言わずと知れた伊丹十三監督のデビュー作。
奥方の宮本信子の父親の葬式で喪主となった実体験を下に
一週間で書き上げた脚本とのこと。
そのタイトルだけで大手の映画会社は配給を断ったが
大ヒットとなり、日本アカデミー賞を始めとする各映画賞を総なめにした。
実はまだ観たことがなく。
タンポポが素晴らしい作品であったので今回初見。
あらすじ
俳優の井上侘助(山崎努)の妻の千鶴子(宮本信子)の父親が急死し、
侘助の別荘で葬儀をすることになった。
喪主で千鶴子の母親(菅井きん)を支えながら侘助と千鶴子は
無事に葬式を行うことができるのか?
重要な点
①お坊さんが笠智衆。これ以上ない豪華で贅沢な配役。素晴らしい。
②死んだ父親の兄役で大滝秀治がいい味出してます。
③高瀬春奈が侘助の愛人役で登場。通夜の日に嫌がらせする濃いキャラで光ってます。
良かった点
伊丹監督の映画作りは王道で、ユーモラスやエロチシズムを
エッセンスに散りばめながらも人間への愛に満ちている。
宮本信子の暖かい眼差しと演技は素晴らしい。
スピーチが苦手で緊張する山崎努も微笑ましい。
また最後の菅井きんの喪主挨拶は素晴らしい。
他にも素晴らしい役者が多数出演している。
悪かった点
というか侘助(山崎努)はスピーチや挨拶の練習のために
劇中冠婚葬祭入門のビデオを観ているが、
この映画を観れば実際の葬式の流れが良く理解できる。
そのための資料としてもかなり役に立つ。
江戸屋猫八さんはたよりになると実感。