湖と砦とマハラジャと。魅惑のラジャスタン。その3

勝利の塔アゲイン
と思ったあなたは素人です。
ど素人だ。
ストツーでエドモンド本田使ってY連打したら勝てると思ってるタチだろ。
そんな甘くないんだ。
これはキルティスタンバ。
ジャイナ教の塔。
ジャイナ教にも色々宗派があって、
この宗派は本気のやつ、トップの人はいまだに布一枚身につけない。
完全の裸体で生活、信者の前で説法をする。
寺院内にもその一糸纏わぬありがたいセクシーなお姿のお写真が。
ちょっと!
レディーの前であんたヘンタイ?!
なんなのよっ!もう!
ジャイナ教については折に触れてここでも言及してきました。
うちの近くにも寺院があって、インドでも非常にマイノリティの彼らですが、
結構良く会ってしまうから最近はもう珍しくもない。
このチッタウルガルにこんなに立派な塔がある所以。
口の中の菌さえ殺せない彼らが就いたのは主に宝石商で、
そのために非常に裕福な信者が多かったジャイナの塔を建ててあげるから、
だからおい兄ちゃん金出せや、無いって?そしたらここでジャンプしてみろや。
ああん?!
みたいなこと。
カツアゲ、反対。
イジメ、反対。
ところで運転手がずっと付いて来る。
すごく困る。これ。
もうゆっくり見てんだから放っといてよう!
って言うんだけど「写真撮るか?もう次行くか?」みたいなことでずっと付いて来る。
これを読んだインドのオートドライバーは全員胸に手を当てて自分を省みて欲しい。
良かれと思って、日本人をDisturbしたことはなかったか?
そのオファーが親切だと思っているのは自分だけではないか?
本当の思いやりって何だ?
もう一度考えてみませんか。
それから、有料のすっごくとってもしょぼい博物館にも入る。
チケット売り場のらへんが死体を焼くガンガーと同じにおいがした。


このラジャスタン特有の衣装があって、
女の人は頭からサリーを、男の人はターバンみたいのをかぶる。
その、展示された「昔ながらのラジャスタンの伝統衣装」を、
それと同じものを着て現代のラジャスタン人が見物する。
何も代わり映えせんやんか。
あんたがここに展示されたって一緒やないか。
全然進化せーへんやんか。
流行すたりとかないやんか。
百年後も多分同じ様な衣装着てるんじゃないか、と思う。
ある意味合理的。
流行なんかに流されない。
合理的だわ。
オートを乗り回してみる。

ムンバイでやったら2秒で事故るけどここなら大丈夫。
あと色んな建物とか遺跡みたいなのとかお寺とか、
夕方まで回ったけどガイドも居ないし地球の歩き方にも載ってないし、
何がどうだかわからんないまま5時間ほどでチッタウルガル砦を一周半して、
もう十分!ってなったのでホテルへ戻る。
じゅうぶんかっこよかった。
多分私のインド弾丸ツアーは、これでしばらく終わり。
もうたいがい行った。
もうだいたいわかった。
もうたくさんだ。
インドのホテルは24時間制のところが多いので、
昨日の夜チェックインしたから夜チェックアウトができる。
とても助かる、このシステム。
夜の電車出発まで、ビール飲んで読書。
他にやること無いんだもの。
ほんとに、この砦以外、何も無いんだもの。
サンキューインド。
サンキューラジャスタン。
ムンバイへ。
予想通り2席とも取れてしまって、
結局往路と同じ2等で優雅に南下。
マハラジャは、本当のマハラジャはここにいますよ。
私のことですよ。
バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
/Alejandro González Iñárritu監督

ドラムの音で綴られるワンカットで撮った様な、
あたかもそこにいる様な気になる様な技法、
そして観る側に全てを委ねたラストシーン。
もう全然意味わからんけど、ああこうゆうのいけだジャスティスとかなら
「最高におもしろかったよ、これはね、さり、ストーリーだけじゃないんだよおもしろみは」
とか言われそうだけど、
私はもう全然わからんけど何となくオシャレっぽいし、
アメリカのオシャレな人たちによるオシャレなものをわかる様になりたいし、
逆に、みたいな、
まだ全然わからないけど、その一歩を踏み出した。
ただいま成長中、と言えってこの人が言っていた。
このおじさんがバードマンに勝るとも劣らない最近の私のヒーロー。
かっこいい、日本の働くおじさん。
湖と砦とマハラジャと。魅惑のラジャスタン。その2
チッタウルガルの朝。
そんなことより寒くて寝付けなかった。
2月中旬だったんだけれども、夜はとても寒かったです。
冬は寒くて夏は地獄より暑い。
なんだそれ。
どう言う意図でここに住むの。
なんなの。
州民総修行中なの?
何百年も?
なんなのほんと。
田舎過ぎてホテルの前に流しのオートが居ない。
駅まで少し行って、半日貸切400ルピーで交渉を成立させた。
ハンピの半額だ。
2013年に世界遺産に登録されたものの、
まだまだ国外国内共に認知度が低くて、観光地になりきれていない。
だからだれも話しかけてこないしだまされないしイライラしない。
何を観に来たのかと言うと。

見えてきた。

いくつもの門をくぐって、
丘を登って、

チッタウルガル砦へ。
たけしの世界7不思議みたいなそんなお正月番組があって、
それが死ぬほど大好きなんですが、ちょうど今年紹介されていた。
ちなみに数年前に紹介されていたアーメダバードの階段井戸は、
去年もちろんCompleteしている。
その昔、マハラジャがここに作った砦は難攻不落と言われていて、
実際その丘の角度はあまりにも急で、
外から侵略にやって来た勢力は皆この壁の前に倒れたのだと。

か
かっこよすぎる。

大好きなミトゥナたちとお寺。
そして最も有名なこの景色。

きゃー!かっこいいー!
結婚してー!

謎の撮影会も行われています。

tour of victory
勝利の塔。
勝利っぽい。
もうこれは勝利っぽい。
完全に。
中にもちろん入れて階段を上りながらそこに刻まれた先人の技に見とれる。
美しい。
見とれすぎて何度か頭をぶつける。
ちなみに昨夜あんなにも寒かったのにすでに35度を超える熱波の中です。

そして北野なんとかの世界なんとか不思議でもfeatureされていた、
パドミニ姫の城へ。

ざっくり言うと、
超きれいなパドミニお姫様がここの主のお后で、
侵攻してきたイスラム勢力の王様が、
そのお姫様を一瞬でも見せてくれたらもう侵略はしませんからー、
ってお約束したから、
この湖に映るお姫様をさらに建物の中の鏡に映して見せたところ、
諦めきれないほどの美女だったからお約束を破って本気で攻めてきて、
そのせいでパドミニお姫様の旦那は死んでしまって、
その後を追ってパドミニお姫も死んでいったとかそんな感じ
湖に映ったのを鏡に映してほんでそれで諦めきれんて。
おとぎ話。
そしてここから現代の私たちが学ぶべきこと。
人は嘘をつく。
グレート・ギャッツビー/F. Scott Fitzgerald・村上春樹訳版

村上春樹作ではないにしろハルキワールド全開。
全然おもしろくないのに読むのをやめられないあの感じ。
本当に全然おもしろくない。
でも読んでしまう。
最後まで意味がわからない。
でも役者あとがきまで読んでしまう。
なにこれ。
作品についてふれるのならば、
敢えて言えば、
アメリカのあの微妙な感じ、
歴史も浅いのに世界一なんです私たち、のあの感じがどうも苦手で、
もちろんネイティイブアメリカンの歴史は尊重されるべきと言うか、
むしろあのポカホンタスの世界観はすごく興味もあるしいつか行ってみたいのだけれど、
マンハッタンだのサンフランなんとかだのに全然惹かれないので、
ニューヨークに行きたいかー!って言われても、
いや別に、ってなるし、
そもそもこれわかる人いますかジェネレーションなんとかです。
で、お金お金お金、アメリカンドリーム、タンクトップにホットパンツ。
あまりにも遠い。
遠いのに逃げられない。
そんなことより寒くて寝付けなかった。
2月中旬だったんだけれども、夜はとても寒かったです。
冬は寒くて夏は地獄より暑い。
なんだそれ。
どう言う意図でここに住むの。
なんなの。
州民総修行中なの?
何百年も?
なんなのほんと。
田舎過ぎてホテルの前に流しのオートが居ない。
駅まで少し行って、半日貸切400ルピーで交渉を成立させた。
ハンピの半額だ。
2013年に世界遺産に登録されたものの、
まだまだ国外国内共に認知度が低くて、観光地になりきれていない。
だからだれも話しかけてこないしだまされないしイライラしない。
何を観に来たのかと言うと。

見えてきた。

いくつもの門をくぐって、
丘を登って、

チッタウルガル砦へ。
たけしの世界7不思議みたいなそんなお正月番組があって、
それが死ぬほど大好きなんですが、ちょうど今年紹介されていた。
ちなみに数年前に紹介されていたアーメダバードの階段井戸は、
去年もちろんCompleteしている。
その昔、マハラジャがここに作った砦は難攻不落と言われていて、
実際その丘の角度はあまりにも急で、
外から侵略にやって来た勢力は皆この壁の前に倒れたのだと。

か
かっこよすぎる。

大好きなミトゥナたちとお寺。
そして最も有名なこの景色。

きゃー!かっこいいー!
結婚してー!

謎の撮影会も行われています。

tour of victory
勝利の塔。
勝利っぽい。
もうこれは勝利っぽい。
完全に。
中にもちろん入れて階段を上りながらそこに刻まれた先人の技に見とれる。
美しい。
見とれすぎて何度か頭をぶつける。
ちなみに昨夜あんなにも寒かったのにすでに35度を超える熱波の中です。

そして北野なんとかの世界なんとか不思議でもfeatureされていた、
パドミニ姫の城へ。

ざっくり言うと、
超きれいなパドミニお姫様がここの主のお后で、
侵攻してきたイスラム勢力の王様が、
そのお姫様を一瞬でも見せてくれたらもう侵略はしませんからー、
ってお約束したから、
この湖に映るお姫様をさらに建物の中の鏡に映して見せたところ、
諦めきれないほどの美女だったからお約束を破って本気で攻めてきて、
そのせいでパドミニお姫様の旦那は死んでしまって、
その後を追ってパドミニお姫も死んでいったとかそんな感じ
湖に映ったのを鏡に映してほんでそれで諦めきれんて。
おとぎ話。
そしてここから現代の私たちが学ぶべきこと。
人は嘘をつく。
グレート・ギャッツビー/F. Scott Fitzgerald・村上春樹訳版

村上春樹作ではないにしろハルキワールド全開。
全然おもしろくないのに読むのをやめられないあの感じ。
本当に全然おもしろくない。
でも読んでしまう。
最後まで意味がわからない。
でも役者あとがきまで読んでしまう。
なにこれ。
作品についてふれるのならば、
敢えて言えば、
アメリカのあの微妙な感じ、
歴史も浅いのに世界一なんです私たち、のあの感じがどうも苦手で、
もちろんネイティイブアメリカンの歴史は尊重されるべきと言うか、
むしろあのポカホンタスの世界観はすごく興味もあるしいつか行ってみたいのだけれど、
マンハッタンだのサンフランなんとかだのに全然惹かれないので、
ニューヨークに行きたいかー!って言われても、
いや別に、ってなるし、
そもそもこれわかる人いますかジェネレーションなんとかです。
で、お金お金お金、アメリカンドリーム、タンクトップにホットパンツ。
あまりにも遠い。
遠いのに逃げられない。
湖と砦とマハラジャと。魅惑のラジャスタン。その1
夏が来るまでに。
私にはどうしても行っておかなければならない場所があった。
ラジャスタン州。
ムンバイより結構北に行ったところにある、
最近の話題と言えば日本人がまた被害にあってニュースになったばかり。
余計なことを言われたくない、これは絶対内緒で行こうと思って、
例に漏れずこっそりある夜、家を抜け出してまた電車に乗り込んだ。
約20時間の鉄道旅。
今回、ウェイティングリストの関係で往路は2等(この電車では1番上のクラス、縦に2段ベッドで毛布がある)
にしていたのだけれども、
復路をスリーパークラス(下から2番目のクラス、毛布が無くて縦に3段ベッド)にしていた。
電車が到着したと同時に見慣れているはずのスリーパークラスに、
ここに帰り20時間!と言うのにびびってしまって、
重複で復路の2等を予約しておいた。
持っているスリーパーも2等もウェイティングリストで、
そもそもどっちも予約できなかったらもうあとは知らないんだけど、
どっちも取れたらどっちか無駄になる。
1000km近くで1000円もしないとは言え、ブルジョアジー。
有り余る富。
もう湧いて出る。
そうです。
私が現代のマハラジャ弾丸旅行者です。
ちょっと今後の旅人向け情報。
今またちょっとした旅行を画策していて、日本人のブログに助けられているので
自分も還元しないと。
もはや世界一困難と言われるインド鉄道で何ひとつ迷うことのなくなった今、
これからインドを鉄道で旅する方へ。
電車の探し方:Train numberというのが長距離列車には必ずついているので、
チケットの番号を確認。
駅に着いたら電光掲示板に電車の番号、行き先、そしてプラットフォームの番号が表示されているので、
そのホームに行って、
あとは車両番号。
スリーパークラスならS1,S2、2等なら2A、とホームにも掲示板があって、
車両にも必ず書かれているので、そこに乗り込む。以上。
世界一嘘つきの多いデリーとアグラではだいたい
「チケットを見せてみろ、ああそれはキャンセルになったからこっちに来い」
と言われますが、60000%嘘です。
ちゃんと時間通りに運行されます。なんと。
なんたるや。
同じコンパートメントの中国人に、
すっかり忘れてしまった中国語で話しかけながらオンボロの電車が北上する。
このラジャスタンにはワンピース(私はアーロンのところで意味がわからなくなって挫折)
のアラバスタなんとかの舞台になったジョードプルもあって、
そこは何年か前にもう訪れていたので今回はまた別の町へ。
始発の駅から終点まで。

ウダイプルに夕方着。
16時に着いて(時間通り。最近のインド列車は本当に遅れない。)
メインの観光地は17時半にクローズなので、
とにかくオートを急がせる。
急げ急げ。
もう一つ旅情報。
こう言う観光地でお土産屋とかホテルに寄り道されないオートの選び方:
話しかけて来ないできればおじいちゃん運転手を捕まえて、
できればヒンディー語で「いくらだ!」ってちょっとだけすごんでから乗り込むこと。

ウダイプルの湖のほとり、シティパレス。
今もマハラジャの末裔が住んでいるお城の一角。

砂漠の広がるここラジャスタンで貴重な水、
その豊かな湖に浮かぶタージホテル。
もちろん泊まれない。
泊まらないだけだよ。
有り余るけど敢えてだよ。
敢えて。

シティパレスの中は豪華絢爛、
歴代のマハラジャの暮らしを垣間見る。
私もほぼマハラジャなので、
なぜなら帰りの電車のチケットを重複で予約して、
2席取れた場合安い方を棒に振る心積もりでいるほど富の有り余っている、
歩くバブルみたいなものですから、
そんなに驚かないけど。
金ぴかぴんの家具、
細かい彫刻の施された窓、
町を一望。

謎の楽器博物館。

あっと言う間に閉館時間になってしまって、
追い出される様に門を後にする。
私、ほぼマハラジャなのに。
ひどい。

外観。
門を出てすぐの大きなお寺へ。

もう飽きるほど見てきたこのとんがり彫刻の建物にやられっぱなしだ。
何時間だってここにいられる。
何百年かすぐにトリップさせてくれる。

夕暮れのウダイプルの湖。
もう一つ有名な、人形劇は時間が無くてスキップ。
これから電車で来た道を少し戻る。
さらに田舎の町、チッタウルガルへ向かう。
ウダイプル滞在、まさに3時間。
ありがとう、ウダイプル。
ありがとう、マハラジャ。
そしてまた2時間半電車に揺られ、降り立ったチッタウルガルは真っ暗。
半泣きで駅近くのホテルへ。
ああまた旅に出て来てしまった。
毎回やめようやめたいもういやだって言いながら、
まただ。
最後のトリック/深水黎一郎

一番売れていると言われると買うしかなくなる。
読者全員が犯人、なんて不可能でどうしようもなく惹き付けるこの帯。
久しぶりにまた読書中に声を発した。
驚愕とか驚嘆のあれではなくて、
「なるほど」の方。
納得、のあれ。
とってもおもしろかったです。
日本のミステリー文学はやっぱり一番おもしろい。
エンターテイメントの極み。
私はこの中の登場人物を間違いなく殺した。
そしてたった4年前の、
とっさに逃げ込んだ机の下でまた震えながら、
何がなんだかわからないまま徒歩で帰宅した自分に、
それでも日本は世界一なんだから絶対、
って、
たった4年、
もう4年。
あるものを数えていなければ、だ。
私にはどうしても行っておかなければならない場所があった。
ラジャスタン州。
ムンバイより結構北に行ったところにある、
最近の話題と言えば日本人がまた被害にあってニュースになったばかり。
余計なことを言われたくない、これは絶対内緒で行こうと思って、
例に漏れずこっそりある夜、家を抜け出してまた電車に乗り込んだ。
約20時間の鉄道旅。
今回、ウェイティングリストの関係で往路は2等(この電車では1番上のクラス、縦に2段ベッドで毛布がある)
にしていたのだけれども、
復路をスリーパークラス(下から2番目のクラス、毛布が無くて縦に3段ベッド)にしていた。
電車が到着したと同時に見慣れているはずのスリーパークラスに、
ここに帰り20時間!と言うのにびびってしまって、
重複で復路の2等を予約しておいた。
持っているスリーパーも2等もウェイティングリストで、
そもそもどっちも予約できなかったらもうあとは知らないんだけど、
どっちも取れたらどっちか無駄になる。
1000km近くで1000円もしないとは言え、ブルジョアジー。
有り余る富。
もう湧いて出る。
そうです。
私が現代のマハラジャ弾丸旅行者です。
ちょっと今後の旅人向け情報。
今またちょっとした旅行を画策していて、日本人のブログに助けられているので
自分も還元しないと。
もはや世界一困難と言われるインド鉄道で何ひとつ迷うことのなくなった今、
これからインドを鉄道で旅する方へ。
電車の探し方:Train numberというのが長距離列車には必ずついているので、
チケットの番号を確認。
駅に着いたら電光掲示板に電車の番号、行き先、そしてプラットフォームの番号が表示されているので、
そのホームに行って、
あとは車両番号。
スリーパークラスならS1,S2、2等なら2A、とホームにも掲示板があって、
車両にも必ず書かれているので、そこに乗り込む。以上。
世界一嘘つきの多いデリーとアグラではだいたい
「チケットを見せてみろ、ああそれはキャンセルになったからこっちに来い」
と言われますが、60000%嘘です。
ちゃんと時間通りに運行されます。なんと。
なんたるや。
同じコンパートメントの中国人に、
すっかり忘れてしまった中国語で話しかけながらオンボロの電車が北上する。
このラジャスタンにはワンピース(私はアーロンのところで意味がわからなくなって挫折)
のアラバスタなんとかの舞台になったジョードプルもあって、
そこは何年か前にもう訪れていたので今回はまた別の町へ。
始発の駅から終点まで。

ウダイプルに夕方着。
16時に着いて(時間通り。最近のインド列車は本当に遅れない。)
メインの観光地は17時半にクローズなので、
とにかくオートを急がせる。
急げ急げ。
もう一つ旅情報。
こう言う観光地でお土産屋とかホテルに寄り道されないオートの選び方:
話しかけて来ないできればおじいちゃん運転手を捕まえて、
できればヒンディー語で「いくらだ!」ってちょっとだけすごんでから乗り込むこと。

ウダイプルの湖のほとり、シティパレス。
今もマハラジャの末裔が住んでいるお城の一角。

砂漠の広がるここラジャスタンで貴重な水、
その豊かな湖に浮かぶタージホテル。
もちろん泊まれない。
泊まらないだけだよ。
有り余るけど敢えてだよ。
敢えて。

シティパレスの中は豪華絢爛、
歴代のマハラジャの暮らしを垣間見る。
私もほぼマハラジャなので、
なぜなら帰りの電車のチケットを重複で予約して、
2席取れた場合安い方を棒に振る心積もりでいるほど富の有り余っている、
歩くバブルみたいなものですから、
そんなに驚かないけど。
金ぴかぴんの家具、
細かい彫刻の施された窓、
町を一望。

謎の楽器博物館。

あっと言う間に閉館時間になってしまって、
追い出される様に門を後にする。
私、ほぼマハラジャなのに。
ひどい。

外観。
門を出てすぐの大きなお寺へ。

もう飽きるほど見てきたこのとんがり彫刻の建物にやられっぱなしだ。
何時間だってここにいられる。
何百年かすぐにトリップさせてくれる。

夕暮れのウダイプルの湖。
もう一つ有名な、人形劇は時間が無くてスキップ。
これから電車で来た道を少し戻る。
さらに田舎の町、チッタウルガルへ向かう。
ウダイプル滞在、まさに3時間。
ありがとう、ウダイプル。
ありがとう、マハラジャ。
そしてまた2時間半電車に揺られ、降り立ったチッタウルガルは真っ暗。
半泣きで駅近くのホテルへ。
ああまた旅に出て来てしまった。
毎回やめようやめたいもういやだって言いながら、
まただ。
最後のトリック/深水黎一郎

一番売れていると言われると買うしかなくなる。
読者全員が犯人、なんて不可能でどうしようもなく惹き付けるこの帯。
久しぶりにまた読書中に声を発した。
驚愕とか驚嘆のあれではなくて、
「なるほど」の方。
納得、のあれ。
とってもおもしろかったです。
日本のミステリー文学はやっぱり一番おもしろい。
エンターテイメントの極み。
私はこの中の登場人物を間違いなく殺した。
そしてたった4年前の、
とっさに逃げ込んだ机の下でまた震えながら、
何がなんだかわからないまま徒歩で帰宅した自分に、
それでも日本は世界一なんだから絶対、
って、
たった4年、
もう4年。
あるものを数えていなければ、だ。