1/17奈良博「珠玉の仏教美術」 | 死ぬまでにすべての国宝を肉眼で見る

死ぬまでにすべての国宝を肉眼で見る

2023年12月現在の国宝の総数1,137件。そのうち、美術工芸品906件。これをすべて肉眼で見ようという計画です。関西中心の情報をお届けします。

サンデートークの前後には、奈良博常設展を見てましたので、レポートします。
この日展示されていた国宝は、
・国宝 聖徳太子及び天台高僧像より
・国宝 紫紙金字金光明最勝王経 巻三
・国宝 密教法具
・国宝 中尊寺金色堂堂内具より
の、7件8点です。
では、レポートします(^-^)/

まずは、絵画から。

・国宝 聖徳太子及び天台高僧像より

兵庫県の一乗寺所有の 国宝。平安時代(11世紀)の作です。
正式な国宝指定名称は"絹本著色聖徳太子及天台高僧像"。送り仮名の"び"が無いですね(^_^;)
最澄をはじめ天台の高僧9名と、聖徳太子を加えた、全10幅の軸装された人物画です。
(これね、奈良博に7幅と東博に2幅、大阪市立美術館に1幅と、3館に分かれて寄託されているので、全幅見るのに手間ひまかかるんですよ~)

その中から、天台の高僧"慧思(えし)"が展示されています。
慧思(南岳大師)(515~577年)は中国は南北朝時代の高僧で、弟子に中国の天台宗を大成した"智顗(ちぎ)"がいます。←智顗も天台高僧像の1幅ですが、今回は展示されていません。

さて、その慧思は80×150cmほどで、袈裟を纏い左手に折り経を持つ立像(立ち姿)で描かれています。パンプスのような靴を履いているので、中国の僧だとわかります。
僧形には珍しく、赤い唇で歯を見せています。ピンク色の肌に、髭の剃り後が黒々とした、ずんぐりとした坊主頭のおじさんといった感じです(^o^;)

1/24までの展示で、1/26からは聖徳太子が展示されますよ~(^o^)




・国宝 紫紙金字金光明最勝王経 巻三

出典:ColBase
奈良博が所有する国宝で、奈良時代(13世紀)の作。

聖武天皇が全国に国分寺建立を命じた際、そこに建てる七重の塔に納める10巻の経巻として書かれたものです。
今回は、巻三。
ワインボルドーの紫紙に金泥で経文を記した、美しいお経。楷書でキレイに書かれています。巻末1mほどの展示。

これで巻・三・を見ました(^_^)
こうなったら、全10巻見るか(^o^)/




こちらも、金光明最勝王経ですね。

西大寺が所有する国宝で、奈良時代 天平宝字6年(762年)に、百済豊虫(くだらのとよむし)が、両親の冥福を祈って書写させたお経です。
百済豊虫は、光明皇后or孝謙天皇に仕えた女官と目されています。

先の紫紙金字金光明最勝王経と違って、普通の白い紙(ベージュっぽくなってる)に薄く界線が引いてあり、1行17文字で墨書されています。装飾性はありません。
平安時代に白点・白書(白字で返り点など)が付けられています。平安時代の人たちが奈良時代の文書を読もうとしていたんですね(^_^)国語資料として貴重だそうです。

最巻末1mほどの展示で、末文に「金光明最勝王経 巻第三」の記載があります。




長谷寺が所有する国宝。
国宝指定名称は、ただの"法華経"。
鎌倉時代(13世紀)の作です。

一品経(いっぽんぎょう)と呼ばれる、全34巻からなる法華経のセットです。
内訳は、法華経28巻、無量義経3巻、観普賢経1巻、阿弥陀経1巻、般若心経1巻となります。

今回の展示は、法華経28巻の中から「安楽行品第十四」です。

装飾経の1種で、1巻ずつ異なる装飾が施されているようです。


、観世音菩薩普門品は見返し絵が無く、料紙の上下と裏を、金銀の切り箔で飾った装飾経でした。また全巻中唯一、行書で書かれたものでした。

今回の、安楽行品第十四は、見返し絵に金泥をふんだんに用いた大和絵が描かれています。獅子に乗った菩薩なので、文殊菩薩でしょう。脇に善財童子もいます。
見返し絵があるのは、序品第一と安楽行品第十四の2巻のようです。

料紙の上下に金銀の切り箔を散らしゴージャスなのは、観世音菩薩普門品と同じですね。違うのは、料紙の裏には装飾が無いこと。(観世音菩薩普門品は裏も切り箔で装飾されているが、安楽行品第十四はされていない)

以上が、今回新たに展示替えで出展された国宝です。


残りの、
・国宝 密教法具
・国宝 中尊寺金色堂堂内具より




しているので、割愛します(^_^)



2/14までの展示です(^o^)