と来て、今回は絵画編①です。
人気の、伊藤若冲ですよ。
今回レポートする国宝の絵画は、2件です。
・国宝 動植綵絵 伊藤若冲筆
群鶏図
薔薇小禽図
・国宝 春日権現験記絵より
巻八【現在は後半部分】
残念ながら、いずれも11/7(火)から後期展示に切り替わってますので、今から展覧会に行く人は、予習として見てください(^_^;)
では、個別にレポートします(^_^)/
・国宝 動植綵絵 伊藤若冲筆
群鶏図
薔薇小禽図
三の丸尚蔵館所有の国宝。江戸時代 宝暦11年(1761年)の作。
伊藤若冲は有名な画家ですが、この動植綵絵が、唯一の国宝指定作になります。(ちなみに絵画部門で個人最多の国宝指定を誇るのは"雪舟"で、一人で8件も指定されています)
この動植綵絵は、10年もの間に描いたシリーズで、全30幅あります。
その中から前期で2幅、後期で2幅の、計4幅が展示されます。
最高の絵師が描く作品は、200年を経ても色鮮やかです。
では、1点ずつ見ていきましょう(^_^)/
群鶏図
↑Wikipedia より
若冲といえば、鶏!
ポスターでも、メインビジュアル張ってます!
13羽の雄鶏を、細密に美しく描いています。
どのニワトリにもピントが合っていて、ポージングも決まってます。
比較的時代が新しい事もあって、キレイに残ってますね。
薔薇小禽図
↑Wikipedia より
白とピンクの薔薇🌹の中に、小鳥が1羽描かれています。どうして薔薇とわかるか?というと、
・国宝 春日権現験記絵より
巻八【現在は後半部分】
三の丸尚蔵館所有の国宝。鎌倉時代 延慶2年(1309年)の作。
宮廷絵師 高階隆兼(たかしなたかかね)が、最高級の画材と最高のテクニックで描いた、絢爛絵巻です(^o^)
"絹本(けんぽん)"といって、"紙"ではなく"絹地"に描かれています。そして、大判です。縦の長さが、通常の絵巻物より2割程大きく作られています。
更に、当時最高級の絵の具を使っているので、700年以上経過しても、色鮮やかに残っています。
藤原氏の氏寺だった興福寺に伝わったもので、春日明神の霊験譚を、当時宮廷絵師であった高階隆兼が描いています。
皇室へは、五摂家のひとつ鷹司家より献納されました。
全20巻の内の、巻第八を展示しています。前期で前半部分を、後期で後半部分に巻き替えての展示です。
例によって、オリジナルの写真が無いので、東博所有の模写本を使ってレポートしていきます。
以下、画像は東京国立博物館研究情報アーカイブス より。
《清凉寺のお話し》
そのお告げを聞き、尼は嵯峨釈迦堂(清凉寺)へお参りした……というお話し。
春日権現験記絵は、春日明神の霊験譚だけでなく、市中の人々の日常も描いているので、隅々まで見ると楽しいです(^o^)
《唯識論によって、難を逃れるお話し》
さらにある日、乱暴者の武士たちが、入道の家に押し入ろうとしたところ、先陣の武士が「この家には"唯識論"がある!」と押し入ることをやめました。……という夢を見たと、入道の使用人は話すのです。
当時、疫病は鬼が引き起こしていると、考えられていたことがわかりますね。
夫は嘔吐し、妻は心配そうに背中をさすっています。使用人が水を差し出していますね。痩せ細った犬は、ゲロを食べたそう(^_^;)
すると何という事でしょう。客間の棚の奥から唯識論が出てきたのです。これには、誰もが驚きました。
《興福寺の僧 増利のお話し》
興福寺で学ぶ僧 増利は「"顕教"と"密教"どちらが真実なんだろう?」と悩んでいました。
そこで増利は、春日明神にお伺いを立てることにしました。
次回は、絵画編②。
このまま、春日権現験記絵 第八の後半部分を見ていきます(^_^)/