城郭模型製作工房

城郭模型製作工房

城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

「城郭模型製作工房」をご覧いただき、ありがとうございます。


日本の城郭や古建築の模型およびジオラマを専門に製作しております。個人向け鑑賞用から展示用、メディア掲載用まで、幅広くご要望にお応えしております。
こちらのブログでは主に製作過程や考証内容を公開しています。


城郭模型の魅力を、少しでも多くの方にお伝えできたらと思います。どうぞお楽しみください。



↓今までの全作品はこちら↓
城郭模型製作工房作品ギャラリー


2020年が終わります。

いつの日か歴史の中に振り返られる時、今年はどんな転換が起きた年として記録されるのでしょうか。

そんな中にあっても、模型づくりに明け暮れることができたことは幸せなことだと改めて感謝の思いでいっぱいです。

ブログの更新がなかなかできませんでした。

来年はもう少し以前のように…とも思いますが、発信の場所が少しずつ変わってきているのかもしれません。


現在つくっているのは熊本城天守閣の被災模型です。

来年4月に、熊本城天守閣は修復工事を終えて内部まで公開されます。

その展示の一角に私の模型が加わります。

空間だけではなく、時も記録する。

私が目指す模型そのものがテーマになります。

先日、天守閣の中に入ってきました。
グラフィック展示でも少しお手伝いさせていただいており、そのチェックです。

全ての足場が取れた次の日でした。
ここまで復興を遂げた姿に胸が熱くなりました。

全国のお城の中で最新の展示です。
展示の予算はおよそ10億円!

オープンをお楽しみに!!

来年が明るい方へ向かっていく年でありますように。

みなさまもくれぐれもご自愛下さい。


今年も一年、ありがとうございました。













大変ご無沙汰しております。

ブログをアップする余裕もない…ほど、おかげさまで忙しくさせてもらっています。

来春オープンの熊本城天守閣の展示にも関わらせてもらっていたり、他にもまだ表には出すことができない案件をいくつか抱えています。

Twitterもしばらくお休みしていた時期があるようなありさまで。

そんな中、連載が気付けば12回。
隔月ですから、もう2年続いたことになります。

今回は時期的にもぴったりな紅葉燃える備中松山城です。


誌面は全部お見せできなくてすみません。

復元ものが続いたので気を楽にしてつくることができました。でも、締め切りを過ぎてしまいました…ゴメンナサイ。まとめるのが難しい城でした。



ぜひとも誌面でご覧ください。
発売日にすでにAmazonでは一旦売り切れになった模様です。アーマーモデリング は最近、売り切れになることが珍しくなく、書店で見つけられたら早めにお求め下さい。

模型誌でお城の連載があるのはアーマーモデリング だけなのです。
編集部が新体制になった時、実はお城コーナーは廃止になる寸前でした。

それを現・副編集長の佐藤ミナミさんが存続を訴えて下さり、第一回から

●編集:佐藤ミナミさん@Minami_chanko 
●撮影/編集:石塚真さん(スケールアヴィエーション編集長)@zukamako 
●解説:東郷隆先生
●文:榊柾人さん@Masaki_Plus 
●題字:宇津木千響先生

という豪華な布陣で誌面をつくってくださっています。
とにかく力を入れてもらっているのです。

特にスケールアヴィエーション編集長の石塚さんの外光撮影にこだわった写真と誌面づくりで、作品の良さを引き出してもらっているばかりではなく、お城コーナーにありがちなイメージを払拭して、とてもおしゃれなページに構成してもらっています。

楽しみにしてくださっている読者の方にも改めて御礼を申し上げます。

今まで私も好きなことを存分にやらせてもらいました。

お城模型、自分も作ってみようかな、という方が一人でも増えることを願って。
そうでなくとも、お城模型っていいな、と楽しみにしてくださる方が一人でも多くなることを願って。

これからも頑張ってつくります。


アーマーモデリング 8月号掲載の二条城寛永度天守模型の全体像を公開します。

縮尺は1/150です。


中井家の建地割図を模型化した初の例だと思います。


新出の建地割図もあり、破風構成にも根拠を持って造形することができました。

壁面の汚れなどの表情もつけています。本来だと窓に水抜き穴があって少し汚れ方は違いますが、大坂城の古写真などを参考にしました。大坂城はもっと盛大に汚れています。

石垣も二条城の空気が出たと思います。

水面は今回かなり厚く、樹脂を3回に分けて大量に使いました。それでも少し実物よりは浅くなっています。


城主のいない城ですので、窓は滅多に開かなかったと考え、全て閉じた状態。真っ白になってしまうので、影を描き込んで強調したり、立体感を増して対処しました。

博物館模型的な仕上がりになりました。

模型図面と考証内容はこちら↓で公開しています。


また、製作過程を約5分の動画にまとめました。Twitterの方で再生数六万回をいただいた、パーツの加工と石垣の彩色の動画も入れ込んでいます。



先日のブログでもご報告しました、福知山城の古写真です。

もう新聞やネット記事でご覧になられた方も多いと思いますが、ニュースになりました。


今回初めての経験でしたが、発見をニュースにするのがいかに大変か!!ネットオークションで発見して、これは大変なものが出ている、と体が震えたのは目の前に大ニュースがあったからなのですが、それを現実のニュースとするにはいくつもの山がありました。

まずは落札。
これが他の人のところへ行ったら、どこに行ったか分からなくなってしまう。そうなると、資料として表に出ることは2度とないかもしれない。福知山城の本来の姿を、みんなが見ることができなくなってしまうかも知れない。何がなんでも入手せねば!と決意しました。「詳細不明」となっていて「城」のキーワードすらないので、見つけている人は少ないだろう、しかし、かなり高額になることは覚悟しました。
案の定、直前に高騰しましたが、50万円を超えることまで想定していましたので、大きな額を入力して、落札が決まった時には全身に汗をかいていました。

出品を確認してから落札までの間に、商品画像を見ながら図面化をはじめていました。
これが当初版。
そのあと現物をもとにさらに観察を加えて手を入れ続けて、報道発表時にはこの形に納まりました。

写真の観察結果を見える形にしただけで、厳密なものではありません。立体では成り立たない。



無事に現物が届いた翌日、さっそく福知山市に連絡。市の学芸員さんに報告しました。ところが市には城郭史の学芸員さんがおられず、いわゆるお墨付きが出ないことが分かりました。
しかしこの学芸員さんは写真の分析に必要な資料を迅速に提供してくださったり、現況の写真を位置をずらしながらわざわざ撮りに行って何枚も送ってくださったり、おかげ様で撮影地点の推定をはじめとして写真の分析がとてもスムーズに進みました。今もやりとりを続けており、福知山での展示などに繋がっていく予感がしています。


撮影地点については、原始的な方法ながら、写真の中の基準点3点の比率から、天守からの距離75メートル68センチ、標高差10メートル90センチを割り出しました。
ちなみにこの地点は現在は空中です。ドローンでも飛ばさない限り同じ角度では撮影できません。なぜならば…撮影地点の二の丸は、完全に掘削されていて、今の地表面は当時より17メートル低くなっているからです。

同時に、知り合いの記者さんに相談していました。しかし、第三者のお墨付きがないことには、記事にはできないのです。この段階では福知山城の古写真を見つけた!と主張している人間が1人いるだけ、という状況です。

こんな時の強い味方はペーパークラフトのファセットの石原社長。同社のペーパークラフトは三浦先生の監修なのです。ちょうど先生に会う用事があるとのことで、頼み込んで三浦先生に画像を見てもらいました。観察レポートを添付して。メールも繋いでもらって。

そこで問題発生。画像は本物だけども、「明治期の古写真である」ことの確証が取れないというお言葉!
本物をもとにコピーした模造古写真かも知れない。タイミングがタイミングだけに可能性はなきにしもあらず…

そこで今度は古写真の専門家を探すことになりました。あちこちに電話して、最終的に日本カメラ博物館の研究者の方に見ていただくことができ、明治期の古写真だという判断をもらいました。

目の前にあるのは間違いなく鶏卵紙写真でしかもそれは福知山城なので(しかしそれは私の目にそう見えているというだけのことなのです)、報道向けのリリースを前もって作り始めました。いつもは記者さんから取材に見えるので、自分から記者さんにニュースを売り込むなんてことはやったことがない。

プレスリリースってどんなことを書くのか?から始まって、どこに出せばいいの?郵送?メール?ファックス?わからない事だらけでした。

知り合いの記者さんに分からないことをいろいろ尋ねて、リリースを投げ込む場所も絞ることができました。

リリースには専門家のコメントもほしいと思い、古写真だという判断をいただいた段階で三浦先生にお願いしたところ、快くお受けくださりました。おまけに「城郭関連では近年最大の発見だから記者発表をする価値は十分にあります」との心強いお言葉。先生も興奮しておられるのがメールの文面から伝わってきます。依頼してほんの数時間で原稿を書き上げてくださいました。

記者さんに画像データや資料をダウンロードしてもらえるページを作ったりしながら、万全の態勢をつくって7月22日の朝、記者クラブへの投げ込みと個別告知、サイトでのリリース公開をしました。

すぐに各社から連絡が入り、22日は電話とリモートでの報道対応に終日あたることになりましたが、その晩には時事通信から第一号報道が出されて、その動きの速さに驚いたり。

各社、記者さんによって質問の傾向が違ったりして、それが記事の違いとしてどう出てくるのかも読み比べられるかも。

ニュースをニュースにすることがこんなに大変だとは!勉強になりました。

そして、この写真をニュースにするために動いてくださった人が10人以上いらっしゃいます。さらに見えないところで力を貸してくださった方もあります。本当にありがたいことです。

福知山城の古写真は、今後もっと鮮明なものが出てくるかもしれません。そして、今回の発見がさらなる城郭研究の進展に役立つことを期待します。

さっそく議論が巻き起こりそうな予感がしています。

発見は始まりです。
私も年内には、この古写真をもとに模型化しますよ!もう作りはじめてます。

これは割り出した天守からの距離75メートル68センチ地点から写した箱組の写真。

これまた原始的なやり方です。
模型は実体があるので、こういうやり方が1番確実だったりします。

古写真に重ねて確認。
ほぼうまくいってる。屋根勾配も近似値を抽出できているようで一安心です。



こういう経緯で発表に至った、プレスリリースと古写真の観察レポートは、サイトのトップで公開しております。読んでやって下さい。




先週から連日、九州は大雨でした。
隣の大牟田市は大規模冠水で、この辺りも危険水位が近づき、消防団で待機したりと心が休まりませんでした。いつ出動になるかと雨が強まるたびにそわそわ。
消防車でパトロール中の写真です。川が溢れそう…

今夜も大雨らしい…

熊本はまた桁違いに大変です。

早く梅雨明けしてほしいです。
湿気が強くて木材が反るし…


さて、本日はアーマーモデリング 8月号の発売日です!

植物特集で夏らしい緑に溢れた表紙。

連載は二条城寛永度天守です。

中井家の建地割図をもとに図面化、そしてなんと、新出資料の情報が入り、ある程度の確証を持って造形することができました。

1/150です。模型の見上げ。

全貌は誌面でご覧ください。

詳しい考証内容と模型図面は公開しています。
あと、大ニュースです…
なんと
















福知山城の古写真を入手しました。



これは歴史的発見です。


値段も歴史的価格でした。

だって明治まで残っていたのに一枚も写真が無かった珍しい城なんだから!!!


古写真の観察報告も公開しましたので併せてご覧ください。↓
模型図面・考証など