お腰につけた〜きび団子、ひとつ私にくださいな♬
というわけで、岡山県立美術館
へ行ってきました(^_^)/
国宝の展示は、1件のみです。
・国宝 春日権現験記絵 高階隆兼筆より
巻第十一( 第一・二段)
宮内庁三の丸尚蔵館所有の国宝。鎌倉時代 延慶2年(1309年)の作。
例によって、オリジナルの写真が無いので、東博所有の模写本を使ってレポートしていきます。
以下、画像は東京国立博物館研究情報アーカイブス より。
恵暁が現実世界に戻ってきたところは、絵巻には描かれていません。
この辺が、現代人との感覚が違うところ。起承転結で云うと、"起"←死んだように寝てる、と"転"←地獄で閻魔に経を読む、だけを描いているので、絵だけを見てるとストーリーを追えないので、消化不良になるんですよ~(^_^;)
気を取り直して、続きです。
その夢枕に春日明神が現れます。
手前の黒い束帯姿が、春日明神です。
「恵暁よ、些細な事で寺を離れるなどと考えるな。私がそばで引き立ててやろうと、考えておるのだゾ!」
ありがたいお言葉を聞いて、恵暁は思いとどまり、ついには権長官にまで上り詰めたそうです。
春日明神の顔が、蔀戸(しとみど)に隠れて見えませんね。神様の顔を描くのは憚られるためです。畏れ多いというわけです。
起承転結で云うと、"結"だけを描いています。わかりにくいね~(^_^;)
ここで第一段は終了です。
第二段は、時は流れ、恵暁が鳥羽院からの咎で、播磨国に追放された後のお話し。
そこで、祈祷僧を呼ぶことにしたのがこの場面。
「恵暁殿は、いつ都に戻れるのか?お示し給え~キェーー!」
祈祷僧の祈祷の力により、真ん中の小坊主に春日明神が降りてきます。
「恵暁は、5年後には都に戻れるであろう……」
左端のピンクの着物を着た子供がカワイイですね。経巻を振り回して大喜びです(^o^)
予言通り、5年後、都に帰ってきた恵暁は、興福寺で維摩会の講師を務めるまでに出世しました。
国宝が春日権現験記絵だけだったのが残念ですが、皇室の名宝も眼福ものです。
特に国宝ではほぼ皆無の、明治・大正期の、絵画や工芸品は目を見張るものがあります。
平日だとぜんぜん混んでないので、ゆっくりと鑑賞できます(^_^)