どうも、はちごろうです。


一昨日の日曜日は映画サービスデー。
消費税の影響で値上がりしましたが、映画1本1100円の日。
この映画サービスデー。映画好きにとっては実は良し悪しで、
私の場合だと、日曜日にサービスデーが来るのが実は苦手。
まず、サービスデーは当然混雑する。
だから私のように日曜日にしか映画を観られない身としては、
当然観たい座席の確保が難しくなるわけです。
それとこれが盲点なんですが、前売り券というものがある。
観たい映画で、これは絶対観に行くとわかっている作品の場合、
かなり早い段階で前売り券を手に入れている場合が多い。
となると、サービスデーに前売り券を使うのはもったいないので、
観たい作品が目の前にあるのにスルー、なんてことにもなりかねない。
というか、一昨日の私がまさにそれでしたが。
さて、映画の話。




「THE NEXT GENERATION パトレイバー 第2章」











90年代に一世を風靡したロボットアニメの実写化プロジェクトを
アニメ版の監督押井守が総監督を務めたシリーズ第2弾。



あらすじ


エピソード2「98式再起動せよ」

東京湾の埋め立て地にある警視庁特車二課パトレイバー中隊。
その日、整備班の前で泉野明が搭乗する一号機が
動作訓練と称して空手の型を披露していた。
だが足回りが故障して一号機はその場で倒れてしまう。
予備の部品も底をついた状態でまっすぐ立つのもおぼつかない状態。
だがそんな状況を聴きつけた本庁の警備部は、
隊長の後藤田に「近々行われる警備部警備総点検に出席し、
警視総監の前でレイバーに礼砲を撃たせろ」と命令する。
そこで失態を演じさせ、二課を潰してしまおうとの企みは明白だった。

エピソード3「鉄拳アキラ」

特車二課第2小隊一号機搭乗担当、泉野明。
彼女は無類の格闘ゲームマニアで待機任務中にも携帯ゲームは欠かせず、
地元のゲームセンターでも他のゲーマーたちから一目置かれる存在だった。
ところがそんなある日、いつものゲーセンに中年男性が現れ、
その場にいた猛者たちを片っ端から倒していく様を目撃する。
彼女も挑戦するが一回も攻撃を当てられずに敗退。
明はその自称「ただの強いオヤジ」に勝つため、特訓を開始するのだった。




今回の裏テーマは「格闘術」



機動警察パトレイバー実写化プロジェクトの第2弾なんですが、
実際はスカパーなんかで放送するための1時間ドラマを、
ワンクール分、7回に分けて映画館で公開したのち、
来年のGWには完全新作の実写映画を製作する予定だとか。
で、今回はそのうちの2話と3話を上映ということです。
さて、レイバーという汎用人間型作業機械、
早い話が人が乗って操縦する人型ロボットが開発されたら、
日常生活はどうなるのか?という世界観の中で、
レイバーによる犯罪に対処するための警察のレイバー隊を描いている本作。
とはいえ、その組織そのものの説明だけでも十分面白いわけです。
で、今回もまだ第2小隊が実際の事件を解決する話ではなく、
彼らの勤務内容と、そこに付随する組織内でのごたごたを描いているんですが、
今回の裏テーマとして存在感を放つのが「格闘術」ですね。
特車二課の整備班の人員は、心身の鍛錬のためと称して
暇があれば空手の練習をしているんですね。
で、今回の第2話と第3話はどちらも空手が物語の大きく関与している。
第2話では、明がレイバーを操縦して空手の型を披露し、
それがために大事なレイバーを故障させてしまうわけです。
そのため、整備班は不眠不休で復旧作業にかかると同時に、
明たちレイバーの搭乗者はマニュアル操作で立ち続けるために
バランス感覚を養う訓練をするわけです。
で、ここで二号機のパイロットでアルコール依存症の大田原が
ワイヤーアクションを使った酔拳を披露したりするんです。
第3話になると、格闘シーンが質量ともに増えるんですね。
冒頭の明による、カーチャとのワイヤーを使った妄想格闘バトルから、
自称「ただの強いオヤジ」と若者3人との路地裏での喧嘩のシーン、
そして明が「オヤジ」との勝負のために空手の特訓を積むシーンもあって。
これはもう50の手習いで空手を習い始めた押井監督の趣味でしょうね。




パトレイバーは「オヤジ」のドラマ



さて、今回の実写化プロジェクトは各話ごとにゲストがいるようで、
2話目では古株の整備班員・神原役に岩松了さんが
そして3話目の自称「ただの強いオヤジ」役に竹中直人さんが出演してます。
やっぱりこの二人が各話でいい味を出してるんですよ。
岩松さん扮する神原の一見気の良いオヤジなんだけど、
上からの無理難題を逆に利用して悪だくみを思いつくその狂気というか、
ある意味「いるなぁ、こういう古狸」っていうリアルなオヤジ像が面白い。
そして3話目の「ただの強いオヤジ」役の竹中直人さん。
久しぶりに竹中さんが一切ボケずにシリアスに徹してるんですよ。
年明けに「ペコロスの母に会いに行く」という作品を紹介した際、
竹中さんがカツラを気にする男の役で出演していて
(あ、この作品の主演は岩松さんでしたね)、
「明らかにオーバーアクトで浮きまくってる。
 竹中さんをコメディリリーフで使うには知恵が必要」と
指摘したように思うんだけど、
今回は一切笑いをやらせずに抑えた演技に徹するようにさせたことで
独特の存在感が引き立ってたように感じました。
まぁ、竹中さんの場合は素の状態でもうアニメキャラみたいなもんですしね。
とはいえ、改めて本シリーズの真の主役はオヤジたちなんだなぁ、と。
隊長の後藤田さんや、もちろん整備班班長のシゲさんなど、
海千山千のオヤジたちが互いの腹の中を探り合う姿もまた、
このパトレイバーという作品のテーマのひとつみたいなもんですけどねぇ。


前作では大して動かなかったレイバーも今回はよく動いていて、
しかもCGの出来がかなりいいんですよ。
かなり実写映像になじんでいて、そこも良かったです。
まぁ、第1章がホントにプロローグ中のプロローグでしたので、
今回でやっと本格始動といった感じですかね。
で、来月公開の第3章、正確には第5話ではやっと彼らが事件現場に出動します。
内容的にはアーリーデイズの4巻とTVアニメ版40話「沿岸警備命令」を
再構成したような物語になると思いますが、
これがどういう物語になっていくのか、ファンとしては楽しみです。





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[2014年6月1日 新宿ピカデリー 2番スクリーン]