国宝 信貴山縁起絵巻は3巻あるのですが、里帰りするのはその内の1巻で、毎年ローテーションしています。
今年は「尼君の巻」。
レポートの前に耳寄り情報を。
で、これ、すごく良かったです(^-^)/
何が良かったかまとめてみました。
①絵巻が全場面、写真展示してある
霊宝館の本物の国宝絵巻は、全体の1/3ほどの展示ですが、ここ飛倉館では全場面見ることができます。
絵巻の各場面の見所がキャプションで、解説されていて、これがなかなかポイントを押さえています。
②ボランティアガイドの方が解説してくれる
キャプション読むのは時間がかかるので、ガイドの方にお話伺うのもいいです(^-^)/質問にも答えてくれます。
さて、予習ができたところで霊宝館へ向かいましょう。
・国宝 信貴山縁起絵巻(尼君の巻)
信貴山縁起絵巻は3巻あり、共通して信貴山朝護孫子寺にいた、命蓮(みょうれん)というお坊さんの霊験譚を表しています。
今回展示の「尼君の巻」の主人公は、その命蓮のお姉さん。
20年前、弟 命蓮は「東大寺に行って、立派なお坊さんになります」といって出ていったきり音沙汰ありません。
心配になった尼君は、従者を連れ東大寺に向かうのでした。
奈良に向けて旅をする中で、尼君は様々な市中の人とふれあいます。いずれの人たちも、尼君を優しく受け入れてくれます。ただ命蓮の行方を知っている人は誰もいませんでした(>_<)
山中に鹿の姿がチラホラと見え、奈良に入った頃、東大寺に至る最後の村でも、尼君は親切な対応を受けました。しかし、命蓮の行方はやはりわからぬままです。
東大寺に到着した尼君は、ここでも命蓮の行方が知れないことに落胆します(^_^;)
そして、大仏殿の前で夜を明かすことにするのです。
すると、夢に大仏さまが現れます!
「命蓮は信貴山の方にいるよ」
夢告を受けた尼君は、信貴山へ向かいます。
大仏さまのお告げのとおり、信貴山には修行中の命蓮がいました。
ここでやっと二人は再会を果たすのです。
そして、二人は共に修行に励むのでした(^_^)
これが、ざっくりとしたストーリーです。
展示は、尼君が東大寺 大仏殿で過ごした前後の部分でした。
第一の見所は、尼君と市中の人たちとのふれあいでしょうか?
絵巻全体を通して言えることですが、登場人物がみんな優しい顔をしているんです(^o^)
怒っていたり、辛そうだったりしている人はいません。
絵巻全体がホンワカとした雰囲気を醸し出しているんですね。
第二の見所は、大仏殿です。
ポイントは2つあって、
①大仏殿が南都焼き討ちで焼失する以前のものである
②尼君を異時同図法で描いている
です。
①は、今の大仏殿と比べてみると面白いですよ。柱と柱の間の数が、今の方が少ないのがわかります。横幅が狭くなってるんですね。
②は、国宝 玉虫厨子の捨身飼虎図(しゃしんしこず)と同じ表現方法です。
(ちなみに、この場面で尼君は6人いるんですよ。わかるかな?)
その後、本道にお参りしました。
11/10(日)までです!興味のある方はお早めに(^_^)/~~