京都国立博物館で国宝 入唐求法巡礼行記を見る | 死ぬまでにすべての国宝を肉眼で見る

死ぬまでにすべての国宝を肉眼で見る

2023年12月現在の国宝の総数1,137件。そのうち、美術工芸品906件。これをすべて肉眼で見ようという計画です。関西中心の情報をお届けします。

京都国立博物館へ行ってきました(^-^)/

京博の常設展「名品ギャラリー」で、

・国宝 入唐求法巡礼行記 円仁記(兼胤筆)4帖のうち1帖

が展示されているので見に行きました。



まずは、

・国宝 入唐求法巡礼行記 円仁記(兼胤筆)4帖のうち1帖
から。

1階、書跡の展示室「いにしえの旅」にて2/9までの展示です。
国宝 入唐求法巡礼行記は、延暦寺の僧 慈覚大師 円仁(えんにん)が、最後の遣唐使として唐に渡った際の旅日記です。
承和5年(838年)~14年に帰国するまで、9年7ヶ月に渡る記録だそうです。
当時の唐の風俗や文化・生活・交通について、また、唐の中央から地方まで、自分が旅した範囲のことを記録しています。更には目の当たりした廃仏運動の様子などが書かれていて、大変貴重なものであるようです(^o^;)

オリジナルはすでに失われていて、鎌倉時代 正応4年(1291年)に、同じ天台宗の
兼胤(けんいん)が書写したものが、これで最古の写本です。

冊子形式の綴じ本で、見開きの状態で展示されていました。虫食いの穴がたくさんあいてました(^_^;)
全部で4帖あるうちの1帖のようです。

安藤積産株式会社という、岐阜県の法人が所有しています。
この会社、他にも重文の源氏物語(早蕨)の帖も保有している謎の会社です(^o^;)
岐阜県には美術工芸品の国宝は4件しかないのですから、なかなかのもんです。

そして、展示の隣には重文の円仁入唐求法目録も展示されていました。
こちらは平安時代のもので、円仁が唐から持ち帰ったもののリストです。巻子形式でした。


こちらは、京都の安祥寺から寄託品。
こちらは、このブログでも何度か紹介していますね。
昨年国宝に指定されたばかりの新人さんです(^o^)
現存する五智如来坐像の中では最古のものです。
その他おもしろかったのは、特集展示「京都御所障壁画 紫宸殿」~2/2まで
で、展示されていた賢聖障子(けんじょうのしょうじ)全9面です。

これですねぇ、御所の紫宸殿に立てられている障壁画なんですよ。
今は東京に出張中の"高御座(たかみくら)の後方に立てられている、賢聖障子(けんじょうのしょうじ)ってヤツなんです。
中国の昔の賢臣32人が描かれています。
そして中央には獅子狛犬と負文亀(ふぶんき)。右側の口を開けてるのが獅子で、左の角が生えてるのが狛犬。負文亀は、その上にいます。
9面揃って公開されるのはなかなか無いそうです。
京都御所では、紫宸殿の中まではなかなか見る機会が無いので良かったです。
(ただ、私の予想では高御座が東京から帰ってきたときに、高御座とともに公開されると思います)

絵巻の展示室での「幻の源氏物語絵巻」も、国宝ではありませんが伝 土佐光起筆の源氏物語絵巻 葵の巻も見応えたっぷりでした。
外はもうすっかり日がくれていました。
訪問したのは金曜日だったので、午後8時まで心行くまで観覧しました(^o^)/