そんなわけで、右手指をけがしてしまった私は、さっそくシャワーをあびるのに困った。
なにせ、こちらの水道水は、口をゆすぐだけで下痢をするという、バイ菌だらけの水だ。
もしも傷口に入ったら、ひどく化膿してしまって、言葉の通じない病院に行って、高い治療費を払って・・・・
と、こうなる事が、目にみえている。
なので、シャワーは、右手に絶対水をかけないようにした。
体を洗うのは、左手だけでも、まぁ何とかなる。
困ったのは、髪を洗う事だ。
これは、片手では、やっぱりできない。
どうしよう・・・・・
と思っていた時、テガラランの棚田へ向かう道の途中に、サロンがあった事を思い出した。
店の前に、メニュー看板を出していて、クリームバスもあったはずだ。
そうだ、そうだ、サロンでシャンプーがてら、クリームバスをしてもらったらいいのだ。
サロンと言っても、こんな感じ。
ドアなし。
「SALON」と紙が貼ってあるから、美容院なのかなぁ、とわかる程度だ。
普通だったら、こんな怪しげ?なローカル店に入ったりはしない。
ただ、今回は、髪を洗いたくても洗えない、というやむをえない事情があったのだ。
おそるおそる店内に入る。
店内には女性が二人いたが、二人とも英語はわからないようだった。
なので、私は、ひたすら、「クリームバス、クリームバス」と言う。
すると、一人の女性が、「あー、あんたはクリームバスをしたいんか」みたいな事を、現地語で言う。
私がうなずいて、まずは、髪を水で洗い始める。
その前に、なんか、肩の出るビニールポンチョみたいなのを着ろ、と現地語で言われる。
狭いカーテンの陰で、ポンチョを着て、バッグを足元に置いて、シャンプーの始まり。
全部、指示は現地語と指さしだ。
髪を洗うのは、湯ではなく、水。
日本で、湯で洗ってもらう事を当然と思ってしまっていたから、水で洗われると、ちょっとびっくりする。
水でさっぱりシャンプーのあと、鏡の前に座らされ(現地語で)、髪にクリームを塗り始める。
少しずつ髪を取りわけ、ていねいにクリームを塗ってゆく。
髪すべてにクリームを塗り終えると、少し時間を置く。
横にテレビがついているが、なにせ言葉がわからないから、見てもさっぱりわからない。
なので、目を閉じて、しばし休息。
クリームの香りに包まれて、まったりなひととき・・・・・
といいたいが、なにせ、ドアのないサロンだ。
目の前の通りを走る車の排気ガスがすごい。
全然癒されない。
それでもまぁじっとしていると、隣の席に地元のおじさんが散髪にやって来た。
この店は、地元の人御用達みたいだ。
しばらくすると、また現地語と手招きでシャンプー台に行き、クリームを落とす。
すると、あらまぁ、するするさらさらの髪のできあがり。
約1時間半。
お値段は表に出ていた立て札通りの4万ルピア。(日本円で400円くらいか)
面白いから、次またテガラランに行ったら、宿でシャンプーしないで、ずっとここでクリームバスしてもらおうかなぁ、と思っている。
