バリと日本では、貨幣価値がだいぶ違う。
日本人は、まぁだいたい観光客価格で買わされる事になるが、それでも日本で買うより安い。
そこで、服の話である。
現地で安い服を買ってしまうと、すぐに破れるような本当に安物なので、買わない方がいい。
が、現地でのブランド服は、現地の人には高いけれど、日本人には買える値段なので、お得感がある。
私のお気に入りブランドは、ピテカントロプス。
配色も、デザインも、かなりおしゃれで、日本でも、背筋を伸ばして着て歩けるレベルだ。
このピテカントロプスの、アウトレットが、ネカ美術館の近くにある。
ここに、どうしても行きたくて、泊まっていたカンプンリゾートに、トランスファーをお願いした。
その日は大雨で、出る直前になって、ようやく雨は止んできた。
フロントへ行くと、その日私を乗せてくれるドライバーは、つい先日、私が指をけがした時に、お湯を使うよう勧めてくれたり、バンドエイドを渡してくれたりした、あの、心優しい青年だった。
少年の面影が残る彼だけれど、車が運転できる年齢なんだなぁ、と思ったりする。
車の中で、彼が話しかけてくれようとするのだが、どうも英語は苦手なようで、どうしても意味がわからない。
こちらも英語は苦手なものだから、結局、心は通じても会話はなし、の状態になった。
ネカ美術館への道のりが、結構あった。
後で地図を見たけれど、どの道を通ったのか、さっぱりわからない。
バリは、道が複雑だ。
しかも、バイクも多いし、運転のマナーも悪い。
でもって、道もでこぼこだ。
現地でレンタカーを借りる人はいないと思うが、現地では絶対現地の人に運転してもらった方がいい。
運転に自信があったとしても、どうも地図に載ってないような道が多くて、絶対迷子になりそうだ。
そんな、地図に載ってなさそうな道を走るのだが、なぜか人口密度はけっこうある。
市街地から離れていそうな所でも、かなりの現地の人が歩いている。
ワルンとかの店もあちこちにあるし、お揃いの制服を着た子供たちも、沢山歩いている。
観光地ばかりを巡っている我々であるが、バリはやっぱり奥が深そうだ。
そんな、複雑な道を通って、ネカ美術館まで来た。
お目当ての、ピテカントロプスアウトレットは、美術館のすぐ近くの、小さい店だった。
私は、うきうきして店内に入る。
アウトレットだから、そんなに品揃えがいいわけではないけれど、そんな中から、お気に入りになりそうなのを探すのが、楽しい。
ドライバーの青年には、すぐ終わるからね、と言った。
彼は、気にしなくていいですよ、と言ってくれた。
が、実際には、あれやこれや服を見てしまい、30分位店にいてしまった。
ドライバー君は、退屈だったと思う。
最初は、店の前に座っていたけれど、途中から、店員の女の子と現地語でお喋りをしていた。
じっと待っていたら、かわいそうな所だったけれど、お喋りしてくれたので、ちょっとは救われた気分になった。
結局、4着お買い上げ。
アウトレットじゃなかったら、もっと沢山買っただろうが、やっぱり品揃え具合からすると、この位になってしまう。
でも、大満足のお買いもので、実は、現地で買ったジャケットを、今、通勤に来ている。
暑いバリで着るおしゃれ服だから、今の日本の暑い夏にも、さらっとかっこよく着こなせるデザインで、大のお気に入りだ。

