7/20(火)東博 本館で国宝 平治物語絵巻(六波羅行幸)他を見る | 死ぬまでにすべての国宝を肉眼で見る

死ぬまでにすべての国宝を肉眼で見る

2023年12月現在の国宝の総数1,137件。そのうち、美術工芸品906件。これをすべて肉眼で見ようという計画です。関西中心の情報をお届けします。

東京国立博物館 で特別展「聖徳太子と法隆寺」を見る

https://ameblo.jp/osapon-ok/entry-12688468885.html 

https://ameblo.jp/osapon-ok/entry-12688929683.html 


とともに、本館 での展示も合わせて見ていました(^_^)/

そちらもレポートしておきます。


本館 で展示されている国宝は、


・国宝 平治物語絵巻 六波羅行幸巻(〜8/1まで)

・国宝 興福寺金堂鎮壇具

・国宝 法華経 巻第四(浅草寺経)(〜8/15まで)

・国宝 法華経(久能寺経)方便品(〜8/15まで)

・国宝 短刀 粟田口吉光(名物厚藤四郎)(〜8/15まで)

・国宝 太刀〈銘備前国友成造〉 (〜8/15まで)


の6件です。

まずは、国宝室から見ていきましょう。
「国宝室」は、国宝を1点のみ展示する、国宝専用の展示室です。贅沢な展示方法です(^_^;)
年間14件の国宝が、展示がえされていきます。
私が訪問した時は、
でした。
こんな感じで、巻頭から10mほど長尺で展示されていました。
ですが、全巻展示じゃなかったんですよねぇ〜(^_^;)そこがチト残念でした。
では、レポートします。


・国宝 平治物語絵巻(六波羅行幸)

鎌倉時代(13世紀)の作。東博所有の国宝です。

平治の乱(1159年)でのできごとを絵巻化したもので、合戦絵巻の代表作といわれています。
展示の「六波羅行幸」以外に、ボストン美術館所有の「三条殿夜討」、静嘉堂文庫美術館所有の「信西」の巻があることが知られています。

では、見ていきましょう(^_^)/
↑まずは詞書き。
源平の勢力争い真っ只中の出来事です。平家側の立ち位置で見ていきます(^_^)
ストーリーは、源氏方に幽閉されている、二条天皇奪還作戦を描いています。
↑場所は内裏。真夜中。平家側の武士が内裏に侵入、源氏方を蹴散らしています(^o^)
↑絵巻は右から左へと見ていきます。
なんとか二条天皇の身柄を確保した平氏方。
↑闇夜に紛れて、牛車で内裏を脱出します。
↑真夜中ですからねぇ〜源氏方の門番も居眠りしてます(^_^;)
↑公家装束の男は、平氏方の内通者 藤原惟方(ふじわらのこれかた)か?牛車を検閲しようとする源氏方の武者を、諌めています。
平「これこれ君たち、高貴な方に失礼であるぞ」
源「へ?おっさん誰?」
源「怪しい牛車だ。中をあらためさせてもらうぞっ!」

バッ!
二条天皇ピーンチ(^_^;)

源「あれ?」

中にいたのは美しい姫でした(^o^)顔は見せませんが、女房装束でそれとわからせます。
↑ぐりん と、松明を振り回す武者。マンガ的な表現です。

平氏方は、二条天皇に女裝させるという機転で、何とか奪還作戦を成功させました。
↑場面変わって、その二条天皇を乗せた牛車が、平清盛がいる六波羅へ入る場面。
↑二条天皇の牛車にわらわらと付き従う平家方の武士たち。
↑一人ひとりの行動が面白いです(^_^)
↑「兄貴ぃ〜、兜忘れてますよ〜」
「おう!すまねぇ」
↑二条天皇をお迎えする六波羅では、武士たちもあらたまってお迎えします。キレイに菱形に固まってますね。
荒くれ者の武士にしてはお行儀が良いです。
↑ここで詞書が入って、場面が変わります。
一夜明け、二条天皇の養母 美福門院が二条天皇を追って六波羅にやってくる場面。
↑この頃になると、騒ぎも落ち着いています。
↑美福門院も優雅に到着です(^_^)
↑詞書があって、更に左に別のシーンがあります。
立場変わって、源氏側。内裏から二条天皇を奪われた源氏方が右往左往する場面が描かれているのですが、見えません(^_^;)

もうちょっとだけなのに、なんとか展示できなかったんですかねぇ(^_^;)?


残念ながら8/1までの展示です。


・国宝 興福寺金堂鎮壇具 




・国宝 法華経 巻第四(浅草寺経)


こちらは、写真撮影禁止。巻頭から3mほど展示しています。

わりとよく展示される国宝装飾経です。

浅草寺所有の国宝。平安時代(11世紀)の作。


このお経は全体的にゴールドです。全体に金箔を散らし、金の界線が引かれています。

"界線"というのはお経を真っ直ぐ書くためのガイドライン、罫線のことです。鹿の毛の筆で引かれる事が多いようです。

文字は、キレイな楷書で墨書されています。文字はウサギの毛の筆で書かれる事が多いようですよ。

1行17文字のノーマルなタイプ。


軸木には、蝶と小鳥が螺鈿で表されています。軸木の面積なんて、ホンの僅かしかないのに、実に細かいです(^o^;)


見返し絵は、キンキラキン。ゴールドに輝いています!

そこに宝塔が描かれているんですが、金泥で描かれているので、まぁ見にくい(>_<)

このお経の鑑賞ポイントは、この宝塔を見つけることですよ~

8/15までの展示です。




・国宝 法華経(久能寺経)方便品


鉄舟禅寺(鉄舟寺)所有の国宝。平安時代12世紀の作で、鳥羽法皇が作らせたと伝わっています。

こちらも写真撮影禁止。寺社が所有し、信仰の対象となっているものは、基本的に撮影禁止が多いですね。


こっちのお経は全体的にシルバーです。

1行17文字のノーマルな書き方。若干太めの扁平な文字で書かれています。

料紙は、染紙に金銀の砂子が撒かれ、切り箔が散らされています。これは表だけでなく裏にも施される念の入れよう。

お経の天地には、(おそらく)銀泥で花文様が描かれています。軸木は金銅製です。


見返し絵は、ピッカピカの銀地にフルカラーで、宮廷装束の二人の男が描かれています。

これが、なぜか相合傘……ボーイズラブじゃないよね(^o^;)(^_^;)

8/15までの展示です。




・国宝 短刀 粟田口吉光(名物厚藤四郎)


国宝指定名称は、短刀〈銘吉光(名物厚藤四郎)/〉。
たんとう〈めいよしみつ(めいぶつあつとうしろう)〉と読みます。

鎌倉時代、京都粟田口派の藤四郎吉光の作です。
厚藤四郎の名は、↑の刀身の厚みに由来します。ほら、分厚いでしょ。
8/15までの展示です。




・国宝 太刀〈銘備前国友成造〉

1階13室での展示。
刃を下に向けた"太刀"です。
備前国 友成と、銘が切ってあります。
そして、樋(ひ)の中に素剣(すけん)が彫ってあります。
"樋"は、刀身の軽量化のために施してある溝です。ショックアブソーバーの役割をするともいわれています。金色の"はばき"に近いところが剣の浮き彫りになっていますよ。
8/15までの展示です。


なかなか手が遅く、レポートが遅くなってスミマセン(^_^;)
(国宝 平治物語絵巻 六波羅行幸にいたっては、8/1までの展示って、明日やん((((;゚Д゚))))

当ブログは、私の国宝鑑賞記録のためのものであるので、ご容赦願います。