(通期展示)
・国宝 本宮御料古神宝類から
黒漆平文飾剣(柄白鮫)
鉾身
(前期展示)~ 2/7
・国宝 金地螺鈿毛抜形太刀
・国宝 沃懸地酢漿平文兵庫鎖太刀(中身無銘)
・国宝 沃懸地獅子文毛抜形太刀(中身無銘)
・国宝 本宮御料古神宝類から
梓弓
槻弓
鏑矢
黒塗矢
・国宝 鼉太鼓
です。
武具だらけですね~(^_^;)
・国宝 本宮御料古神宝類から
梓弓
槻弓
鏑矢
黒塗矢
黒漆平文飾剣(柄白鮫)
鉾身
まずは、弓矢系。すべて平安時代後期(11~12世紀)の作です。
刀と同じように、弓にも魔を祓う力があると考えられていたようです。弦を引いて音を鳴らして魔を祓うといった神事もありますりますよね。
梓弓(あずさゆみ)
38張あるうちの1張が展示されていました。装飾などはほぼ無い、黒漆塗りの弓です。
槻弓(つきゆみ)
16張あるうちの1張が展示されていました。こちらも装飾などはほぼありません。僅かに赤漆の色分けがある程度。
鏑矢(かぶらや)
これ、初めて見ました!
4隻あるうちの2隻展示。
鏃(やじり)はY字型で、その根本に球体が付属しています。この球体が"かぶら"に似ているので"鏑矢"なんですね。
そしてこの矢を射ると、鏑に空気が通り笛のように鳴るんです。音を出すための矢なんですね。
黒塗矢
はい!これも初めて見ました(^o^)/
91隻あるうちの18隻展示です。
展示の18隻のうち、3隻は鏃が欠失していまるもの、残りの15隻は→型の鏃が付属していました。矢には剥離が激しいですが、黒漆が塗られています。
展示されている矢の矢羽は、すべて失われています。
これらは同じ本宮御料古神宝類の中の、白葛胡籙残闕 1合(←展示はありませんが"やなぐい"のことです)に付属していたものと考えられているようです。
黒漆平文飾剣(柄白鮫)
黒漆塗りの儀礼用の剣。反りの無い直刀。
本来は美しく宝石やガラス玉がつけられていたであろうことが窺えますが、すっかり抜け落ちています。
柄に白い鮫の皮(といってもエイの皮)があしらわれているのが特徴です。
春日権現記絵(春日本)の一場面とともに展示されていて、そこには、病魔を追い払うために枕元に、この黒漆平文飾剣(柄白鮫)を置いている場面が描かれていました。
鉾身(ほこのみ)
独立展示ケースでの展示。平安時代後期(12世紀)の作。
鉾(ほこ)の刀身部分です。
刃の中心部に、銀象嵌(ぎんぞうがん)で唐草文があらわされています。
過去にも見たことがあったんですが、目に入っていなかったです。見た目は汚れや変色してしまったりですが、良くできています(^o^)
制作当初はさぞやキレイだったことでしょう。
・国宝 沃懸地獅子文毛抜形太刀(中身無銘)
漢字の羅列凄いなー
いずれも拵え(こしらえ)のことが表されています。拵えは、鎌倉時代前期の作です。
では、名前からこの国宝を紐解いていきましょうね。
〈沃懸地(いかけじ)〉
蒔絵の手法です。漆塗りの上に金粉を高密度に蒔いているので、金箔を貼ったかのようです。金箔だと金属なのでギラギラ感が出ますが、あくまで金粉なのでパウダリーな感じです。
女性の化粧に例えるなら、ファンデーションが厚塗りにならず、テカリ無くキレイに塗れた感じでしょうかf(^_^;
〈獅子文〉
拵えに獅子が三匹、"欠き割り蒔絵"で表されています。沃懸地の上から細い針でカリカリ模様を削り出す手法。非常に繊細です。
〈毛抜形太刀〉
太刀の柄(つか)、握る部分に毛抜形という、マンガに良く出る犬が咥えている骨みたいな形を透かし彫りしています。
〈(中身無銘)〉
刀身のことです。刀身は平安時代後期の作。"無銘"なので銘は切ってありません。
刀身には短く細い"樋(ひ)"が1本ありました。
・国宝 金地螺鈿毛抜形太刀
春日大社の国宝といえばコレ!
平安時代後期(12世紀)の作です。
拵えは、金沃懸地に螺鈿(らでん)で、竹林で雀を追うネコが描かれています。
ネコは、拵えの表と裏に3匹ずついて、それぞれしてることが違うので、よ~く見ておきましょう(^o^)
雀を足で押さえ込んだり、口で咥えていたり、色んなポーズがあります。
ネコの目までも螺鈿で表していて、角度によってキラキラするのも見ものです。
・国宝 本宮御料古神宝類から
神への奉納品は、太刀や剣が多めですが、こちらは打刀。刀身は平安時代後期(12世紀)の作です。
わりと短めの打刀ですね。目釘穴は3つ。ハバキに梵字が彫られています。樋は太いのと細いの2本あります。
こちらの特徴は拵えの方にあります。
蒔絵と金の象嵌で、四つ目菱文ががあらわされていて、これが見事です(^o^)
独立展示ケースでの展示で、照明が良いのか、過去に見たときよりキレイでした。
平安時代中~後期(10~12世紀)の作です。
おもしろいのは刀身で、わずかに反りのある太刀なのですが、切っ先だけが両刃になっています。
平安時代中~後期(10~12世紀)の作です。
刀身は鞘と癒着して抜けなくなっています。
柄に鮫皮に似せた銀板を貼っています。それで"柄銀打鮫"の名がついているんですね。酸化によって黒く変色してしまっていますが、製作当初はシルバーに輝いていたのでしょう。
黒漆塗りの鞘の金具には、繊細な宝相華唐草文が透かし彫りであらわされています。
・国宝 沃懸地酢漿平文兵庫鎖太刀(中身無銘)
また、漢字だらけですねぇ(^_^;)
分解して見ていきましょう。
〈沃懸地〉
漆塗りの上に金粉を高密度に蒔いています。
〈酢漿平文〉
酢漿(かたばみ)は、クローバーのような三つ葉植物。これを3つ並べたマークを拵えに3箇所並べています。
〈兵庫鎖〉
兵庫鎖は、針金の輪を二つに折り曲げて、連結した平べったいチェーン。これで刀を帯にぶら下げます。
〈太刀(中身無銘)〉
反りの強い太刀です。ぐぃんと曲がってます。目釘穴は2つ。名前のとおり銘は切ってありません。
・国宝 鼉太鼓(だだいこ)
大展示室には常設で、最近国宝になった
鼉太鼓も展示されていますよ(^_^)
目録を貼っときますね(^-^)/
今回の目的は、国宝 本宮御料古神宝類から鏑矢と黒塗矢を見ることでした。
(前期2/7まで)
一昨年、奈良博で開催された「春日大社のすべて」で、ほぼすべての春日大社の国宝は見ていた
のですが、一部まだ見ていないものがあるので、春日大社 国宝殿の展覧会はチェックしています。