なら仏像館 国宝 八幡三神坐像(薬師寺) | 死ぬまでにすべての国宝を肉眼で見る

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2024年9月現在の国宝の総数1,143件。そのうち、美術工芸品912件。これをすべて肉眼で見ようという計画です。関西中心の情報をお届けします。

奈良国立博物館にあります、なら仏像館へ行きました。
4/14まで、なら仏像館では2件の国宝が展示されています。
・国宝 木造八幡三神坐像
    (僧形八幡)
    (神功皇后)
    (仲津姫命)
の2件です。

まずは、国宝 木造薬師如来坐像から。

いつ来てもいらっしゃいます。
なら仏像館の"ぬし"です。
50cmほどで、展示ケースに収まるのに丁度良い大きさです。
なんせ奈良国立博物館が保有する唯一の国宝彫刻ですので、フルタイム勤務はやむを得ません。


国宝 木造八幡三神坐像。

薬師寺所有で、奈良国立博物館寄託のものです。
薬師寺の鎮守社に伝わったもので、最古の神像彫刻として国宝に指定されています。
神仏判然令により、現代の私たちはお寺と神社は完全に別個のもの、ややもすれば対立するものという感覚があったりしますが、それは明治以降のこと。
それ以前は仲良く同じ敷地に同居していました。(先日、東寺の神仏集合のイベントにも参加しましたしね)(^-^)

お寺のご本尊は仏像であることが多く、対して神社のご神体は三種の神器に代表されるように鏡や剣・玉が多いです。
したがって神像が作られることは珍しく、現存する神像が少ない要因となっています。
さらに、廃仏毀釈の影響もあり、神像は仏像よりも圧倒的に神性が強く、非公開であることも少なくありません。(吉野水分神社の国宝 木造玉依姫命坐像などは完全非公開です)

そんな貴重な神像の中でも、保存状態が良い、この木造八幡三神坐像が国宝に指定されているのは納得です(^o^)

さて、それでは解説を。三神の名のとおり三体セットです。

中央に座すのが、剃髪し僧侶の様相の八幡神です。応神天皇のお姿です。
天皇=神ですが、神様は私たちの目には見えません。
そこで我々にも分かりやすいように、姿形を変えて、この世に現れてくれるのですが、応神天皇は僧侶の格好で現れてくれた訳です。まさに神仏集合ですね\(^o^)/

応神天皇のお母さんです。仲津姫命より落ち着きがあるように見えるのはそういう訳でしょう。衣の中で分かりにくいですが、左足を立てています。
また、左手に穴が開いていて何かを差せるようになっています。榊(さかき)なんかを差したのかな?

応神天皇の奥さんです。若い娘の姿で現されており、三神の中で一番華やかなので見ごたえがあります。
まず、神功皇后より髪の毛が長いです。後ろから見るとよくわかりますが、床まで伸びています。若いのでヘアスタイルもオシャレですね。
着物も裾が床に広がっていて、神功皇后
が留袖を着ているとすれば、仲津姫命は振り袖です。若いので着物も華やかなんですね~
こちらは神功皇后と逆で右手に穴が開いていて、何かを差せるようになっています。
若いっていいねぇ~

そう思って見ていると神功皇后の姑感ハンパないです。こころなしか意地悪な顔に見えます。

嫁姑問題を現代に伝える国宝です(^_^;)

私は、2017年京都国立博物館で開催された「国宝展」で僧形八幡神功皇后は見ていました。今回、仲津姫命が見られてよかったです(^o^)
これでコンプリートできました。

以上で国宝の紹介は終了です。
4/14までですので、ご訪問はお早めに(^_^)/~~