチンへ戻る。
北へ。
来た道をまた北へ。
何の情報も無いまま、英語はおろかヒンディーも伝わらないまま、
何となくコーチンっぽいバスに乗り込む。
1時間半、何を考えていたんだっけ。
確かミスチルばっかり聞いていた。
駅らへんで降りる、駅、わかる?
ステーションだよステーション!
ステーションで降ろせ!!!!!
って大騒ぎして、駅が全然見当たらないところで降ろされた。
英語もヒンディーも通じない気の弱そうなおじさんが一緒に降りてくれる。
何となく「ぼくも駅に行くから一緒に行こう」
みたいなことを言っている気がしないでもない。
言葉なんか必要ない。
そして少し東へ向かったところに南側ジャンクションの駅を発見。
バスの車掌さん、疑ってごめん。
ありがとう。
英語もヒンディーも通じないおじさん、ありがとう。
ただ駅に着いたところで別にホテルを予約しているわけでもなく、
地球の歩き方によるとこの辺にまあまあちゃんとしたホテルがあるって言うから
来てみたけど、
そんな簡単に見つかるわけもなく、
もうすっかり夜で黄色人種のましてや女なんか一人もいないし、
これはやばいやばい、
その辺のHotelって書いている所に入ろうとするももういっぱい、とか言われるし、
これは駅で野良人間の仲間入りですかって思っていたところで、
地球の歩き方の件のホテルを発見しました。
ほぼ半泣きで
「私ね、この日本のガイドブック見てここに来たんだけど、
ここにすっごーく良いホテルって書いてるでしょ?
だから私もきっとフィードバックするよ?
だからお部屋あるよね?
あ・る・よ・ね?!」
と凄んで、無事エアコン無しのお部屋、しめて2,000円弱を確保した。
駅前で買ったカレーとナンがやっぱり予想通り、
おいしくなくって半分以上残して、
お湯は出るんだけどシャワーからは決して出ない、
なぜか蛇口からだけ熱湯の出るバスルームで悪態をついて、
暑い暑いと言いながら泥のように眠る。
何て日だ。
8時間のクルージング・オン・ザ・硬い木のせいで、
もはや真っ直ぐ歩けない。
もう一人で歩けない。
純一郎も言っていた。
フォーエバー・ラヴ。
フォーエバー・ドリーム。
ちょっと何言ってるかわかんない仲良くなりかけた、
いやしかし決して連絡先を交換するほどではない、
そのアドバンテージが見当たらないのでそんなオファーもすることのない、
多国籍の人たちとさよならを言って船着場では、
その辺の宿屋の客引き達が群がってくる。
もう日は沈んでいるしそのままどこかに泊まることも頭をかすめたんだけれど、
私って自分に厳しいタイプの人間だから、
コーチンに行きます、とかっこ良くその場を離れて、
歩いてすぐのローカルバス乗り場へ。
コーチンへ戻る。
北へ。
来た道をまた北へ。
何の情報も無いまま、英語はおろかヒンディーも伝わらないまま、
何となくコーチンっぽいバスに乗り込む。
1時間半、何を考えていたんだっけ。
確かミスチルばっかり聞いていた。
駅らへんで降りる、駅、わかる?
ステーションだよステーション!
ステーションで降ろせ!!!!!
って大騒ぎして、駅が全然見当たらないところで降ろされた。
英語もヒンディーも通じない気の弱そうなおじさんが一緒に降りてくれる。
何となく「ぼくも駅に行くから一緒に行こう」
みたいなことを言っている気がしないでもない。
言葉なんか必要ない。
そして少し東へ向かったところに南側ジャンクションの駅を発見。
バスの車掌さん、疑ってごめん。
ありがとう。
英語もヒンディーも通じないおじさん、ありがとう。
ただ駅に着いたところで別にホテルを予約しているわけでもなく、
地球の歩き方によるとこの辺にまあまあちゃんとしたホテルがあるって言うから
来てみたけど、
そんな簡単に見つかるわけもなく、
もうすっかり夜で黄色人種のましてや女なんか一人もいないし、
これはやばいやばい、
その辺のHotelって書いている所に入ろうとするももういっぱい、とか言われるし、
これは駅で野良人間の仲間入りですかって思っていたところで、
地球の歩き方の件のホテルを発見しました。
ほぼ半泣きで
「私ね、この日本のガイドブック見てここに来たんだけど、
ここにすっごーく良いホテルって書いてるでしょ?
だから私もきっとフィードバックするよ?
だからお部屋あるよね?
あ・る・よ・ね?!」
と凄んで、無事エアコン無しのお部屋、しめて2,000円弱を確保した。
駅前で買ったカレーとナンがやっぱり予想通り、
おいしくなくって半分以上残して、
お湯は出るんだけどシャワーからは決して出ない、
なぜか蛇口からだけ熱湯の出るバスルームで悪態をついて、
暑い暑いと言いながら泥のように眠る。
何て日だ。
ケララに魅せられて。その2
朝も早よからジェッティー、つまり船着場へ。
日が昇って間も無いのにすでに汗ばむ様な熱気と乾燥。
そこそこきれいでそこそこボロい、
2丁拳銃がいればきっと、
インドで乗る船、これ、ちょうどええ。
って言うぐらいの船に乗り込む。
ちなみに2013年度版地球の歩き方から200ルピーも値上がりしていた。
しっかり英語で文句を言ったところ、
その受付の南インド人は燃料費が上がったから仕方ないんだ、というんだけれども私は信じていない。
もはや疑うことしか知らない。
純朴ってなあに。
愚直ってなあに。
ありのままの姿見せるのよ。
ここから8時間だ。
8時間は耐えるに忍びないことが容易に想像しうる、
硬いってゆうか、木。

木の椅子。
木以外の何でも無いとゆうか、木でもじゃあ例えば広葉樹と針葉樹があって
どっちが実際とかは知らないんだが、
ただイメージ的に針葉樹の方。
ぐらい硬い。
必要以上にうるさいエンジン音と一緒に、
白人とインド人観光客に囲まれてさあアラビア海へ。

ヤシの木、
カワセミ、
飛び魚、
象を洗ってたり、
川沿いの家での生活を垣間見て、
漁師さん、
そしてヤシの木、
ヤシの木ヤシの木。

飽きる。
余裕ですぐに飽きる。
そこからヤシの木。
何かの鳥、
魚、
お昼休憩、
ヤシの木。
そこから一周回って面白くなってくる。
日々あまりにもたくさんのことを考えて、
他人との軋轢とか不要なまでの責任とか、
そうゆうのが全部どうでもよくなる。
ほどには椅子が硬くて笑えてくる。
まだ全然進んでいない川の真ん中で笑えてくる。
瀬戸内寂聴先生が語りかけてくる。
私の中の神とやらと対話する。
ああ、こう言う、
ネットもなくて本も無くて、
ただただ自分と向き合う時間ってあんまりなかったな。
何か色々、無駄に見えてくる。
あっち側、今。

GIRL/奥田英朗

そうか。
こんなおもしろかったのはそれは空中ブランコの作者か。
私みたいな想像力欠如の直木賞しか意味わかりませんのラッスンゴレライでも、
鳥肌が立つほど自分と重なって、
そんな普遍性に救われてえぐられて、
とにかくインドに疲れきった体に鞭打ってでも、
一晩で読んでしまうほどにはおもしろかった。
そうか、もうgirlじゃないんだ。
だけど自分が好きな様に生きていいんだよ、
そう言うの全部認めてあげなさいよ。
ってこのオッサン直木賞作家にどーんってぶつけられてしまった。
驚いたのは作者が男性だということ。
ジェンダーなんか関係ない。
性別云々ってこの文明社会で時代遅れなことをいつまで。
あなたはあなた。
そのまんまで全然良い。
ちょうど20年前、とんでもない揺れでおばあの横で我に返って、
学校が休みになったー!なんてへらへらしていた折、
とんでもない映像がテレビから流れて来て、
青ざめることしかできなかった自分に、
こっそり吐いてこっそりその日の新聞をとっておいた自分に、
まだ何も知らなかった、
知らなくって良かった自分に、
20年後の私はインドから思いを馳せてみる。
日が昇って間も無いのにすでに汗ばむ様な熱気と乾燥。
そこそこきれいでそこそこボロい、
2丁拳銃がいればきっと、
インドで乗る船、これ、ちょうどええ。
って言うぐらいの船に乗り込む。
ちなみに2013年度版地球の歩き方から200ルピーも値上がりしていた。
しっかり英語で文句を言ったところ、
その受付の南インド人は燃料費が上がったから仕方ないんだ、というんだけれども私は信じていない。
もはや疑うことしか知らない。
純朴ってなあに。
愚直ってなあに。
ありのままの姿見せるのよ。
ここから8時間だ。
8時間は耐えるに忍びないことが容易に想像しうる、
硬いってゆうか、木。

木の椅子。
木以外の何でも無いとゆうか、木でもじゃあ例えば広葉樹と針葉樹があって
どっちが実際とかは知らないんだが、
ただイメージ的に針葉樹の方。
ぐらい硬い。
必要以上にうるさいエンジン音と一緒に、
白人とインド人観光客に囲まれてさあアラビア海へ。

ヤシの木、
カワセミ、
飛び魚、
象を洗ってたり、
川沿いの家での生活を垣間見て、
漁師さん、
そしてヤシの木、
ヤシの木ヤシの木。

飽きる。
余裕ですぐに飽きる。
そこからヤシの木。
何かの鳥、
魚、
お昼休憩、
ヤシの木。
そこから一周回って面白くなってくる。
日々あまりにもたくさんのことを考えて、
他人との軋轢とか不要なまでの責任とか、
そうゆうのが全部どうでもよくなる。
ほどには椅子が硬くて笑えてくる。
まだ全然進んでいない川の真ん中で笑えてくる。
瀬戸内寂聴先生が語りかけてくる。
私の中の神とやらと対話する。
ああ、こう言う、
ネットもなくて本も無くて、
ただただ自分と向き合う時間ってあんまりなかったな。
何か色々、無駄に見えてくる。
あっち側、今。

GIRL/奥田英朗

そうか。
こんなおもしろかったのはそれは空中ブランコの作者か。
私みたいな想像力欠如の直木賞しか意味わかりませんのラッスンゴレライでも、
鳥肌が立つほど自分と重なって、
そんな普遍性に救われてえぐられて、
とにかくインドに疲れきった体に鞭打ってでも、
一晩で読んでしまうほどにはおもしろかった。
そうか、もうgirlじゃないんだ。
だけど自分が好きな様に生きていいんだよ、
そう言うの全部認めてあげなさいよ。
ってこのオッサン直木賞作家にどーんってぶつけられてしまった。
驚いたのは作者が男性だということ。
ジェンダーなんか関係ない。
性別云々ってこの文明社会で時代遅れなことをいつまで。
あなたはあなた。
そのまんまで全然良い。
ちょうど20年前、とんでもない揺れでおばあの横で我に返って、
学校が休みになったー!なんてへらへらしていた折、
とんでもない映像がテレビから流れて来て、
青ざめることしかできなかった自分に、
こっそり吐いてこっそりその日の新聞をとっておいた自分に、
まだ何も知らなかった、
知らなくって良かった自分に、
20年後の私はインドから思いを馳せてみる。