中村直美さんのアメリカでの人体解剖実習シェア会が開催されます。
(直美さんはBMS Massage Therapy Schoolの講師であり、先輩です。)
人の身体に触れている仕事をしているからには聞きたい!!!と思い、参加してきます。
昨年、BMS Massage Therapy Schoolでは豚さんのボディで筋肉や筋膜、靭帯、神経などに触れる実習をしました。
普段食していて、見慣れているはずの豚さん。
なのに大きな個体として目の前にすると、初めは正直スッと手が伸びなかったです。触れ始めると…もう隅々まで心ゆくまで触れさせてもらいましたが
そして、昨年秋と先月。
父が大腸と肝臓の手術をしました。
その時に切除した大腸と肝臓を見せていただいたのです。その上、切除したそれらを見るだけでなく実際に触らせていただきました。
豚さん以上に手が震えました。
(豚さんは胴体のみで内臓はない状態でした。)
いつも触れている私たちの体。
その一部なのに。
豚さんに触れた時はお肉…筋肉の質感。それを包んでいる筋膜の想像した以上の存在感に驚きました。この存在が筋肉を纏めて支えているんだ!
そして腱のなんて艶やかで美しいこと!絹のような光沢。
こんなにも力強く繊細で美しいのか!
と。この時は豚さんでしたが、人間だって同じですもの^ ^
その一つ一つを実際に触れたことで、マッサージのタッチが明らかに変わりました。
それがあっての、今度は内臓。
大腸の患部、その上下?。上部はむくんでプヨプヨ。腸が浮腫むってよく聞くけど、こんな感じなんだ…とか。
肝臓の患部は白くなっていて、まるでそれが模様のようで^^;その感触の違い。肝臓の質感。
あの筋肉や骨の下にこの繊細なものが…
そう思いながら触れていると、ものすごい感謝が溢れてきました。
これらはいまここに、表に切り取られてきたけど、ずっとずっと73年間父の体の中で黙々と働き続けてくれていたんだ。その力強さと「体」の私たちに対する深い愛情が伝わってきました。
いまも私たちの体の中ではそれらがバランスよく動いてくれている。
直美さんのこの実習では終始「生」を感じ続けたそうです。少しわかるような気がします。
直美さんの体験、ご献体としてこうして経験を私たちにくださる方のためにも余すところなく受け取ってきます。
写真は直美さんから拝借いたしました。
私達は骨筋解剖学や神経の勉強をしますが、これらの知識がどう自分の中でありありと質感を持って生きた知識にしているか。
それでマッサージをしている人ってなかなかいないのではないかと思います。
当然、私も実際に解剖という体験はしていませんが、そんな中で今回の父での体験とこのシェア会はかけがえのないのもです。
この後の変化はとても楽しみです。
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