どうも、はちごろうです。
映画「グランド・イリュージョン 見破られたトリック」の感想。続きです。
コン・ゲームでの「裏設定の深読みしすぎ」問題
で、こうした「映画には不向きなもの」を扱っている本作は
どうしたって全体的に嘘くさく感じてしまうんですが、
ところが先日、駄話会のメンバーのヘボヤーさんが
「手品が映画の題材に向かないのは作者たちもわかってると思う。
だからむしろ本作は「チーム犯罪もの」として楽しむべきで、
手品についてあまりこだわっても仕方ない」
という趣旨の話をしてくれまして。なんかものすごい腑に落ちたというか。
確かに本作だと難攻不落の警備システムをどうかいくぐるか、
衆人環視のなか、どうやって人々から姿をくらますか、
そして最終的にどう敵を欺くかが胆であって、
手品そのものに注目してると本質を見誤るということですね。
ところが、そうなってくると今度はもう一つの課題として、
「登場人物の意外な人物設定問題」というのが出てきまして。
こうしたいわゆる「コン・ゲーム(騙し合い)」というものは
「このキャラクターは主人公たちの敵に見えて実は・・・」という、
平たく言えば「裏設定」が隠されているわけです。
1作目でいうとホースメンのチームリーダーはアトラスだけど
彼らを追ってるはずの捜査官が実は彼らのボスだった、という「裏設定」。
で、本作でも敵だと思っていた人物が実は意外なところで繋がってたりとか、
ドジなキャラクターに見せかけて実は有能だった、
みたいな設定がたくさん出てくるんですね。
ただ、これはうっかりすると観客に深読みをさせすぎる傾向があって、
例えば「こことここは実は味方なんでしょ?」と思っていたら
そのまま敵同士で終わってしまって逆にビックリ!みたいな。
というか、こうした登場人物間の深読みをしてしまうこと自体、
実は「コン・ゲーム」の楽しみ方としては邪道なんですよねぇ。
あまり展開を深読みせず、ただ楽しんで、ただ驚いた方が得なんですよ。
でも本質的に騙されることが大嫌いで、疑問は解決されないと気が済まない、
そもそも「手品」というものを楽しめない気質を持つ日本人には
本作を純粋に楽しむこと自体、無理があるのかもしれないですね。
世界一有名な魔法使い、科学の天才を演じる
あと、指摘しておくとすれば、本作は意外に豪華キャストなんですよ。
主人公のアトラスを演じるジェシー・アイゼンバーグに、
マッキニー役のウディ・ハレルソン、リーダーのディラン役のマーク・ラファロ、
そしてモーガン・フリーマンにマイケル・ケインという、
オスカー受賞者もしくは候補者だけでも5人もいるんですね。
ウディ・ハレルソンなんか今回は一人二役で双子の兄弟を演じてるんですが、
この弟の方がまた兄とは正反対のふざけたキャラクターで、やっぱり上手い。
そして今回注目すべきは彼らに立ちはだかる天才エンジニアにダニエル・ラドクリフ。
いわずと知れた「ハリー・ポッター」ですね。
マジックを駆使して犯罪を働く主人公たちに科学の力で対抗する男を、
現時点で「世界一有名な魔法使い」を演じた俳優にオファーするというのは
それなりに粋なキャスティングをしてきたなと思いました。
で、監督は「G.I.ジョー」の2作目を監督したジョン・M・チョウ。
ハリウッドでは珍しいアジア系の監督で、確か台湾出身だったか。
だからというわけではないのですが、本作ではマカオを舞台にして、
そこの手品ショップの店員がホースメンたちを助けるいい役回りしてるんですよ。
やっぱりハリウッドではこういう「優秀なアジア人」って
キャスト、スタッフ、登場人物としてもまだまだ少ないから、
そういった意味ではいい傾向かなと思います。
まぁ、作中の細かい部分いちいち目くじら立てずに
気楽に楽しんだらいいのではないかと思います。
それこそ仕事帰りにビールでも飲みながら、
デート中に隣に座ってる女の子の手を握るか迷いながら、
「騙される快楽」を楽しんだらいいのではないでしょうか。
スクリーンの中のトリックで騙されても、客は損はしませんしね。
[2016年9月4日 新宿ピカデリー 6番スクリーン]
※とりあえず手品ものを何作か紹介
グランド・イリュージョン Blu-ray/ウディ・ハレルソン

¥2,700
Amazon.co.jp
青天の霹靂 通常版 Blu-ray/風間杜夫

¥5,076
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プレステージ [Blu-ray]/ヒュー・ジャックマン

¥2,160
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スティング [Blu-ray]/ロバート・レッドフォード

¥2,037
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コン・ゲームでの「裏設定の深読みしすぎ」問題
で、こうした「映画には不向きなもの」を扱っている本作は
どうしたって全体的に嘘くさく感じてしまうんですが、
ところが先日、駄話会のメンバーのヘボヤーさんが
「手品が映画の題材に向かないのは作者たちもわかってると思う。
だからむしろ本作は「チーム犯罪もの」として楽しむべきで、
手品についてあまりこだわっても仕方ない」
という趣旨の話をしてくれまして。なんかものすごい腑に落ちたというか。
確かに本作だと難攻不落の警備システムをどうかいくぐるか、
衆人環視のなか、どうやって人々から姿をくらますか、
そして最終的にどう敵を欺くかが胆であって、
手品そのものに注目してると本質を見誤るということですね。
ところが、そうなってくると今度はもう一つの課題として、
「登場人物の意外な人物設定問題」というのが出てきまして。
こうしたいわゆる「コン・ゲーム(騙し合い)」というものは
「このキャラクターは主人公たちの敵に見えて実は・・・」という、
平たく言えば「裏設定」が隠されているわけです。
1作目でいうとホースメンのチームリーダーはアトラスだけど
彼らを追ってるはずの捜査官が実は彼らのボスだった、という「裏設定」。
で、本作でも敵だと思っていた人物が実は意外なところで繋がってたりとか、
ドジなキャラクターに見せかけて実は有能だった、
みたいな設定がたくさん出てくるんですね。
ただ、これはうっかりすると観客に深読みをさせすぎる傾向があって、
例えば「こことここは実は味方なんでしょ?」と思っていたら
そのまま敵同士で終わってしまって逆にビックリ!みたいな。
というか、こうした登場人物間の深読みをしてしまうこと自体、
実は「コン・ゲーム」の楽しみ方としては邪道なんですよねぇ。
あまり展開を深読みせず、ただ楽しんで、ただ驚いた方が得なんですよ。
でも本質的に騙されることが大嫌いで、疑問は解決されないと気が済まない、
そもそも「手品」というものを楽しめない気質を持つ日本人には
本作を純粋に楽しむこと自体、無理があるのかもしれないですね。
世界一有名な魔法使い、科学の天才を演じる
あと、指摘しておくとすれば、本作は意外に豪華キャストなんですよ。
主人公のアトラスを演じるジェシー・アイゼンバーグに、
マッキニー役のウディ・ハレルソン、リーダーのディラン役のマーク・ラファロ、
そしてモーガン・フリーマンにマイケル・ケインという、
オスカー受賞者もしくは候補者だけでも5人もいるんですね。
ウディ・ハレルソンなんか今回は一人二役で双子の兄弟を演じてるんですが、
この弟の方がまた兄とは正反対のふざけたキャラクターで、やっぱり上手い。
そして今回注目すべきは彼らに立ちはだかる天才エンジニアにダニエル・ラドクリフ。
いわずと知れた「ハリー・ポッター」ですね。
マジックを駆使して犯罪を働く主人公たちに科学の力で対抗する男を、
現時点で「世界一有名な魔法使い」を演じた俳優にオファーするというのは
それなりに粋なキャスティングをしてきたなと思いました。
で、監督は「G.I.ジョー」の2作目を監督したジョン・M・チョウ。
ハリウッドでは珍しいアジア系の監督で、確か台湾出身だったか。
だからというわけではないのですが、本作ではマカオを舞台にして、
そこの手品ショップの店員がホースメンたちを助けるいい役回りしてるんですよ。
やっぱりハリウッドではこういう「優秀なアジア人」って
キャスト、スタッフ、登場人物としてもまだまだ少ないから、
そういった意味ではいい傾向かなと思います。
まぁ、作中の細かい部分いちいち目くじら立てずに
気楽に楽しんだらいいのではないかと思います。
それこそ仕事帰りにビールでも飲みながら、
デート中に隣に座ってる女の子の手を握るか迷いながら、
「騙される快楽」を楽しんだらいいのではないでしょうか。
スクリーンの中のトリックで騙されても、客は損はしませんしね。
[2016年9月4日 新宿ピカデリー 6番スクリーン]
※とりあえず手品ものを何作か紹介
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